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お皿洗いが変えた練習

振り返ればこの経験が私の練習を変えた。

練習もお皿洗いも大嫌い

小学校低学年の頃、週末は母に依頼され、お皿洗いをするのが習慣だった。以前書いたように練習嫌いの私なので、お皿洗いも当然大嫌い。毎日の練習に土日はお皿洗いまでやってくるんだから大変だ。

まだ食洗機なるものも家にはなく、ラジオを流したり、音楽を流したり、泡をぶくぶくさせたり、どうにかこうにか嫌な作業を誤魔化し誤魔化しやり過ごしていた。

そんなことを繰り返す日々の中で、作業が嫌なあまり、いかに効率的にお皿洗いを済ませるかを考えるようになった。
すると、家族4人分、当初1時間近くかかっていたお皿洗いが15分くらいで洗い切れるようになった。

嫌なら短縮すればいいじゃない

そんなわけで、嫌で嫌で仕方なかったお皿洗いの時間を短縮することに成功し、私の人生の中における嫌いな時間はだいぶ短縮された。

もう一度、私は面倒くさがりで練習が大嫌いだ。

よって、そのお皿洗いの効率化を、同じく大嫌いな練習に応用しようと考えたのである。
(実にこの気づきまで10年近くもの月日を経ることとなる…。嫌いなことによって向き合いも避けるのは罪だ)

大嫌いな練習をできるだけ避ける

その結果、次のフローで工程を整理することにした。
①その日の練習のゴール、練習時間を決める
②怪我防止のためのウォーミングアップ
③練習のゴールとなる該当曲(もしくは該当箇所)を通して弾く
※まだ客観的に聴く耳が育っていない場合は録音しておく
④通しを振り返って、理想通りになっていない箇所を炙り出す
⑤理想通りになっていない箇所の中で、優先順位を付け、時間配分を決める
⑥優先順位順に箇所だけ取り出して練習する
⑦練習箇所ごとにその箇所の少し前から通し、習熟度を確認する
※⑥・⑦を繰り返し、最後にその日の目標を通して弾く
⑧最後にその日の目標を通して弾く

お皿洗いと練習を紐解く

上記、まさに読んでいただいたが如くだが、念のため紐付けて解説すると、
<1>洗うお皿の全体量の確認

①その日の練習のゴール、練習時間を決める

<2>スポンジを出して洗剤をつける

②怪我防止のためのウォーミングアップ

<3>お皿を種類ごとに並び替える

③練習のゴールとなる該当曲(もしくは該当箇所)を通して弾く
※まだ客観的に聴く耳が育っていない場合は録音しておく
④通しを振り返って、理想通りになっていない箇所を炙り出す

<4>洗っていく順番を決める

⑤理想通りになっていない箇所の中で、優先順位を付け、時間配分を決める

<5>決めた順に片っ端から洗う

⑥優先順位順に箇所だけ取り出して練習する
⑦練習箇所ごとにその箇所の少し前から通し、習熟度を確認する

<6>一斉にすすいで乾かす

⑧最後にその日の目標を通して弾く

私には当たり前ではなく、大問題だった

…上記、簡単にできる方には「何を今更当たり前のことを偉そうに、、」となるでしょう。
しかし、当時の私にとっては、由々しき問題でした。
苦手で苦手で嫌いで嫌いで仕方なかったから。

ここでのポイントをお伝えすると、
❶漠然としていた苦手を具体化する
❷ゴールを明確化
❸それぞれがただの作業になるまで細分化
❹通してやってみて成功体験を積む
❺積んだ成功体験を別の事象に応用してみる
このような流れが起きていると言えます。

実際に私はこの流れを練習にとどまらず、いろんな場面で応用し続けたおかげで、今では仕事の場面でも「体系化・組織化するのが得意な人」と認識されています。

こうやって、具体⇄抽象を行き来することで、自分自身にとっての法則が出来上がり、あるところから加速度的に前進が早くなっていきます。

この具体⇄抽象の行き来や、法則化については、今所属しているTHE GATEでも学んだので、また別の機会に綴っていきたいと思います。


ピアノも指揮も同じ。
まずは工程分解して、具体⇄抽象行き来して応用して1つ1つ乗り越えて、、、繰り返すうちに加速して曲を仕上げるのです。

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