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姥捨てられない山

小さいころにテレビの地上波放送でやっていたのをうっすら覚えている。カラスと白飯のおにぎりだけが鮮明な記憶で器量よしの坂本スミ子が歯を削ったとか緒形拳が米俵を背負って練習したというのは後付けの記憶であろう。何よりも作品そのものではそんなことはわからない。

やたらと生き物の生態が挿し込まれており監督は生き死にを描くのに徹底したのだなと一人で満足した。
蛇のシーンは印象的で緑の蛇が2匹絡んで起き上がるような仕草のシーンと緒形拳が帰宅して息子が歌うシーンに黒い蛇が(何匹か不明)とぐろを高く巻いているシーンの二つを忘れられそうにない。しばらくしたら思い出して忘れて思い出してを繰り返しそうだ。
今見るとBBC EARTHのようだ。BBC EARTHは動物や自然だけでなくそこにいる人も映すのであながち勘違いや筋違いでもあるまい。今なら冒頭部分はドローンで端麗な絵を撮るところだろうがやはりヘリコプターによる揺れの良さは捨てがたい。

私の記憶の作品の本当のところは捨てられないであったことは間違ってなかったので安心した。
やたらとトリアージで本作が引き合いに出されているが本質が違う。トリアージなんてするもではないというのが本作の質的持ち味。

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