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ミス・ブランチに会いに行く
こんにちは。あるいはこんばんは。おしゃま図書です。
皆さんは倉俣史朗をご存知ですか?
今日は、世田谷美術館に行ってきました。
ミス・ブランチに会いに。
反身体の椅子ってなに?
私あまり自分の昔のことを覚えていられないたちなのですが、遠い昔、私がまだ学生だった頃、ゼミで「反身体の椅子」という課題があって、椅子って本来座るためのものだけど、そうじゃない椅子があるとしたら、それは逆に座ることとは何かを考えることになるのでは、なんてときに出会ったのが、倉俣史朗のミス・ブランチでした。
世田谷美術館で没後30年となる倉俣史朗の展示があると聞いたら、何としても行かなくては!
今回、3脚も並んでましてね。それぞれ微妙にバラの向きとか違っていて、それぞれに味があって。
欲望という名の列車のヒロインから取られたミス・ブランチの、浮遊感と色っぽさと危うさに、圧倒され、ミュシャのスラブ叙事詩をみたとき以来の、震えるような感動を味わいました。
図録も買っちゃった。
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図録に載っていた倉俣氏の奥さまのインタビューで、氏の資料一式をアーティゾン美術館が引き受けてくれたのだという話があって、それにもすごく感動しました。やはり石橋財団てすごいわー。
なぜなら、作家や研究者、画家などの蔵書や資料などって、その人の思考の宇宙そのものじゃない? でも、それを散逸させちゃうことって、結構多いと思うんです。亡くなった研究者の蔵書が目録も作られずになくなった話とか、あるたびに心が痛みます…。
今回、倉俣作品を見れたこともだけど、それ以上に彼が収集していた本やレコード、夢日記、スケッチなどが一緒に紹介されることで、作品の奥の、倉俣ワールドの一端を見せてもらえた気がして、本当に満足でした。お腹いっぱい胸いっぱい。
ガレットランチのあとは、沿線物語
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地下のカフェでガレットランチで休憩したあとは、二階で開催中の展覧会へ。
京王線沿線ゆかりの作家たちを紹介したもので、あの人も? え、この人も? と、沿線繋がりで見ていくって斬新かもって思いました。
フランス繋がりだと岸田國士や蓮實重彦なんかも沿線にお住まいだったのね。
あと、フランスはあんまり関係ないけど山村浩二!
「頭山」が見れるのが、個人的にはとてもオトクに感じました!