
Growth版 産業保健師必要なスキルシリーズ:企業人マインド
こんにちは!産業保健師サロンGrowthです。
Growthは、事業所の中で保健師1人で孤軍奮闘する方や、少数精鋭で踏ん張っておられる方を”企業で活躍できるよう”応援すべく、「学ぶ・つながる・成長する」をコンセプトに細々とサロンや交流会を開催している、産業保健畑の住民です。
最近、やはり産業保健師に必要なものは、高度な医療知識や技術ではなく、そもそも企業で過ごすためのマインドや、ビジネスコミュニケーションがそもそもないと、厳しいよね、と考える機会があり、note に残します。
産業保健師に必要な企業人マインドをつけるには?
産業保健師として活躍するためには、医療専門職としての知識やスキルに加
え、企業で働く「企業人マインド」を持つことが重要です。
Growthが考える企業人マインドとは?
①企業人の前に、社会人マナーがきちんとしている
・時間/約束を守る
・身だしなみ、姿勢のマナーが備わっている
・公私をわけた態度でいる
・言葉遣い、態度に礼儀がある など
②企業人であるということは・・
・企業組織の意味、目的を理解した上で、自分の立ち位置をわかっている
・組織のラインを意識した報連相ができている:上司を飛び越えない、勝手に動かない(上司の承諾を得て動く)
・企業の方針、施策、コンセプト、事業背景や事業環境を理解している
これらを踏まえて、健康管理を担う立場の担当者として、何をするか?のミッションを常に念頭に置いた業務をしている:企業における職務の遂行です
このマインドセットは、医療の専門性を発揮するだけですでなく、企業の目的や文化を広く理解し、組織全体の利益に貢献する姿勢を意味します。では、どのようにして産業保健師がこの心を身に付けられるのでしょうか?
1.企業の使命・ビジョンの理解
企業は、独自の使命やビジョンを検討しています。これらを理解し、自身の業務がどのようにその実現に貢献できることが重要です。 産業保健師の役割は、従業員の健康を守るだけでなく、それを大切に生産性の向上や企業の目標達成をサポートすることです。例えば、健康増進活動を提案する際には、「従業員満足度を向上させ、離職率を低下させる」といった具体的なビジネス成果を意識すると、企業側の理解と協力を得やすいです。従業員の支援においては、そもそも「会社=働く場」であるので、「仕事ができること」がゴールです。それをサポートするのが産業保健スタッフなので、、個人の自助力を損なうような「医療的対応」ではなく個人の自己決定や活動を「支援・推進」する対応の立ち位置でいることがまず重要です。
2.コミュニケーション力の向上
企業人としてのコミュニケーションは、医療現場とは異なる部分があります。例えば、専門用語を噛み砕いて説明する力、関係構築と協議に連携する力、経営層に対して効果的に提案する力が求められます。
特に経営層への報告では、健康被害がもたらす具体的な利益やコスト削減効果を数字で示すことが信頼を得る鍵です。
また、特に連携する人事担当者との関係づくりと業務を通じたわかりやすいコミュニケーションが取れているか?はとても重要で、ここに引っかかりを感じられると、「この保健師、大丈夫か?」と疑念を持たれ、信頼関係の形成にとても壁となります。
このビジネス上のコミュニケーションについては、別コラムで詳細をお伝えします。
3.経営感覚の習得
産業保健師が経営感覚を持つことで、より効果的な提案が可能になります。例えば、健康診断結果の分析から、健康リスクが高い層に特化したプログラムを提案し、その結果が業務効率の進歩につながることを示すような視点です。経営書やビジネス関連のセミナーを活用し、企業活動全般への重点を置きます。経営観点がわかると、経営層の考えや、事業部長等の組織の責任者の立場になって考える要素が自身のなかにたまるので、相手の視点で物事を考えるスキルが身につきます。
4.柔軟な対応力
企業の環境やニーズは刻々と変化します。多様な状況に適応できる柔軟性が、企業人としての認識を捉えます。例えば、従業員の働き方改革に伴う新たな健康課題やリモートワークの普及に対応する迅速を考え、実行することが求められる
5.継続的な自己啓発とネットワークの活用
ビジネス書を読む、MBAプログラムを検討する、あるいは企業の健康経営に取り組む他社の保健師との情報交換を行うことで、多角的また、産業医や人事担当者との連携を強化し、チームとしての相乗効果を意識することも重要です。同業者と仲良くなるだけでなく、他職種(人事、営業、開発、マーケティング、経営者等)の方と交流を持つのも、働く人を理解する上では、さまざまな環境に置かれた方の情報を得られるので、視野が広がると思います。
終わりに
企業人のマインドを持った産業保健師は、概念的な健康管理者を超え、企業の成長に向けて存在するとなります。専門知識を土台にしながら、企業全体の視点で行動することで、より大きな信頼と成果につながることでしょう。
このマインドセットは、一歩ずつの努力によって育まれるものです。
ぜひ、今日からその一歩を踏み出しましょう。