世界のスタートアップスタジオ事例(5)Enhance Ventures | 特定地域にフォーカス
Enhance Ventures
MENAPT(中東、北アフリカ、パキスタン、トルコ)が本拠地
Enhance VenturesはMENAPT(中東、北アフリカ、パキスタン、トルコ)を中心に活躍するスタートアップスタジオです。プロダクトの領域としてはオンラインのバーティカルプラットフォームに特化しており、自らを「Digital Venture Builder」とも定義しています。
創業者のAlperはMENAPTに住う人の暮らしを、社名の通りEnhance、暮らしの質を高めたいという想いを持ってスタジオを運営しています。例えば最初に立ち上げたプロダクト「joi Gifts: Flowers, Cakes and Gifts Delivery in the Middle East」はギフトに特化したマーケットプレイス。当該地域ではよく使われているようです。
AlperはEnhanceを立ち上げる前にも起業した経験を持ち、また、Nokiaを含む事業会社やMcKinsey等でのキャリアがあり知見も非常に広いため、今はGSSNのアドバイザリーボードも務めています。最近はSilicon Foundryとアライアンスを組んでMENAPTとシリコンバレーを繋ぐ、また、スタートアップスタジオのモデルを大企業や政府機関に導入させる取り組みにも注力していくことも発表しています。
特定地域に根ざしたスタートアップスタジオ
SaaSなどビジネスモデルを絞ったスタジオは増えていますが、特定の地域にフォーカスしている、という意味でEnhanceはとても特徴的です。ちなみにEnhanceのように特定地域に根ざした思想を持つスタートアップスタジオは他にも、ラテンアメリカを中心に活動するPolymath Ventures、アフリカの次世代の会社を作り出そうとするCEEDCAPなどがあります。新興国市場なので解決できる課題が多く、つまりはビジネス機会も豊富という考えに立脚しているのだと思います。
情報発信にも積極的なEnhance
Studio Map
Enhanceは7月中旬に、世界のスタートアップスタジオをマッピングしたStudio Mapを公開しました。スタートアップスタジオ自体の定義も曖昧なので数字にどこまでの意味があるのかはさておき(日本でもサイバーエージェントがカウントされている)、世界全体で547のスタジオがあり、半数は直近5年内に設立されたということです。
COVID-19 Crisis Research Library
これはスタジオに関係ありませんが、コロナを受けて世界各国のコンサルティングファーム、投資銀行、事業会社、メディア、国連機関等が発表しているレポートを適宜まとめてアップしてくれているので、とても役立ってます。みたい方はこちらから → COVID-19 Crisis Research Library(Google Driveが開きます)