Objectivesの決め方
Objectivesとはどのようなものか
Objectivesは、組織や個人が達成したい目的であり、目指す成果を具体的に定義する役割を担います。
このObjectivesは定性的かつ、インスピレーションを与えるような高いレベルのゴールで成功確率60~70%の目標を設定します。
企業のObjectiveを見ると、例えば「業界トップレベルの技術で世界の健康に貢献する」や「品質世界一を目指す」といったように、会社がどこに価値を置いているのかが明確になります。チームはこれに連鎖してチームのミッションとそれを達成するためのObjectivesを作ります。最終的にはそれを実行する個人のObjectivesに展開していきます。
Objectivesの特徴
インスピレーショナルであること:
具体的かつワクワクするobjectivesを設定することで、チーム全体の士気が高まります。定性的であること:
測定可能な結果を持つKey Resultsとは異なり、Objectivesは達成すべき状態や成果を定性的に表現します。達成すべきビジョンの一部:
長期的なビジョンやMissionに基づいて設計され、組織全体の方向性を示します。
Objectivesの作り方
Objectivesを設定する手順を見ていきましょう。一般的に、Objectivesは3か月から半年ぐらいで達成できるものとして設定されます。
1. ミッションの理解
組織のミッションを理解し、そのミッションを達成するための重要なステップを洗い出します。これにより、組織全体の方向性が統一されます。
2. ステークホルダーの意見を反映
組織内外のステークホルダーの意見を取り入れることで、多角的な視点から目標を設定できます。これにより、より包括的な目標が形成されます。これにはペルソナが役立ちます。
3. SMART基準の適用
Objectivesを設定する際には、SMART基準(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)にしたがいましょう。
これにより、具体的で測定可能、現実的かつ時期を限定した目標が設定できます。
Specific(具体的であること): 目標を明確かつ具体的に設定します。
Measurable(測定可能であること): 進捗や達成度を測るための測定可能な指標を設定します。
Achievable(達成可能であること): 現実的で達成可能な範囲内で設定します。
Relevant(関連性があること): Missionやビジョンと関連性のある目標を設定します。
Time-bound(期限があること): 目標の達成期限を明確にします。
4. 優先順位の設定
複数のObjectivesを設定する場合、優先順位をつけることで、リソースの集中と効率的な運営が可能になります。優先順位は重要度や緊急度に基づいて決定します。
5. チームの合意形成
Objectivesはチーム全員が理解し、合意することが重要です。
これにより、全員が一体となって目標に向かう環境が整います。
全員参加型の具体的方法
ワークショップを開催し、チーム全員が自由にアイデアを出し合います。その際にはファシリテーターを置いて、全員が発言しやすい環境を作ります。
テーマを設定し、メンバー全員でブレインストーミングセッションを行います。これにより、多様な視点からObjectivesを検討できます。
提案されたObjectiveに対して、全員で投票を行い、最も支持を集めたものを最終的な目標として採用します。
設定したObjectivesに対して定期的なレビューとフィードバックを行い、必要に応じて調整を加えます。これにより、メンバーが常にObjectivesを意識するようになります。
Objectivesのスパン
Objectivesの期間(スパン)は、通常3か月から半年の間で設定されます。これにより、短期的な成果を見据えつつ、組織の長期的なミッションに沿った活動ができます。
Objectivesは背伸びするぐらいのものが理想です。これにより、チャレンジする気持ちが生まれ、チームが成長するきっかけとなります。
ただし、これらは評価基準として使用してはなりません。評価基準としてしまうと、背伸びした目標を立てられなくなります。あくまでも、チャレンジ目標として機能することに重点を置きましょう。
具体例
例1: テック企業のMisson
「最新IT技術を活用した異次元の価値提供を世界へ」
開発チームのObjective: 「AI技術を活用して、業界初となる対話型会計システムを開発する。」
期間: 6か月
例2: 小売業のMission
「顧客のライフスタイルを先取りした革新的なサービスを提供する」
マーケティングチームのObjective: 「ブランドロイヤルティを強化するために、次の顧客ニーズを戦略的に把握する仕組みを構築する。」
期間: 3か月
Objectivesは、全員が一体となって目標に向かうための指針です。
この指針があることによって、課題発生時やコンフリクトが起きたときなどにこのObjectivesに立ち返ることができます。
このObjectivesは3か月から半年の期間で設定することで、短期的な成果を感じながら、長期ミッションを達成することができます。