アトピーと重曹+クエン酸風呂
アトピー性皮膚炎の人と水の硬度、お風呂の工夫を前半はエビデンスに基づき、後半は私の仮設を多めに含んでまとめました。今回はユル目です。
先日、母親コミュニティの友人がSNSで「背中の痒みが保湿しても改善しないけど、重曹+クエン酸の塊を作ってお風呂に入れていると改善する。」と書いていました。
「不思議だな?」と考え続けて「ひょっとして水の硬度が調整されているのかな?」と思いつき調べてみました。
水の硬度とは水の中に含まれるカルシウム イオンとマグネシウム イオンの濃さの話です。
日本は硬度が低いので軟水が多く、硬度が高い硬水はエビアンやボルビックのようなミネラルウォーターでしか馴染みが無いと思います。
水の硬度とアトピー性皮膚炎
すごい論文がでていました。詳しくは私の尊敬するほむほむ先生のブログで。
水の硬度が高い地域でアトピー性皮膚炎になってしまう子供の割合が高いという発表です。
余談ですが、医療のビッグデータを使って、今までは医療者が薄々そうじゃないかと感じていたことをさっくり証明する発表がこの数年増えてきてます。ありがたいことです。
アレルギーの病気は「その病気になる原因」と「その病気を悪化させる原因」がほぼ共通していて、時々例外があります。
水の硬度は他の小規模な研究と合わせてみると「アトピー性皮膚炎になる原因」であり、かつ「悪化させる原因」でもありそうです。
日本は軟水なので関係ないと思われていましたが、上記の論文をみると軟水だからOK、硬水だから危ないではなく水の硬度が上がるほど(カルシウム イオン+マグネシウム イオンが濃くなるほど)アトピーになりやすいと読み取れます。
つまり反応しやすい人は硬度が低くても反応するということです。
日本の各地域の硬度はこちらで確認できます。
関東と九州、沖縄がやや硬度高めです。
【仮説】重曹+クエン酸で何が起きているのか?
重曹とクエン酸を混ぜたものを水に溶かすと反応して二酸化炭素の泡をだします。シュワ~と。
水に溶けているカルシウムイオンは二酸化炭素に触れると炭酸カルシウムになって沈殿する性質をもちます。
お風呂に重曹とクエン酸を混ぜると水に溶けていたカルシウム イオンが減って肌への刺激性が減るのではないかと考えました。
この理屈でいくと重曹は必要ですが、マイルドな酸であればクエン酸でなくてもいいのでは?と思ったらビタミンC(アスコルビン酸)を入れている人もいました。
さらに、お風呂に二酸化炭素の泡を発生させるのであれば市販の発砲入浴剤の「温包」や「バブ」でも同じことが期待できるかもしれません。
ご注意ください
今回の記事の「重曹+クエン酸がお風呂の水の硬度を下げているかもしれない」はあくまで私の推測で、この組み合わせでアトピーが改善したというエビデンスはありません。
日本の水は硬度が低めなのでアトピー性皮膚炎を良くしようと重曹+クエン酸をお風呂に入れてもそれだけで良くなる可能性は低いと思います。医師の診察の上で保湿剤と外用ステロイドを使って「あともう少しよくしたい」人や、状態が落ち着いて保湿だけになっている人が予防的に試すぐらいがちょうどいいかと思います。
重曹+クエン酸の作り方はこちらのサイトの下の方、「バスボムの作り方」に書かれています。アロマオイルはいらないと思いますが。
お肌に合わなそうだったらすぐに止めてくださいね。