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あまり役に立たないマニア向け節約術【節約は楽しい】

誰かに養ってもらえれば賃労働から逃げられる。しかし、養ってくれる人を見つけるのは難しい。養ってもらえる確率を上げるには「節約をする」くらいしか策がない。養う側の経済的な負担を抑えられれば「経済的余裕がない」という理由で断られることはなくなるからだ

節約をしたからといって賃労働から逃げられるとは限らないが、手をこまねいていても状況は変わらない。節約にはデメリットがないのだし、働きたくない人は生活コスト(養うコスト)を下げてみてはいかがだろうか。

家計管理や節約術など、実践的なことは他記事で紹介している。今回は番外編として「あまり役に立たないマニア向け節約術」を紹介する。節約の最大のコツは「節約を楽しむこと」だと思う。節約の楽しさを伝えられたらこの上なく嬉しい。

(注意)
これから紹介する節約術は「経済合理性を欠いた節約術」である。

たとえば、余分に1時間かけて100円を節約することは経済合理性に欠ける。最低時給が1000円前後なのだから、節約するより働いた方が割が良くなる。時間からお金への変換効率を競っている社会において、時間を浪費する人は「愚か者」とされる。私は愚か者だ。有り余る時間を使い、経済合理性を欠く節約に興じている。講釈を垂れるのはこの辺にして、マニア向け節約術を列挙する。


コンビニに行かない

「コンビニでしか買えない物」を欲している時以外はコンビニに行かない。この世に「コンビニの方が安い商品」は存在しない。

ATM手数料は絶対に払わない

有名な話だが、ATM手数料は節約の敵。絶対に払わない覚悟と立ち回りが求められる。ATM手数料の観点では、ネット銀行を推奨する。

水道水を愛飲する

家では水道水を飲む。外出時も水筒に水道水を入れて持ち歩く。水道水の飲用をめぐる論争では「味」と「安全性」が論点になる。

水道水はマズイ?

TV番組『ガキ使』のパクリで「利きミネラルウォーター(目隠しをしてミネラルウォーターを飲み、銘柄を言い当てるゲーム)」をやったことがある。その中のひとつに水道水を紛れ込ませたのだが、全意識を味覚と嗅覚に集中させてようやく区別できた。日常生活で「水道水がまずい」と感じるのは、気持ちの問題ではないかと思っている。

水道水は安全?

残留塩素やトリハロメタンなどの有害物質が「全く含まれていない」ということはあり得ない。基準値を下回っていても、ごく微量は含まれる。ただ、私は科学と日本の水道技術を信じている。極言すればギャンブルだ。確実に言えるのは、水道水を恐れる前にアルコール、ニコチン、過剰な脂質・塩分を恐れるべきということ。

給水スポットを活用する

外出先で水筒が空になったら無印良品の給水サービスを利用する。無印がなかったら公園の水飲み場で給水する。コンビニや自販機は極力利用しない。酔っ払った時に(ただでさえ低い)常識遵守意識が低下し、トイレの手洗い場で水分補給をしたこともある。同じ水道水だが、友人にドン引きされるリスクがある。

無印良品の給水サービス

知らない人のために紹介しておく。無印良品は「水プロジェクト」と称して無料の給水サービスを展開している。給水だけでもウェルカムらしい。

クーポンをフル活用

私は妻(当時は友達)との初デートで堂々とクーポンを提示するくらい、クーポンを愛用している。

メルペイ限定で「吉野家で201円以上の食事をすると、200円がキャッシュバックされるクーポン」があった。このクーポンを利用して、当時207円だった豚汁を飲むためだけに吉野家に行ったことがある。豚汁はもちろんのこと「実質7円で豚汁を飲めた充実感」を味わえたことが何よりだった。以前のメルペイは、このような錬金術クーポンを発行していたが最近は無くなってしまった。

給湯時間を短縮

シャワーを浴びた後、浴室全体にシャワーをかけて泡などを流す。なにも浴室の壁に40℃のお湯をかけてあげる必要はない。給湯時間を短縮(ガス代を節約)するためには、人間がシャワーを浴び終えるタイミングで給湯器をオフにすべきだ。しかも、給湯器をオフにしてから30〜60秒間はお湯が出続ける。このボーナスタイムを考慮して、あと30〜60秒で人間のシャワーが終わりそうなタイミングで給湯器をオフにしている。

徒歩移動を絡めて電車賃を節約

例えば、新宿ー品川間は電車で208円だが、新宿の一駅隣の代々木ー品川間は178円だ。このような場合、私は新宿から代々木まで歩く。新宿駅から代々木駅は徒歩10分程度。たった10分歩いて30円も浮くのなら悪くない。電車に乗ってスマホをいじるくらいなら、浮いた30円でブラックサンダーを買って散歩する方が幸福度が高い。

乗り換えで一旦改札を出る

必ずしも安くなるわけではないが、電車の乗り換え駅で一旦改札を出る方が安くなるケースがある。電車の運賃は距離区間に応じて加算されるが、区間の端数の関係で途中駅で区切った方が安くなる場合がある。当然、違法行為には該当しない。移動のたびに調べて実行することはないが、何度も乗る区間では実行している。慣れるとタイムロスなく実行できる。

歩数を娯楽の原資にする

節約をしていると「自販機で飲み物を買う行為」が贅沢イベントと化す。幼少期に親に自販機の使用を許可されたときのようなワクワク感を味わえる。

そんな贅沢イベントを可能にしてくれるのが「Coke ON」というアプリだ。当アプリでは、週単位の目標歩数(3.5万歩〜)を達成するたびに「ウィークリー達成スタンプ」がもらえる。このスタンプが15個貯まると無料引換券が手に入る。

Coke ONのスタンプラリー

1本もらうのに最短でも15週間を要するが、歩くだけでドリンクがもらえるのだから良いだろう。なにより達成感がある。私は既に8週目に入っている。

あとがき

「ウサギ狩りに行く人は、ウサギが欲しいのではない」という話がある。今からウサギ狩りに出かける人に、ウサギを差し出しても喜ばない。彼らはウサギが欲しいのではなく、狩りをして気晴らしをしたいのだ。

この話では、ウサギ狩りに行く人にとって、欲望の対象はウサギだが、その欲望の原因は、「気を紛らわせたい」という欲求。つまり、ウサギに夢中になってしまっている状態は、欲望の原因と欲望の対象を取り違えてしまっている状態に他ならない。

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』

魚釣りをしている人に魚を買ってあげても喜ばない。まだ試合をしていない選手に金メダルを送っても喜ばない。

私にとっての節約も同じだ。無駄を省いて捻出されるリソースが目当てではない。無駄を省く行為そのものを楽しんでいる。換言すると、欲望の対象は「節約により捻出される金および時間」だが、欲望の原因は「無駄を省く快感」なのだ。

何度も言うが、これらはマニア向け節約術。実行しない方が幸せに暮らせる人も多いと思う。ただ「お金を使わずに幸福を味わう快感」を求めれば、無理なく楽しく続けられるかもしれない。

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