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古典ブルーブラックと万年筆と私 5 風雲篇


アスコルビン酸洗浄法の開発

古典ブルーブラックは二価鉄が酸化されて三価鉄になり、タンニン酸や没食子酸と水に溶けないキレート化合物を作り固まっている、それなら還元してやれば溶けるはず、と今考えてみれば当たり前のことですが、それまで使われていない方法でした。
還元剤と言っても色々ありますが、安全で、簡単に取り扱えて、ペンにも優しく、手に入れやすく、比較的安価なもの、と様々な条件に適合するものを探したら、局方アスコルビン酸の大瓶が目につきました。
化学系で還元剤と言えば、合成に使うもっと強力な物を先に試すと思うのですが、身近にあるのがビタミン類が多く、アスコルビン酸 (ビタミンC) も持っていたのは幸運でした。
自作の古典ブルーブラックインクを入れて、真っ黒に固着させたウォーターマン クルトゥールを、アスコルビン酸の1%水溶液で洗うと、それまでの苦労がなんだったのか!と叫びたくなる程、あっさりとピカピカにきれいになりました。
古典ブルーブラックインクの万年筆へのこびりつきを化学的に落とす。 - 趣味と物欲

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趣味文の記事に滑り込む


ブログで公表すると共に、森さんに連絡して検証してもらい、効果の程に太鼓判を押していただきました。趣味文の原稿は、私と高橋さんの書いた原稿を元に、森さんが総括するという形式でしたから、総括の部分にギリギリでアスコルビン酸洗浄法を載せていただくことができました。
当時のメールを見ると、出発の直前まで、森さん、高橋さん、趣味文の井浦さんと原稿のやり取りをしています。更に、しばらく自作古典インクの配布ができないことをアナウンスしたものですから、配布依頼のメールが駆け込みで届き、自作インクを送付するのを並行して行っていました。


自作古典ブルーブラックの晴れ舞台


2010年3月30日に趣味の文具箱 vol.16が発行されました。
古典ブルーブラックの記事を取り上げていただいたブログなど。 - 趣味と物欲
2010年4月24日~25日の第10回 ペントレーディング in 東京で、WAGNER 青黒 2010が配布され、完売しました。
WAGNER2010古典ブルーブラックインク ペントレで完売 - 趣味と物欲


自作インクは1年間のお休み


1年間のアメリカ生活の間、自作インクの調製はお休みです。慣れない環境に、子供の頃のように1年を長く感じました。

2011年3月9日に帰国しました。

当初想定していたより、ずっと長くなってしまいましたが、続きます。
pgary.hatenablog.com

趣味の文具箱 16 (エイムック 1918)

  • 発売日: 2010/03/19

  • メディア: 大型本


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