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【相手を間違えた詐欺師たちの末路】「SAW X」感想文 (ネタバレあり)

ジグソウの復活を待っていた

今回は「SAW X」を公開初日に観てきました。

私、「SAW」の大ファンでこの日を待ってたんですよ。

米国公開から約1年経過してから、やっと公開されました。

長い間、待っていた…

映画「SAW X」のネタバレを含みます


ジグソウVS医療詐欺師

今回のSAWは「ジグソウことジョン・クレイマーが医療詐欺師に騙されてしまい、病人を騙した詐欺師らに説教」をするという話です。

余命宣告された老人だと思ったら、殺人トラップで説教してくるヤベェ殺人鬼だったという時点で面白い。

ガンの手術をしにメキシコに来たのに、結局何も無かったと知ったジョンは詐欺師たちにゲームを仕掛けることにします。

メキシコに来たジョンが自分の手術だと思って、モニターで見ていた映像は手術の映像が収録されたDVDの映像の一部だった。

しかも、ジョンに医者のように振る舞っていた詐欺師たちは、売春婦、動物病院の医者、薬物中毒者といった人で構成されていました。

これはあまりにもヒドい

自分のような病人から金をだまし取る詐欺師に、「命を粗末にする奴は生きるに値しない」というポリシーのジョンは詐欺師に怒りを覚えます。

SAWシリーズ名物殺人トラップも健在

もちろん、SAWシリーズでおなじみのトラップも大活躍。

冒頭の場面でジョンは病院の清掃員が入院患者の私物を盗もうとするところを目撃します。
さすがに許せないジョンはこんなことを考えます。

清掃員は指と目に装置を付けられ拘束されます。

指には指を逆方向に折り曲げる装置
目には映画のポスターにも登場している、ゴーグルと管が合体した装置

清掃員は装置のダイヤルを回して指を折ることで助かります。
結局、清掃員はダイヤルを回せずに目の装置が作動して、眼球をチューブに吸い取られます。

眼球が吸い取られた時、眼球がチューブの中をジェットコースターのようにグルグル回ってから、箱に落ちて「ボロン」と落ちる様子がエグすぎる。

このシーンは、想像だけでもこんな装置を頭の中で考えるジョン・クレイマーがジグソウのゲームを創るパイオニアとして後の後継者には無い手腕を感じさせる場面だと感じました。
なんて言うか、ジョン・クレイマーのカリスマ性を感じちゃいました。

あと、ゲームの被験者が椅子に縛り付けられている所の周りをカメラがグルグルと回って360度見せるという演出が第一作の「SAW」のアマンダの逆トラバサミの演出をリスペクトしてて良き。

さて、今回の本題である詐欺師に仕掛けられたゲームを語りましょう。

まず、タクシー運転手で外科医を偽ったディエゴにゲームを仕掛けます。

ディエゴは手に手術で使うメスを取り付けられて、まるでドラ○もんみたいな状態で手が自由に動かせない中、腕に付けられた爆弾を腕の皮膚ごと切り落とす試練を受けます。

ディエゴは皮膚を切り落とし、助かります。

このトラップは腕に皮膚ごと切り落とさないと外せない時限爆弾を付けられて焦らせられるところが最高に面白い。

残りの詐欺師たちも廃化学工場に集めて監禁します。

まずは看護婦役のバレンティーナ。

彼女の首回りには糸のこぎりが設置され、装置が作動すると彼女の首を切り落とします。

彼女が助かるには糸のこぎりで脚を切断し、切断した脚の断面に管を刺して装置に脚の脊髄を一定の量を管から送って入れることで助かります。

脚を泣きながらギコギコ切るバレンティーナの表情や様子から、痛々しさが伝わってきます。

脚を切断することに成功したバレンティーナは次に脚の断面から脊髄を装置に送ります。

血と脊髄が装置に送られる場面では血に混じって、白くてにゅるにゅるドロドロした脊髄が出てくるところがめちゃくちゃグロくて気持ち悪い。
最高!

結局、バレンティーナは時間内に脊髄を装置に必要な量が遅れずに時間切れとなって、装置が作動して首ちょんぱになるんですけど、首がボロンと落ちて胴体と切り離されたところは悲惨そのもの。

残った詐欺師たちはゲームが終わるまで、脚と胴体と頭がバラバラになったバレンティーナの死体と同じ空間に居ることとなります。

個人的に「SAW X」のトラップの中でバレンティーナのやつが一番エグいと私は思いました。

次は麻酔医師役のマテオ

マテオに仕掛けられたトラップは車いすに縛り付けられた状態で頭に装置を装着されます。
マテオが助かるには麻酔なしで自分の頭の頭蓋骨をドリルで開けて、脳の一部を切り取って装置の容器に切り取った脳の一部を入れるというもの。

麻酔なしで脳の一部の切り取るという時点で危なくて気持ち悪い内容ですね。

マテオは脳を切り取れたものの、装置が停止する条件を満たせずに頭の装置が作動。
頭の装置はあの有名な「鉄の処女」みたいな構造で、中には電気ストーブのような装置が付いていて、頭の装置が閉じてマテオの顔を仮面のように覆います。

装置が動いた後のマテオの顔は画面写らないものの、電気ストーブのような装置で熱せられてマテオの顔は悲惨なことになっていることが想像できます。

これはこれで、かなり残酷なトラップですね。

あと余談ですが、「SAW」シリーズって実在する拷問器具が元ネタだと思われるトラップが出てくることあると思うんですよ。

例えば、「SAW ファイナル」のボビー・デイゲンの奥さんに仕掛けられたトラップは有名な「ファラリスの牡牛」に似ていると思うんです。

ボビー・デイゲンの奥さんのトラップは金属製の大きな筒に閉じ込められて、その筒を火で焼いて中の人を蒸し焼きにするところが似ているんですよね。

そう考えると面白いね。

話が逸れてしまったので、本題に戻りましょう。

マテオの次はガブリエラのトラップ

ガブリエラのトラップは繋がれた鎖で宙ぶらりんになった状態で電気ストーブみたいな機械で熱せられます。
この状態から抜けるには鎖に繋がれた足と腕をハンマーで骨折させないといけない。

ガブリエラは何とか、足と腕を骨折させて助かりました。

熱々に熱せられながら、宙ぶらりん状態でハンマーで足と腕を折るという内容もきついですね。

熱せられる状態なので、夏のすごい暑さの倍以上みたいなものという感覚で考えれば簡単に自分に置き換えて考えられやすいという内容であることもガブリエラの苦しさを想像しやすいですね。

まさかの逆転!?

次は医者のリーダー役で詐欺の主導者のセシリアの番。

ですが、その前にジョンと同じ医療詐欺に引っかかったパーカーという男がゲームの会場である廃工場に乗り込んできました。

しかし、パーカーもセシリアとグルでした。

なんと、セシリアとパーカーは夫婦でした。

パーカーはセシリアを救助し、ジョンとアマンダに拘束具を付けるように命じます。

ジョンはそれに応じて、状況が逆転してジョン側がピンチになってしまいます。

さらに、解放されたセシリアは劇中でジョンと仲良くなった少年のカルロスを連れてきてトラップの拘束具を装着します。

これらは「SAW」シリーズでも異例なことでビックリ。
私は心の中でジョンを応援してしまいました。

でも、ジョン・クレイマーはやってくれるので、心配はいりません。

セシリアがだまし取ったお金の場所をパーカーに伝えていたジョンは、セシリアとパーカーがグルであることを事前に知っており、セシリアとパーカーがお金を取り戻そうとしたら、毒ガスが噴出されてしまいます。

セシリアとパーカーの片方しか生き残ることができない状況になり、セシリアは夫のパーカーを殺害して、助かろうとします。

このセシリアという女の本性がいろいろヤバいんですよね。

歴代最悪胸糞悪女があまりにもひどすぎた

「SAW X」を観て、今作の登場人物でセシリアにイライラさせられました。
コイツはマジで許せないです。

個人的にセシリアは「SAW」シリーズで最悪のクズだと思うんです。
もう、シリーズ歴代で最高に胸糞悪い奴です。

いままでの「SAW」シリーズは人間のクズみたいな奴が色々出てきたが、セシリアはそれらが可愛く思えるくらいのクズでした。

私のフォロワーさんも「過去の被験者の中で一番嫌い」というくらいです。

まずはゲームから助かった仲間のガブリエラを踏み潰すという行為。
そもそも一緒に詐欺を働いたメンバーは最初から始末するつもりで、だまし取ったお金は自分とパーカーで山分けするつもりだったという。

ジョンの仕掛けたゲームによって「始末する手間が省けた」とか言って、マジで腹が立った。

ジグソウのゲームから助かったのに、裏切られてころされるガブリエラがかわいそう。

一番許せないのは、無関係の子供を巻き込んだところです。

まだ小さいカルロスをトラップに拘束させて殺しかけたとか最悪過ぎませんか?
こんなトラップで死にかける体験をさせられるカルロスが可愛そう。
一生モノのトラウマになりそう。

これは一番許せないです。
酷すぎる。

助かるはずだった仲間を殺す、無関係な子供を巻き込む、夫を殺す
といった最悪の所業をやってきたセシリア。

最後は部屋に毒ガスが充満し、部屋の穴から顔をだして生き延びたと思われるというところが、なんかモヤモヤします。

こんなことをやってきて、生き延びてほしくないわ。

劇中でジョンが「セシリアは一生ここで過ごすだろう」的なことを言っているので、結局セシリアは助からずに餓死した可能性もあります。

そうであってくれ。

こんなやつ、助からないでほしい。

今までの「SAW」シリーズの被験者は生き延びて今までやってきたことを反省したり、相応の死に方をした人が居たり、許せる余地はあるけど、今回のセシリアはさすがに許せない。

映画が終わった後、頭の中はセシリアへの憎しみでいっぱいでした。

マジでセシリアはくたばってほしい。

ジョンとアマンダが帰ってきた。そして…

今作ではジョン・クレイマーとアマンダがスクリーンで再登場を果たしました。

数年前からDVDで「SAW」シリーズにハマった私にとって、映画館のスクリーンでジョンとアマンダに会えたことが嬉しすぎました。

そして、おなじみの豚マスクも見れて最高でした。

カリスマ性のあるジョンと冷徹なアマンダを劇中で観れたのがすごく嬉しかった。

アマンダは過去作で「人は変わることができない」と思ってました。
今作は「1」と「2」の間の時系列であるため、こういうアマンダの心境を感じられました。

それでも、アマンダはジョンを尊敬して愛しているという様子を感じられて、好きなんです。

あと、エンディング後にはホフマンがちょっとだけ再登場します。

ここはすごく興奮しました。

詐欺師の仲間のヘンリーに「相手にジョン・クレイマーを選んだのが、間違いだったな」という場面はダークカッコいいホフマン刑事らしくて、しびれました。

ホフマン刑事、カッコよすぎる!

しかも、最後の場面が第一作の老朽化したバスルームというのも最高。

総括

「SAW X」はジョン・クレイマーの「命を大事にしない者は生きるに値しない」という信念と価値観を感じさせる物語でした。

ジョン・クレイマーが出会った小さい子供の自転車を修理する場面を見てると、ジョン・クレイマーがジグソウになる前は普通の人間で、普通の生活を送ってきた人間であったということを感じさせます。

ジョンはガンで余命宣告を受けて、自殺を試みたが生き延びた事や妻を流産させたセシルの件があって、生きることのありがたみを覚えない人々に苛立ち、目覚めて殺人鬼ジグソウとなった。

ジョン・クレイマーのジグソウとしての仕事の意義を知れる作品でした。

トラップは前作「スパイラル」のような派手さには欠けるものの、過去作の1~3らへんの作風のトラップになっていて、まさに原点回帰してます。
ジョンが作ったトラップというのを感じさせる作り手の意図を感じます。

少しだけ、「3」のアマンダが設計した絶対死ぬトラップの要素も感じられます。
もしかしたら、今作に出てくるトラップはジョンとアマンダが設計したかもしれません。

あと、「3」の歯車がスケッチで登場するといったファンサービスもありがたかったです。

今作も「SAW」らしい面白さがあって楽しかったです。

120分くらいある上映時間があっという間でした。

あと、ジョンとアマンダがカルロスを救出して脱出する場面は「資料館」といったジェームズ・ワン監督作品みたいな温かいラスト演出で最高でした。
(ちなみに、ジェームズ・ワン監督とリー・ワネルは今作の製作指揮をとっている)

最高の作品でした!

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