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公式マガジン『東京マサラ部、インドをつくる』

インドに行けない僕らが東京にインドを作り上げるまでの挑戦の記録。 カレーは手段ではなく、常に目的である。カレーを作り、カレーを食べ、カレーについて考え続ける。都内某所に存在する…
・カレーシェアハウスのヒト、コミュニティ、家についてクローズドで配信します。 ・東京マサラ部室の活…
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#スパイス

随時更新:『東京マサラ部、インドを作る』のガイドブック [index]

旅に出られない僕たちが東京にインドを作るために始めたカレーシェアハウス東京マサラ部室ですが、早いもので設立より半年が経過しました。まだまだインドは完成していませんが、少しずつカレープレイヤーの集まる場として機能し始めています。数字で言えば、いままでに500を超えるカレーが作られ、来客述べ人数は100人を超えました。 カレーシェアハウスで生み出されたカレー、遊びに来てくれた人、カレーの基礎研究レポートについて発信するカレーシェアハウス公式マガジン『東京マサラ部、インドを作る』

夏だし唐辛子について再考しよう。カシミールチリって結局何者なのか。

トウガラシは夏のフルーツ。 辛味はいわゆる五味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)ではないというのは有名な話だ。カプサイシンやピペリンなどの物質が舌を刺す刺激であり、熱や痛みと同じ神経で感じているらしい。 味ではないとしてもその刺激は料理のおいしさを後押しし、いまやなくてはならない嗜好品だ。唐辛子はインド料理作りに欠かせないし、蕎麦を食べるときはやっぱり八幡屋礒五郎の七味唐辛子だ(長野県民の思想がはみ出ている)。 しかし過度に辛すぎると美味しさもよくわからなくなってくる。

スパイスは農作物だよなあという話

京都で長年インド料理店を経営されているムガールの方が登場したポッドキャストをたまたま聞いた。もう4年前に収録されたものだったが。この時点で33年ということなので実に37年ということになる。古いお店なのだが古いインド料理店の味はしない。ランチで食べたダールタルカが異常に美味しかった。 昔の苦労話などを話されていた中で、スパイスのクオリティが最近ようやく上がってきていて、ひと昔前はコリアンダーパウダーの香りすらも実はよくわかっていなかったと語っていた。当時はエスニックブームより

牧志公設市場、沖縄の食材でマサラ合宿 #カレーだいしゅき手記

自分たちの自炊として那覇市公営の牧志公設市場の調理室を借り、沖縄で手に入れた食材やスパイスを活用した料理を作りまくってみた。牧志公設市場は建物の老朽化に伴い2023年3月に建て替えが完了したばかりで、建物がまだ新しい。あまり知られていないのだが、さらに三階まで上がると誰でも使える調理室があり、市場で買った野菜や魚、肉を自分たちで料理して食べることができる。 牧志公設市場のキッチンにて那覇では国際通りのドン・キホーテに近い安宿に泊まっていた。バリ調の小物が並べ立てられてまさに

沖縄東村にインドをつくる!村の食材でつくる、朝採れバナナリーフミールスパーティ #カレーだいしゅき手記

東村は沖縄本島北部のいわゆる「やんばる」地区に位置し、パイナップルが有名な人口1800程度の小さな村だ。 昨年のヒージャー(ヤギ)ビリヤニイベントで地元の青年会と繋がったことがきっかけとなり、今年も地元の食材をスパイスで料理し、村でとれたてのバナナリーフの上にのせてミールスを食べてもらうことになった。 沖縄の食材は熱帯の気候もあってスパイス料理と相性が良く、最近ではインド料理店も急速に増えてきている。 しかし東村は小さな村で、夜は電灯も全くなく真っ暗になるし、最寄りのコ

休むためのチャイ。北加賀屋のチャイ屋"Talk with _"では、世界に一つだけのチャイを作るワークショップを受けられる

造船場跡地で有名な大阪・北加賀屋にあるチャイ屋「Talk with _」。ギフト用チャイの製造工場とカフェを兼ねた当店舗では、アバター講師がリモートで指導をしてくれ、オリジナルのチャイを作るワークショップを受講することができる。 運営は一般社団法人ニモアルカモ。イチがあるならニもあるかも…。というのが名前の由来だという。実際に訪れ、ワークショップを体験してきた。 チャイで働き方の課題を解決するTalk with_は、元々キャリアコンサルタントとして就労支援をしながら副業で

畑でとれたての野菜を片っ端からカレーにした日 #カレーだいしゅき手記

京都に行ってきたので旅のことをいくつか書く。大学生ぶりに鈍行列車の旅をしたらしんどかった(鈍行列車で京都まで来た、と話したらこだま?って聞かれた。本当のローカル線の存在が見えない世界線があるようだ)。 さらには、出発してまず小田原駅でハンドパンを網棚に忘れ、すぐ見つかったが駅員に半笑いで対応された。 ハンドパンというのはUFOのような形をした楽器でステンレス素材でできている。叩くと思わず瞑想をしたくなるような透き通った音が鳴る。なんでも3つの音が同時に鳴っているらしく、赤

歯がなくても食べられる?口の中で溶けるマトンガラウティカバブの作り方【レシピ】

ラクナウで生まれたガラウティカバブ(Galouti Kabab/Gilawat ke kababとも呼ばれる)は、ジューシーでありながらホロホロと崩れ、宮廷さながらのリッチなスパイスの香りが突き抜ける平たい形をしたカバブ。(ハンバーグと言ってもよい) この料理はそもそも、歯を失ってもなお肉を食べたいというアワド最後のナワブWajid Ali Shahのために特別に作られた料理だった。galoutiという言葉は口の中で溶けるものという意味を持つ。 宮廷お抱えの料理人たちは知

¥330

短時間のテンパリングでスパイスの香りは本当に油に移るのだろうか?実験してみた@wacca【カレーのカガク】

今まで、カレーの構成要素として玉ねぎやトマトに関しての実験を繰り返してきた。ここからはカレーの本丸であるスパイスに関しても切り込んでいこうと思う。 今回は、短時間のテンパリングだけでスパイスの香りは本当に油に移るのだろうか?という実験をしてみたときのレポート。過去レポートはこちら。 インド料理でスパイスを扱うときに多くのレシピでまず登場するのが「テンパリング」ではないだろうか。 テンパリングとは、スパイスを油で加熱して香りを引き出すことであり、ヒンディーでは「タルカ(T