犬の散歩ついで撮影 Nikon Coolpix P610
目的のある撮影で、機材を選定してカメラバッグや銀箱に詰めて出かけることもある。外出の時ついでにカメラを持って出ることもある。良いスマートフォンを携帯している人はそれで撮れば済むだろう。カメラの形をした物でないと嫌だというのは我儘だとは思うが、こういう時のためのコンパクトデジタルカメラである。
秋に咲く花もある。気になったら適当に撮る。力が抜けている。写真としては凡庸かと思う。
秋なので色々な実が成る。最後だけ蝶。
購入当時でも5年落ちぐらいの中古品だった。新しい機種には超望遠ズーム、ビューファインダー付き、バリアングル液晶、重量500グラム級の Coolpix がないのでこれにした。光学60倍ズームで交換レンズなしで風景も人も花も小鳥も月のアップも撮れる。一方で弱点もある。マクロ撮影は少々苦手で必要ならクローズアップレンズを装着する。暗所は苦手。感度とノイズの問題もあるが、自動でAF補助光が光っても合焦しないことがある。旧式のコントラスト検出AFだから仕方がないだろう。画素数は1600万あるので用途を考えれば十分だと思うが、撮像素子サイズが1/2.3型(6.2×4.7mm)と小さいため諧調はやや粗雑。
バリアングル液晶は大変便利なもので、マクロ撮影や天体撮影では使ったらやめられない。以前持っていたオリンパスE620も普及機にもかかわらずバリアングル液晶だった。それに比べてソニーα7シリーズはⅣになるまで単純なティルトアップ液晶で何かと不便である。この辺りは歴史的にカメラメーカーとビデオカメラメーカーの違いかも知れない。ビデオカメラは縦位置がないのである。ソニーは静止画カメラの使い方を知らなかったとしか思えない。
素子サイズが小さいことは欠点ばかりではない。EDレンズを5枚入れた11群16枚のズームレンズは 4.3-258mm F3.3-6.5 というスペックで、35mm判換算だと24-1440mm相当になる。もし35mm判で 1440mm F6.3 のレンズを作ったらどんな大きさと重量になるか想像してみる。F10の反射式でよければ口径15cmのカセグレン系天体望遠鏡だろうか。超望遠を常用する人にはフルサイズよりマイクロフォーサーズが良いのではないかと思いもする。
このぐらいの望遠なら造作もない。
手持ちで月のアップが撮れると謳われ、月撮影モードが付属している。自動で焦点距離は最大ズームに固定され、焦点は無限遠に設定される。強力な手振れ補正ジャイロの効果で止めることはできるが、手の動きとタイムラグがあるので写野の中心に持ってくるのが難しい。しかし撮れた画像は真ん中に入った図よりズレている方が面白かった。
航空機手持ち撮影。道を歩いていて、ヘリの音を聞き上空を見回して視認、鞄からカメラを取り出してレンズキャップを外し、起動、照準、超望遠ズーム、シャッターを切る。建物の陰に隠れる寸前だった。