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(閑話)ピアノという楽器の持つすごさ

こんにちは。

今回は、アルバム紹介をお休みして、みなさんもご存知の楽器、ピアノについて書き連ねます。

みなさん、もしかするとピアノって、家でも学校でも公民館でも、身近に置いてあるので意識していないかもしれませんが、それだけ普及する「凄み」のある楽器なんです。

先日、ピアノが美しい新進気鋭のクラシック・クロスオーバー作曲家、Alexis Ffrenchのアルバムを紹介したので、ぜひこちらも。

ピアノのすごいところ(他の楽器と違うところ)

とりあえず、結論ファーストでいきます。ピアノのすごいところは(多分、私が思うには)次の4つです!

  1. p(ピアノ)もf(フォルテ)も出る(楽器名の由来)

  2. 同時に複数音が出せるし、なんなら連弾も可

  3. おそらく一番速弾きができる楽器

  4. 音域が鬼広い

さーて、後ほど一つずつ解説しますが、とりあえず簡単にピアノの歴史から。

歴史

ピアノ以前の鍵盤楽器

定説では、ピアノは1700年ごろ、伊・フィレンツェで、メディチ家に仕えていたバルトロメオ・クリストフォリによって開発されたと言われています。日本では、生類憐れみの令で有名な徳川綱吉が死去したのが1709年のことですから、江戸時代だった時期ですね。

ピアノ発明以前には、主に2種類の鍵盤楽器が存在していました。一つは、金属で弦を叩く方式の「クラヴィコード」、もう一つは弦を引っ掻く方式の「チェンバロ」でした。

▽クラヴィコード

▽チェンバロ

クラヴィコードは音が小さい、チェンバロは音量変化が付けられない、といった弱点を抱えていました(もちろん、反対にクラヴィコードはビブラートがかけられるなど、強みもある)。

ピアノの発明

そんな中登場したのが、クリストフォリが製作した「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(ピアノもフォルテも出るチェンバロ)」です。これがのちに略されて、ピアノフォルテ、さらにはピアノと呼ばれるものです。

音量を表す楽語のp(ピアノ)と楽器のピアノは、同じだったんですね。ちなみに、スコアやTAB譜などでは、楽器をアルファベット2文字の略称で表しますが(例:ギター=Gt.、ボーカル=Vo.、ヴァイオリン=Vn.など)、ピアノは現在でもPf.(ピアノフォルテの略)と表します

ちなみに、作曲家との時代感ですが、バロック音楽のバッハやヘンデルは、チェンバロ・クラヴィコードの時代。古典派初期のハイドンの晩年にはピアノが登場し、モーツァルト、ベートヴェンと時代が下っていくと、ピアノが主流になったようです。

構造

ご存知のように、ピアノはアコースティック楽器で、電気は使わずに全て機械的に動作します。

方式はいろいろありますが、共通部分として、鍵盤を指で押すと、ストッパー(ダンパー)が離れて、同時にハンマーが弦を叩く。逆に指を離すとダンパーが降りて、ハンマーも戻る。

ただこれだけのことですが、もう一度言います。

上の動画を見てください!鍵盤を押しっぱなしでも、ハンマーは一回弦に触れたらすぐに引っ込むのです。

ピアノのすごさ(詳説)

①音量の強弱をつけられる(pもfも出る)

さて、ピアノには、ハンマーが自動的に下がるという、超画期的新機能が付いていました!……なにが画期的かって??

クラヴィコードでは、鍵盤を押している間ずっとハンマーが弦にあたったままになっていました。でも、それだとハンマーが音を消しちゃって、音量がめちゃくちゃ小さくなっちゃうんですね。

その点、ピアノは鍵盤を押しっぱなしでも、ハンマーは離れます!よって、音量が出るようになり、コンサート等、広い場所でもでも使えるようになりました。

また、弦を引っ掻く方式のため音量表現が付かないチェンバロと違い、ピアノは弦を叩く方式なので、鍵盤を押す強さによって、強弱も表現できる。圧倒的表現力。まさに革命的な鍵盤楽器なんです。

②同時に複数音が出せる

何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、同時に複数音が出るのはすごいことです。アコースティック楽器では、他にギターとハープ、あとはオルガンくらいしかない(除く電子楽器)。

ピアノはその点、完全楽器と言われていて、音楽の三要素(旋律・和音・リズム)を一つの楽器で表現できる、かなり珍しい楽器なんです。

このように、伴奏と旋律を同時に出せるオールマイティーな楽器だからこそ、全世界で、教育現場にも、家庭にも、とりあえず設置されているわけですね。

③速弾き性能がいかつい

ピアノは、おそらく(練習すれば)一番速弾きができる楽器です。超絶技巧もお手の物。

例えば、超絶技巧で有名な曲といえばこんなのですが(フルで聴いてください)、オクターブの跳躍も細かいパッセージもお手のもの。

とにかく、他の楽器と違って、指は10本あるわけなので、一つの音を出している間に、他の指は次の音を出す準備ができるってのが強みですよね。

また、これが習い事で重宝される理由ですが、右から左に向かって高い音→低い音となっており、非常に直感的で操作しやすいのも特徴です。

④音域が広い

最後に、これ、めちゃくちゃ重要なんですが、ピアノは人間の聴力で聴き取れるほぼ全ての音を出すことができると言われています。

だからこそ、オーケストラでは色んな楽器を組み合わせないと成立しない曲でも、ピアノ1台で、1人で演奏できる。これも恐ろしいことです。こんな楽器他にない。

終わりに

ということで、ピアノは他の楽器とはちょっと違う、すごい楽器であり、だからこそこんなに普及しているとお分かりいただけたでしょうか。

コンサートホールからストリートピアノ、ポップス・ジャズからクラシックまで、TPOを問わずに演奏されるピアノ。

私も作曲するときは、ピアノをメインで組んでいます。

この記事をきっかけに、楽器の構造や、ピアノ曲に一層の関心を持っていただければ!

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