<かつて神様だった?>知識深まるネコちゃんのお話【コジマアニマル図鑑|ネコちゃん編】
世界中でたくさんの人に愛されているネコちゃん。猫と人間との歴史を辿ると、実は紀元前4000年から非常に大切にされていたそうです。
現代では2010年代に入ってから、国内で空前のネコちゃんブームが巻き起こり、『ネコノミクス』という言葉も生まれたほど。そして現在はワンちゃんを上回るほどの人気ぶりとなりました。
今回はそんなネコちゃんにまつわる歴史や、さまざまな種類、身体的な特徴など、ネコちゃんに関する雑学をお届けしていきます!
<歴史を知ろう!>ネコちゃんの先祖
ネコちゃんの起源【共生編】
ネコちゃんの祖先は約13万年前に中東の砂漠などに生息していたリビアヤマネコだと考えられています。リビアヤマネコは現在でも同じ場所に住んでいる野生のネコちゃんです。
そしてこのネコちゃんが1万年ほど前に人間の近くで暮らし始めたのが、共生のはじまりと言われています。
人間と自然と接するようになった理由は、その時代において農耕が盛んになったため。農作物が増えると、必然的にそれを食べてしまうネズミや小動物も増えてしまいます。
そんな被害を抑えてくれたのが、リビアヤマネコです。
リビアヤマネコはネズミや小動物を捕食し、農作物を守ってくれます。エジプトでは、バステト女神という受胎と豊穣の神様にちなんで、豊穣のシンボルとしてネコちゃんも神様のように崇められていました。
ある地域では、気まぐれで予測不能な行動を起こすことから、悪魔の使いとして恐れられたとか。今となってはネコちゃんの個性として愛されている一面ですね。
農耕の守り神として大切に扱われるようになったネコちゃんは、人間に可愛がられることで、野生さがなくなっていき、次第に私たちと一緒に暮らすネコちゃんのようになりました。
ネコちゃんの起源【来日編】
当時、他国では神様のような存在だったネコちゃん。紀元後には貿易商人たちがネズミの被害を抑えるために、積み荷の番人としてネコちゃんも同船するようになりました。それが世界中にネコちゃんが広まったきっかけです。
一方、日本にもネコちゃんが広まっていったのですが、実はいつが起源なのかハッキリしていないのです。
一説によると、奈良時代に中国から渡来したと言われています。同時に、仏教伝来の時代でもありました。仏教と一緒に船に乗せられて来日したネコちゃんのお仕事は、仏典をネズミから守ること。
別の説では、弥生時代に大陸から渡来した人々とともにやってきたというお話や、飛鳥時代の書紀にも登場していたというお話もあります。
そして室町時代から江戸時代、発展していくにつれて都市化が進みました。そこまでまたネズミが増えたことで、以前と同様にネコちゃんの役目も増えたそうです。生活が豊かになり、ネコちゃんは国内に浸透していき、日本も現代のようにネコちゃんと一緒に暮らす人が多くなりました。
このように、異国からきたネコちゃんはどの国においても可愛がられ、大切にされる存在となっていったのです。
<個性を知ろう!>ネコちゃんの種類
日本にいるのは洋猫のみ
ネコちゃんにはさまざまな種類がいますが、日本では大きく分類すると『和猫』と『洋猫』に分けられます。
和猫と聞くと、一緒に暮らしているネコちゃんがそれに当たると思われるかもしれませんが、実は日本のほとんどのネコちゃんが洋猫なのです。
洋猫とは西洋を指し、その地域の原産となる純血種のネコちゃんを洋猫と呼ぶことが一般的です。つまり、海外からやってきたネコちゃんが洋猫ということですね。そして和猫はその名の通り、日本由来の純血のネコちゃんです。
1940年代ごろ、日本のネコちゃんのほとんどは純血でした。1950年代ごろになると海外のネコちゃんが人気となり、さまざまな洋猫が国内に持ち込まれることに。そして、洋猫と和猫の交配が盛んになり、ミックスのネコちゃんが増えていったのです。
交配が進んだ現代では、日本由来の純血のネコちゃんは確認が難しいとされ、私たちが普段目にしているほとんどのネコちゃんは、洋猫の可能性が高いとされています。
毛の種類もさまざま
ネコちゃんはコートタイプ(毛の種類)もたくさんあるのです。短毛・長毛・無毛と3つの分類があり、それぞれ長さはもちろんのこと、手触りや生え方の癖も異なります。
今回は、イラストをもとにネコちゃんのコートタイプをいくつかご紹介します♫
【短毛】
<ショートヘアタイプ>
基本的なヘアタイプです。1番長いオーバーコート(外側の毛)でも、1本4cmほど。手触りはややかためな毛から、ごくやわらかい毛まで、そして厚みのあるものまでさまざまです。アメリカン・ショートヘア、アビシニアンなどのネコちゃんがこちらのタイプに当たります。
<ワイヤーヘアタイプ>
アンダーコート(内側の毛)とオーバーコートが不規則に流れ、毛先の3分の1ほどから針金のように折り曲がっているのが特徴です。被毛量は多く、長さは短毛種としては中くらい。アメリカン・ワイヤーヘアーなどのネコちゃんがこちらのタイプに当たります。
【長毛】
<ロングヘアタイプ>
長毛種の中で、最も長い被毛をもつのがペルシャとヒマラヤンです。オーバーコートは13~15cmもあり、アンダーコートもこれに負けない長さと密度をもっています。ペルシャ、ヒマラヤンなどのネコちゃんがこちらのタイプに当たります。
<セミロングヘアタイプ>
肩のつけ根あたりはやや短めの被毛となり、背中から腹部にかけてはかなり密生しています。ラグドールやメインクーンなどのネコちゃんがこちらのタイプに当たります。
【無毛】
<ヘアレスタイプ>
無毛の劣性遺伝子により、被毛らしい被毛が見られないのが特徴です。頭部や四肢の内側、尾の先、顔の一部にやわらかいうぶ毛が生えているものの、成長にしたがってなくなることもあります。スフィンクスのネコちゃんがこちらのタイプに当たります。
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そのほかのコートタイプを知りたい方は、ぜひこちらからご覧ください!
https://pets-kojima.com/library/zukan_cat/coattype/
ネコちゃんの種類は300種類以上!
世界中にいるネコちゃんの種類は、実に100種類を超えるといわれています。
しかし、これは登録団体に公認された種類のみの数。未だ登録されていない種類を合計すると、なんと300種類以上のネコちゃんが確認されているのです。
国内最大手の一つである猫の血統証明書の発行団体「アジアキャットクラブ(ACC)」では、現在47種のネコちゃんが認定されています。この数が現在、国内に存在しているネコちゃんの主な種類とされています。
今回はその中からコジマでも人気のネコちゃんをいくつかピックアップして、ネコちゃんたちの特徴をご紹介します♫
<スコティッシュフォールド>
三角耳が特徴的なネコちゃんです。漫画のキャラクターのようにおちゃめなスコティッシュフォールドは、1961年にスコットランドで生まれた猫からこの名がつきました。温和でお行儀よく落ちついた性格で、人にもよくなつき、広く愛されているネコちゃんです。
<アメリカンショートヘア>
銀色のボディにくっきりとした黒いライン、肩にはバタフライマーク、横腹にはターゲットマークと美しい模様をもつネコちゃん。人と遊ぶことが大好きで、ネコちゃんの中でもとても頭がよい種類です。実はこの種の毛色だけでも30種以上もあるんです。
<マンチカン>
四肢がちょこんとかわいらしいサイズで、ワンちゃんので例えるとウェルシュ・コーギーやダックスフンドのように短いですが、ジャンプはお手のもの。かまってもらうことが大好きな愛らしい性格のネコちゃんです。
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コジマHPでは、まだまだたくさんのネコちゃんをご紹介しています♫
https://pets-kojima.com/library/zukan_cat/name/
<特徴を知ろう!>ネコちゃんの体のしくみ
次はネコちゃんの体のしくみについてご紹介します。人間と暮らすようになる前は、もともと狩猟をしていたため、ワンちゃんと同様に、ネコちゃんもそれぞれの部位に優れた特徴をもっています。
そんなネコちゃんの身体的な特徴の一部をご紹介していきます!
ネコちゃんの特徴
狩猟に適した鋭い目
視力は人間の10分1(およそ0.1~0.2)ほどで10mも離れるとよく見えません。特に止まっているものはよく見えませんが、動いているものは30m先でも見つけられます。色は識別できますが、赤色がなく青色と緑色と灰色の世界で見えています。しかし、タペタムという組織が発達しており、わずかな光量でも倍にして取り入れることができました。そうして夜の狩りに適した目として進化しました。
超音波も聞きとる耳
人間が1~2万ヘルツの音まで聞き分けるのに対し、ネコちゃんはなんと5万ヘルツの超音波まで聞きとれます。前方の音だけでなく、耳を動かして後方の物音までキャッチし、音のするものと自分の距離感も計ることも可能です。
特徴的なザラザラ舌
ネコちゃんで特徴的といえばトゲ状でザラザラしている舌ですよね。そのトゲは糸状乳頭といって、先端が舌の奥のほうにむかって生えています。その舌でグルーミングしたり、においを舐めとります。舌の先端部は敏感ですが、中央とつけ根は鈍感。味覚はなく、食事はにおいで判断しているんです。
センサーの役割をもつおひげ
おひげの先端を結んで描かれる円の範囲までを、自分が通れると判断しています。根元には神経が集中しており、そこで風向き・気圧の変化などを感知し、空気の動きによって、触れなくても対象物の大きさがわかる優れたおひげ。そんな大切なアンテナとなっているため、切ることは厳禁です。
自らを守る鋭利な爪
まるで鞘に収められたナイフのようなネコちゃんの爪。静かに歩くときは爪をしまい、肉球といわれる足裏のふくらみで防音しています。長距離を走ることが苦手なため、できるだけ近づけるような仕組みになっているんです。
このほかにも優れた特徴やネコちゃんの行動学をご紹介しています!
https://pets-kojima.com/library/zukan_cat/moternerves/
<最後に>ネコちゃんと私たちのこれから
歴史でご紹介した通り、私たち人間とネコちゃんは今も昔も、深く関わり合ってきました。もともと野生の中で狩猟をしていたネコちゃんですが、現在でも野生のネコちゃんをときどき見かけることがあると思います。
野生のネコちゃんの寿命は長くはありません。約3歳から長くとも5歳までと言われており、 理由はウイルスや寄生虫などの感染症にかかりやすいこと。また、交通事故や野生環境による怪我にあう可能性が高いことが挙げられます。
人間と暮らすことが当たり前となった現代において、ネコちゃんは私たちなしでは長生きできないのです。
みなさまと一緒に暮らしているネコちゃんが、これからも健康で元気に長生きしてくれたら嬉しいです。この記事をきっかけに、もっとネコちゃん愛を深めてもらえたらと思います♫
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