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円安は誰のため?~見えない負担を押し付けられる日本の現実~
目次
1. 円安が「良いニュース」と言われる裏側
最近、ニュースで「円安で輸出企業が好調」という話を耳にするたびに、私は強い違和感を感じざるを得ません。「円安で日本経済が恩恵を受けている」ともてはやされる一方で、その恩恵を実感できているのは一体誰なのでしょうか。確かに円安になれば、輸出企業は円換算の収益が増えるように見えますが、ドルベースでの実態はどうでしょうか。これは、表面的な数値だけを見て浮かれるべき話でしょうか?
2. 円安で「笑いが止まらない」政府の財政構造
まず、日本政府の財政構造を考えてみましょう。日本は大量の円建て債務を抱えつつ、米国債などの外貨建て資産も多く保有しています。円安が進むと、この円建て債務の実質的な価値が目減りし、相対的に財政負担が軽減されます。さらに、ドル建ての資産価値が円ベースで増加するため、外貨準備の評価益も発生します。つまり、政府にとっては円安の進行が「財政改善」のように見えるわけです。
こうした構造から、日本政府は表向きには「円安対策を講じている」と言いながらも、内心では円安の恩恵を享受しているのかもしれません。まさに「円安で笑いが止まらない」という状況です。
3. 本当に「儲かっている」と言えるのか? 〜ドルベースでの実態を無視した課税の問題〜
一方、企業や個人が為替差益によって円換算の「見かけ上の利益」を得たとしても、それは実質的な利益と言えるでしょうか?例えば、企業がドル建てで利益を上げても、円安によって円換算での収益が増加しただけであれば、その「増加分」が本当に実質的な利益なのかは疑問です。ドル建ての資産が増えていないのに、「儲かった」として課税される。この構造に対して、「本当にこれが経済実態に即しているのか?」と問いたいのです。
政府が見かけ上の利益だけを根拠に「はい、儲かっているんだから税金です」と課税する現行の制度は、まさに「ザイム真理教」とも言うべき発想です。為替レートという単なる交換比率の変動によって発生する見かけ上の利益に対して、実質的な価値が増えたかどうかを考慮せずに税金を課す。これはもはや「信仰」に近いものがあります。
4. 円安がもたらすのは国民への「負担の押し付け」
こうして円安によって政府が享受する恩恵の陰で、増大するのは国民への負担です。エネルギーや原材料を輸入に頼る日本では、円安が進むと輸入品の価格が上昇し、生活費や企業のコストが跳ね上がります。家計や企業が支出を切り詰める一方で、見かけ上の円ベースの利益に対する課税は容赦なく行われます。
民間は物価高に苦しみ、実際の購買力が下がっていく中で、「円安=日本経済にとってプラス」という論調だけが先行しているのは、あまりにも一面的で皮肉な現実です。
5. 本当に今の円安が「日本のため」なのか?
今の円安は本当に「日本経済のため」なのでしょうか? 政府が「対策を講じる」と言いつつも、財政的には円安の恩恵を受けている事実を考えると、果たして本気で対策を行うつもりがあるのか疑わしくなります。為替差益に対する課税も含め、「見かけ上の利益」ではなく「実質的な利益」に基づいた税制や経済対策が必要とされているのではないでしょうか。
円安による見かけの景気回復や財政改善が実態に即しているのか、その負担が誰にのしかかっているのかをしっかりと問い直し、税制や経済対策のあり方を見直す必要があります。今の日本には、数字だけでなく経済の実質的な影響をしっかり見据えた政策が求められているのです。
6. まとめ
円安の影響が「恩恵」とされる裏で、私たちは見えない負担を押し付けられています。「ザイム真理教」の盲信に支配されるのではなく、経済の実態に即した議論を進めることが今こそ必要です。