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写真と映像

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写真と映像の話
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Makina67のファーストロールから考える「空気を写す」ということの正体

これまで林はほとんどデジタルでしか撮って来なかったのですが、最近Makina67という中判フィルムカメラをお借りしましてフィルムを始めました。 ファーストロールの写真をnoteにまとめようと思ってすっかり忘れていたので振り返りつつ、今回は「空気を写す」という写真においてよく議論される概念について考察しようと思います。 あと一枚家でゴロゴロしている妻を撮ったのですがすごいゴロゴロしているので自分だけの写真にしようと思います。 以上が正真正銘の林の中判フィルムファーストロー

単焦点レンズに隠された「2つ目の焦点距離」

これは最近気づいたことなのですが。 単焦点レンズって焦点距離がひとつしかないレンズのことだと思っていたんです。 でも素敵な写真・映像を撮る人の中は、自分と同じ焦点距離のレンズを使っていても何か自分と違う使い方をしている…と感じることが多くありました。 その原因を探った結果、「単焦点レンズに隠された2つ目の焦点距離」を上手く使っている人がいることが判明しました。 具体的には特に「このひと自分より広角使うのが上手いな…」という人は明確にこの使い方をしていると感じます。 詳しく

あまり話されない、写真を撮るとき最初に選ぶ2択

写真の撮り方的なことは無数にありますが、一番初めに決めることについてあまり話されていない印象があります。 それは「この写真は記録なのか?記憶なのか?」です。

年齢の壁をどう克服するかPart.2【顔出し発信編】

年齢の壁シリーズ第二弾。 顔出しで発信する人編です。 YouTube等での顔出し発信はぶっちゃけすごくルッキズムな世界です。 ルックが良ければフォロワーは増えますし、良くなければ全く同じコンテンツをルックが良い人が発信している場合伸びは10倍以上変わってきます。 ルックの中には顔が整っているか、キャラクター性があるかの他に、もちろん年齢も関わってきます。 もっと広義の画面としてのルックに目を向けると、特によく見るのが「若い時と同じルックで撮っていることにより徐々に再生回数

写真という制約がもたらす「これは現実である」ということの意味

「眼の前にある光を捉えることしかできない」という写真ならではの制約がとても好きです。 昨今は生成AIの台頭などもあり、「欲しいイメージを手に入れる」とうことへのハードルは急激に低くなってきています。 恐らくあと数年で誰もが簡単に欲しいイメージを写真と全く見分けのつかない状態で生成出来るようになると思います。 そうなると今よりさらに「それは現実か?」ということが重要視されるようになっていきます。 それを踏まえて、写真の「これが現実であるという担保」に依拠して作品を作ろうと考

語りすぎると作家と見なされなくなる問題とどう向き合うか

写真や映像を撮る人には大きく分けて3種類います。 ①写真や映像のみで勝負する人 ②写真や映像とその写真や映像に関する思想を語ることで勝負する人 ③写真や映像とその写真や映像に関する思想に加え、how toを語ることで勝負する人 林は明らかに③で戦ってきたのですが、「how toをやったり何かを語りすぎると作家とは見なされなくなる」という問題があります。 これが怖くて本当は色々話したいけど①や②の発信しかしていない人もいるのではないでしょうか。 ③をやるメリットはたくさん

夏を感じるもの

みなさんは何で夏を感じるでしょうか。 僕ですか? 抜け毛の量ですね。

夏はまだ終わりそうにない。

写真の好きなところ。 五感で感じたことのうち閉じ込められるのは視覚だけなのだけど、見た人は写真を通して自分がその状況にいたら五感で何を感じるかを想起するところ。 写真は私の五感をあなたの五感に変換する装置。 夏はまだ終わりそうにない。

「写真集、何から読んでいいか分からない...」という方におすすめの入口

写真集を読みたい、写真表現についてもっと知りたいけど何から読んでいいかわからない…という方は多いと思います。 そんな方におすすめなのが雑誌「IMA」です。 国内では数少ないアートフォトマガジンで、毎号10名以上の写真家が特集されています。 写真集は初見だと難解なものが多く、買ってはみたものの作者の意図がわからずになんとなく観て終わってしまうことも多いです。 IMAのようなマガジンであれば解説がついているので、何冊か読むことで「写真ってこう見るのか」ということが分かってきま

フィルムライクRaw現像 -Raw現像の基本から自分だけの色を作る方法まで-

※累計販売250を超える本記事ですが、この度内容を無料でYoutubeへ公開致しました。 その他にもプロレベルで必要な写真・映像の知識を出し惜しみせず公開していますので、是非チャンネル登録お願い致します! みなさんRaw現像やってますか? 挑戦してみてはいるけど、 なかなか思うようにいかない方もいるのではないでしょうか? ネット上を調べてみても、なかなか詳細に解説してくれている記事は無いですよね。 私自身、会社を辞めてカメラマンになった時に一から色調整について学ばなけ

#6 写真は発見だとおもう

朝起きたら家の中に光が入っている。 少し待つとカーテンに綺麗なパターンが現れた。 光はすぐに消えてしまった。 毎日いる場所でも発見がある。 写真の面白さのひとつは、特別な場所にいかなくても自分にとって特別なものが撮れることだとおもう。 明日はどんな発見があるだろうか。 楽しみだ。

本当に買ってよかったカメラについて語ります。 -Nikon Z7 + Nikkor Z 50mm F1.8 S レビュー-

こんばんは。bird and insectのkotaroです。 先週、ニコンZ7を買いました。 レンズはNikkor Z 50mm F1.8。 半年ぶりのマイカメラです。 嬉しくて帰りながら撮った。 家で撮ってこれはいいカメラだなとおもった。 で、旅行でたくさん撮ったのでレビューしようと思いますが、その前にまず謝ります。 すみませんでした。 発表された直後、Z7のことめちゃくちゃ酷評したんですよね。 引用しましょう。 いよいよニコン終わりかも。。 もっと他に手

100mを30分かけて歩いて写真を撮ってみた

将来の夢はと聞かれれば、探偵と答える。 昔から、謎解きが好きだった。 小さいヒントから物事の原因を推理するのがとても楽しい。 物理学者にも憧れた。 地球という本当に宇宙の一部の一部でしかない場所で得られる限られた情報から、宇宙とは何かという最も大きな問いの答えを探す。 なんて素晴らしい職業なんだと思う。 今は写真や動画をやっているが、それも謎解きだと思っている。 謎はいくつかあるが、例えば「なぜこの人は上手く写真が撮れて、自分は撮れないのか。」。 ヒントは探偵や物理学者

顔が迷う人と迷わない人

写真を撮っていると、この人はめちゃくちゃ撮りやすいな!どこから撮っても絵になる!と思うときと、なぜだか上手く撮れない。。不思議だ。。となるときがある。 写真を始めた頃はその理由が分からなかったのだけど、あるとき撮りにくい人は顔が迷っていることに気付いた。 迷っているというのは、なかなか説明しづらいのだけど目が泳いでいたり、口元がむにゃむにゃしていたりする。これは想像したらみんな分かると思う。 基本、役者やモデルさんは迷わない。 なので、例えば三枚目の役者さんなどは、イケ