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振り返ってみたら字幕翻訳の役に立っていた韓国語勉強法【過去記事④】
※2021年に投稿した記事です。
こんばんは、じゃいこです。
きょうは字幕翻訳の仕事を始めてから、「あの勉強って今思うと役に立ってるかも」と思った韓国語の勉強法について書いていきます。
はっきりと「これをやれば翻訳家になれます!」と言わずにまどろっこしい書き方をしたのには理由があります。
字幕(映像)翻訳の仕事をしていると、「どうやってなったの?」と聞かれることがよくあります。ただ、「この方法、このルートをたどれば必ず翻訳家になれる」というルールはないと個人的に思っているからです。
学生時代に“翻訳家になる方法”のようなものを読んでも、「そもそもその方法で進む資格すらない…」ということがほとんどでした。韓国語の翻訳を専門で扱っている会社は少なく、経験者や韓国語を専攻で勉強してきた人しかそもそも募集していない、しかもトライアルあり、という状況で、まさに八方塞がりでした(専攻は韓国語ではありません)。
翻訳家になるまでの経緯は今回省略しますが、なってから知ったのが、翻訳者になるまでの道のりは人それぞれだということでした。年齢も経歴もさまざま。だからこそ「これをやればオーケー」と言えないのです。
それでも学生時代に独学でやっておいてよかったと思える勉強法があるので、紹介しようと思います。翻訳家を目指していなくても韓国語のレベルアップには有効な方法なので、自分に合うかも!と思っていたらぜひ試してみてください。
勉強の手順
① 毎週観るバラエティー番組を決める
② とりあえず通しで一度観る
③ 聞き取れない言葉があったらストップ→聞こえた音で検索してみる→違ったらもう一度聞いて検索、を繰り返す(数日に分けてもOK)
④ 聞き取れなかった単語をリスト化する
⑤ 最後に笑い声が入ってるor出演者が笑ってるポイントで、「なぜ笑えるのか」を確認しながらもう一周観る(これ結構大事です)
私は土曜日に放送されていた「無限に挑戦」で勉強しました。土曜日に通しで観て、最初は一週間かけて何とか全部聞き取れるくらいのペースでしたが、続けていくうちに火曜日~水曜日あたりには⑤までできるようになりました。ペースが速くなってきたら他の番組も並行してみる、というのを学生時代~前職時代の約4年半繰り返していました。
話はそれますが、気づけば番組の展覧会を見るためだけに韓国に行くほど「無限に挑戦」のファンになっていました…
ここでなぜバラエティー番組なの?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。もちろんドラマや映画でも問題ないです(私も映画でパダスギをしていたこともあります)。それでも私がバラエティー番組を観ておいてよかったと実感したのには理由があります。
それは韓日字幕翻訳を始めると、いきなりドラマや映画の案件が来るより、バラエティー番組の案件が来ることがずっと多いからです。CSや動画配信サービスの番組欄を見てみると分かると思うのですが、韓国バラエティー番組の占める割合は意外と大きいです。またドラマや映画はベテラン翻訳者さんが訳すことがほとんどです。かくいう私もドラマ経験は数えるほど、映画は未経験(いつか映画字幕ができますように…!)で、バラエティー番組がほとんどです。そういうわけで直接字幕翻訳の仕事とつながっていたので、バラエティー番組に慣れておくのはいい練習になっていたと思います。
以下、箇条書きですが、バラエティー番組で勉強することのメリットと、番組選びのポイントを書いておきます。
バラエティー番組のパダスギ(ディクテーション)をしてよかったこと
・知っている芸能人が増える&その人のキャラがつかめる
→特にレギュラー陣の人間関係やキャラクターは訳す時に知っていると結構訳に立ちます。
・略語に慣れる
→無限に増えていく略語にたくさん触れることでパターンがなんとなく分かるので、初見の略語が出てきたときに予想がつきやすくなります(流行語もしかり)。
・誰の言葉を拾うか判断しやすくなる
→バラエティー番組で大勢が同時に話していても、基本的に字幕で拾えるのは一人の発言だけ。誰の発言を拾って番組の流れを伝わりやすくするか、面白さを引き出すかは翻訳者の判断にかかっているからです。
バラエティー番組を選ぶ時のポイント
・好きな番組であること
→シンプルですが長く続けるうえで「好き」以上の理由はないと思っています。
・ゲストが毎回変わるor出演者が多い番組
→少しでも知ってる芸能人が多いほうが楽だと感じたからです。
・有名番組であること
→これは必然ではありませんが、人気の番組から流行が始まったりするので、トレンドをつかむ役に立つのと、韓国の友人に質問する時にスムーズだったからです。
以上が「振り返ってみると字幕翻訳の仕事の役に立っていた韓国語勉強法」です。
翻訳家になる道が人それぞれなのと同じで、勉強法も人それぞれだと思っています。上にも書きましたが何より「好き」で「合っている」のが一番なので、これが正解だとは言えません。