【歌集】精神病院入院前夜
生きていてただ生きていて生きていてそれで赦して貰えませんか
有りもせぬ罪で他人を支配するこんな世間を決して赦さぬ
ただ生きて空が青くて生きていてそれで赦されないから全部
銃口を貴様のこめかみ押し当てる言いたい事はそれで全てか
爆破するその憂鬱をテロリスト木端微塵の破片の上で
暴力をはらむ性とぞ生まれ来るその宿命と鍔迫り合いを
勇気、意志、情熱、克己、闘争心、理想、男の美徳は強さ
我ら皆武装蜂起の義勇軍かの闘争が血を掻き立てる
素手で割る閉じ込められたガラス室赤い水槽血塗れで出る
飢えて死ね寒さと孤立緩やかな暴力として心配してろ
老いと死と病と生と永遠と愛と憎悪と私の不在
玉砕が桜花の散るを美徳とし権力者らに抗議自死して
ナポレオン、リサール、マルティ、周恩来、幕末の志士、憧れた日々
春の歌全て円に満ち足りて憂う人など無きが如くに
絶命す君の呟き本当は叫びたかった命があった
柔らかい浴槽にいる◯精が全て壊れる麗かな朝