ひめか奥様ストーリー②
ひめかちゃんは見た目、妖艶さが漂う美人という感じだったが、どこか愛嬌も感じさせた。
体つきもとても魅力的なもので、これは世の男であればつい目で追ってしまうレベルだ。
見た目はかなり気品の高さを感じさせたが、その表情はどこか人懐っこく、いい意味で事前の印象を裏切られた。
少し頬が赤いのは、気温が寒いからだというわけではなさそうだった。
「はい……これ、お願いします」
そう気恥ずかしそうに呟きながら、ひめかちゃんが私の手にあるものを渡してくれる。
それを受け取った私は、にっこりと笑顔を浮かべた。
「ありがとう」
私は彼女に手渡してもらったそれを、軽く指先で弄った。
その度に、彼女がぴくりと体を反応させる。スイッチの類は一切動かしていないが、見ただけで構えてしまうらしい。
私はあえてその場ではすぐに動かさず、それを握ったまま手をポケットに入れた。
「あっ……」
「それじゃあ、行きましょうか」
「あぅ。……はい」
すぐにでも動かされると思っていたらしく、彼女は大いに動揺しているようだった。
私はそんな彼女の可愛らしい反応を見つつ、手の中に握り込んだとびっこのリモコンの感触を確かめていた。
とびっこ本体は当然――彼女の中に仕込まれている。
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