字幕翻訳、どんなPCを使ってる?【過去記事⑦】
※2021年に投稿した記事です。
こんばんは、じゃいこです。今日は前回のデスクツアーに引き続き、仕事用のPCについて紹介します。
昨年末、ずっと使っていたノートPCが壊れました。すでに10年近く使っていたのでそろそろ買い替えなければならないなと思っていたところの故障だったので、ある程度覚悟はしていましたが、それでも仕事がストップしてしまうので、ひやっとしました。幸い故障部分が液晶だったので、新しいPCが届くまでTVをモニター代わりに作業しましたが、不測の事態に備えて、予備のPCは必要だなと痛感した出来事でもありました。
今回は体験談を交えながら、PCを買う時に重要視した点や、実際の使用感などについてお話していきます。字幕翻訳をしている方だけでなく、勉強中の方の参考になれば幸いです。
PCを選ぶ基準は?
購入時にポイントしたのは以下の3点でした。
・SSTが動作するか
・容量が大きいか
・ノートにするかデスクトップにするか
SSTが動作するか
字幕翻訳で最も多く使われているソフトがカンバス社のSST G1シリーズです。そのためこのソフトが動作するのが絶対条件なのですが、動作しないPCや相性の悪いソフトが意外と多いので事前にカンバス社のホームページ(https://canvass.co.jp/sstg1series/requirement/)で確認することをお勧めします。このページによると、動作環境は以下のとおりです。
その他、おおまかな条件は、
1. Windowsであること(Macでの動作保証はなし)
2. 余計なソフトが入っていないビジネス用PC(ドスパラ、ツクモなど)です。
2の余計なソフトが入っていないかは注意が必要な部分です。前述のカンバス社のHPによると「日本の一般的な家電メーカー(NEC、SONY(VAIO)、富士通、東芝など)のPCは、販売時に色々なソフトがインストールされていることが多く、SSTとバッティングしてしまうソフトが潜んでいる可能性がある」、「東芝のdynabook SatelliteやHP製、Dell製のPCにて、SSTG1シリーズで映像再生がスムーズにできない事例があった」との記述があります。
実際に壊れてしまったPCが日本の家電メーカーのものでしたが、SSTで映像ファイルを開く時や字幕番号を振りなおす時にソフトが落ちてしまうという不具合が時々ありました。また以前予備用で使おうと思っていたdynabookは映像が途切れたり、スポッティングする時の動作がものすごく遅くて結局予備用としては使えませんでした。
相性が悪いソフトもカンバス社のホームページにまとめてあり、定期的に更新されるはずなので、購入前にチェックが必要です(https://canvass.co.jp/faq/user-dousa/)。
これらのことをふまえて、私はドスパラかツクモのPCで容量が大きいものを買うことに決めました。
ノートにするかデスクトップにするか
これは好みや生活スタイルの問題になるかと思います。結果からお話すると、私はデスクトップにしました。でもノートPCで作業していた時も不便はなく、ノートPCやノートPCとモニターをセットで使われている翻訳者さんもいらっしゃるので、どちらがいいとは言い難い部分です。
デスクトップにして一番よかったのが、モニターが大きいことです。作業しながら検索したり、番組ごとの表記ルールを並べて見られるので、作業がスムーズになりました。私もコロナ以前は韓国と日本を行き来することも多く、長い時は2週間近く滞在することもあったのでノートPCのほうが便利だったのですが、当面はデスクトップでいいかなと思っています。
余談ですが、映像翻訳は著作権の面と作業の内容(音声を聞きながら訳していく)を考えると、外で作業するのが難しいです。私もこの仕事に就く前はカフェで作業してみたいなと思っていたのですが、結局家の外で作業したことはありません…なので持ち歩きについてはそこまで考えなくてもいいのかな?というのが個人的な意見です。
購入したPCは?
実際に購入したのはドスパラの「Magnate MH Minecraft Starter Collection同梱 価格コム受賞記念1TB HDD増量モデル」、モニターは「ASUS VG245HE-DP ドスパラ限定モデル」です。
スペックはこんな感じです。
これに出張設置&初期設定代行サービス費用を合わせて14万円ほどでした。私は相場も分からず、PCにも詳しくないため、いわゆる家電量販店で売っているデスクトップの値段を想定して予算は20万円ほどで考えていたので、思ったより安く買えたという印象でした。
見ていただいてお分かりのとおり、容量は基準よりもかなり大きくなっています。予算に比べて安かったので大は小を兼ねる精神で大きいものにしました。バラエティー番組の翻訳の場合30~90分の映像を毎回ダウンロードするので、容量が大きいに越したことはないと思いました。
オプションにかんしては、翻訳をする方は基本的に入れると思いますが、字幕翻訳でもOfficeは入れたほうがいいと考えています。字幕の見直しにExcelファイルを使うからです。クライアントからのFBと自分が納品した字幕の見比べにも使えるので、私は毎回使っています。また用語集や表記ルールをまとめたりもできます。
使用してみた感想
ネットでPCを買うのは初めてだったので心配もありましたが、何の問題もなくスムーズに購入できました。組み立てと初期設定もプロの方が15分くらいでしてくださったので、出張サービスも利用してよかったです。
PCは今のところ文句なしです。動作もこれまであったソフトが落ちるような不具合もなく、今のところ問題は起きていません。さらに90分の動画をダウンロードするのに以前は10分近くかかっていましたが、今は長くて2分で終わるのでストレスフリーです。
故障した時や今後のことも考えて、ゆくゆくはノートPCも購入したいと思っています。