鳴かず飛ばずの吉原女(よしわらめ)No20
ガスを止められてしまって私達は、近くのビジネスホテルの大浴場に向かった。
宿泊者以外にも開放していたのでそこにいってみた。
広いお風呂もいいわねえと思った。しかし、ひとり千円かかる。ふたりで2千円だ。金欠の中で2千円は大出費。そこで次の日は、銭湯へ行った。
ひとり550円だが二人で1100円かかる。やはり出費は抑えたい。またシャンプーやボディソープも銭湯にはない。それもあって銭湯はちょっとないなと思った。
そこでガスが使えない我が家のお風呂でお水のシャワーを浴びた。真冬の水風呂は、かなり辛いが、しばらくすると慣れてくる。頭のシャンプーも水に慣れてくると、難なく洗えた。おお、いいねえ。
貧困なんだなあと思う。
自分はそういうのとは縁がないと思っていたが、そういうことになってしまった。
藁にも縋る思いで区役所に電話してみた。私達のようなお金に困っている人のための部署があった。そこに面談に行ってみた。すると優しそうな職員さんが話を聞いてくれた。帰りに食料品の入った段ボールを頂いた。
とても有難かった。