ミクロ経済学の公理
ミクロ経済学の公理に、「家計は効用を最大化する」というものがある。
これは果たして真だろうか。
身も蓋もないが、真偽の程は定かではない。しかし、ここでは2つのことを指摘したい。いずれも最大化という考え方についてである。
1つ目は、いかに経済が純粋な自然現象でないとはいえ、他の自然現象の多くが変分原理から導かれることを思えば、最大・最小ではなく極値をとるという形式にまとめる方が自然であるということである。
2つ目は、最大という概念が定義域に依存するということである。しかし、そのことはむしろ優れた点である。意識がどこに向いているかで効用、延いては価値観が変化し得ることを示しているからである。
以上を踏まえて、
「経済主体はそれが着目する系の安定化を図る」
としてみてはどうだろうか。