『黒執事』から当時の様子をみつめる②
皆さんこんにちは。前回の続きです。
サーカス編
ロンドンにやってきた移動サーカス〈ノアの方舟〉の巡業が児童連続誘拐事件と重なることから、関連性を調査するよう女王に言われたシエルがセバスチャンとともに団に潜入する話。
円形広場で行われる見世物は古代から存在していましたが、近代サーカスは18~19世紀にイギリス人退役軍人フィリップ・アストリーによって確立されて、ヨーロッパから広まったようです。またこの話の肝である「誘拐事件との関係」について、かつてはこのように旅をしながら芸をする集団は子供たちを誘拐するという謂れのない噂が多かったようです。
幽鬼城連続殺人事件編
嵐の夜に晩餐会を開くファントムハイヴ邸で起きる連続殺人事件の話。
この語り手として、眼科医をしながら小説家でもあるアーサーが登場します。シエルが彼の探偵物語のファンなのですが、思い当たる人物がいませんか?
そう! シャーロック・ホームズの生みの親アーサー・コナン・ドイル卿らしき人物が招待されているのです。まあ、あくまでモデルですが。ホームズは誰もが知る名探偵で、探偵小説というジャンルの確立に貢献した存在ですね。
この話ではアーサーがセバスチャンを「オスカー・ワイルドの小説に出てきそう」と評したり、首に針が刺されたような跡がある被害者の遺体を見てオペラ歌手アイリーンが「まるでカーミラ」と言ったりと、文学関係のワードがよく出てくる回でした。
今回はここまで。それではごきげんよう。
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