今、「生きてるだけでえらいよ」と言える理由
高校2年生のとき、鬱病になった。
すごく頑張りたいことがあって一生懸命毎日頑張ったら、ある日突然全てがぷつんと切れて、学校にも行けなくなった。
毎日身体がだるくて気持ちも落ち込んでいて、最初は母親に連れられて内科に行った。
でもどこも悪いところがなくて、病院で心療内科の受診を勧められた。
心療内科に行って、質問に答えたり先生と話したりして、鬱症状だと言われた。
病院に行った段階では、インターネットで色々見たりもしていたので、やっぱりそうなのかと思った。
高校はお弁当制だったので、母は毎日お弁当を作ってくれた。
でも毎日学校に行けなくて、母が早起きしてつくってくれたお弁当を、毎日自宅で食べた。
申し訳なくて、涙が出た。
鬱病になって学校どころか外出もままならなくなり、追い打ちをかけるように、強迫性障害という病気を併発した。
鬱病よりもずっと辛かった。
寝て起きる。ご飯を食べる。お風呂に入る。
そうやって毎日ただ生きるだけでもしんどくて悲しくて全部やめたくて、でもやめる力もなかった。
生きていくって、すごくエネルギーがいることなんだと思った。
今でこそ、「生きてるだけでえらいよ」と自分のことを甘やかせるし、周りの人にも心からそう言ってあげられるけど、
当時は、ただ息を吸って吐いて、寝て起きてご飯を食べて、それだけしかできないなら死んでいるのと同じだと思った。
ただ生きているだけでは、「生きる」ことはできないんだと思った。すごく絶望した。
高校は卒業できるかわからなかったし、留年したらどこか他の学校に行くのかなと考えていた。
授業にも出ていないから受験勉強ももちろんしていないし、この先どうなるんだろう。病気はいつ治るんだろうかと。
高校は、診断書も出していたし担任の先生も協力してくれたようで、なんとか卒業することができた。進路の方は当然考えられなかったので、卒業してからまずは休もうということになった。
6月くらいから、高校の勉強を始めた。大学を受験しようと思ったから。
最後の1年はほとんど学校に行けなかったので、勉強は新鮮で、元々苦手ではなかったこともあって、結構楽しかった。
たくさん寝て、少し勉強して、を繰り返して、8月には予備校の夏季講習に行ってみることにした。
外出はしんどかったし、病気のせいで側から見たら奇妙な行動を取ってしまうこともあったので、心も辛かった。
でも拘束時間も最初は少なかったし、自習室ではみんな自分のテキストしか見てなくて、安心してマイペースに過ごすことができたので、予備校での時間は思いの外、心に余裕を取り戻すことができたように思う。
夏季講習後、後期からは平日は毎日予備校に通うことになった。
疲弊していたし、今の5倍くらい性格も暗かったので友達は少ししかできなかったけど(ほんとうに)、予備校の先生は面白い人ばかりだったし、勉強は結構楽しくて、授業のない日に自習室で1人で勉強する時間も好きだった。
あくまでもわたしにとってはだが、予備校は当時の自分にとってすごく、"ちょうどよかった"。
ただ、この間も病気とは一緒に生きていたので、普通でない自分を目にすることは辛かったし、両親にもほとんど相談できていなかったので、精神状態は相変わらずあまり良くなかったと思う。
少しずつ少しずつ、予備校で「生活すること」に慣れてきて、大学受験を終える頃には、以前に比べてだいぶ症状が落ち着いてきた。
大学に入学してからは、ほとんどみんなと変わらぬ生活ができるくらい心が復活していった。
大学やサークルですごく良い友人に出会えたし、恵まれた環境で過ごせたこともかなり関係していると思う。
そんなこんなで今は社会人をしているし、日常生活もできている。
でも、できているのと正常であることって違うので、
実は今でも、誰にも相談できなくてひとりで抱えてしまっていることもあるし、正常ではない状態に慣れてしまっている自分に対して恐怖を感じることも、たまにある。
家族とは仲は悪くないけど、大事な話を昔から全然してこなかったので、なかなか相談もできていない。
もう一回ちゃんとカウンセリングに通おうかなと最近になって思い、少し病院を調べたりもした。今までずっと逃げてたけど、将来のことを考えたら、きちんと向き合った方がいいのではないかと思ったから。
病気の話、いつかこうして文章にしたいなと思っていたけど、なかなかできなかった。まだ向き合いたくなかったし、誰かに話すのも怖いから。
でも、わたしの周りだけでも心の病気で苦しんでいる子って何人もいるし、世界には山ほどいるし、
そういう人のために何かできたらなとすごく思っていて、まずは自分の話をしました。
大切な人たちの心と体が死んでしまわないように、できることをしたいと思っています。
やっと公開できました。頑張った。
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