海外ペットテック スタートアップ カオスマップ解説#2(Purina版)
今年9月にPurinaが発表した「2020 Pet Care Startup Opportunity Map」を基に何回かに分けて海外のペットテック 、ペットxスタートアップについて紹介していきます。前回第1回目の解説はこちらです。
彼らのマップには、3つのメインカテゴリー(Nutrition+、Collaborative Pet Care & Health、Digital Transformation of Pet Life)、23のサブカテゴリー、100超のスタートアップが掲載されています。
今回は
・メインカテゴリー「Nutrition+」
・サブカテゴリー「Values Oriented Feeding」の中から3社を紹介します。
今盛り上がっているペット向けD2Cフードの領域ですね。
Because Animal / Cultured Meat(培養肉)やNooch(酵母)を原材料にしたサステナブルフード
Cultured Meat、要は培養肉を使ったペットフードを開発製造販売しているという点で、人向けのフードテックスタートアップとしてもよく名前のあがるImpossible Burger(100%植物由来のハンバーガー的な食べ物を展開)やBeyond Meat(同様に植物由来のお肉的な食べ物を展開。昨年上場)のペット版とするとわかりやすいです。
また上記のような「Nooch(ヌーチ)」をつかったトリーツも販売しています。まだ日本ではあまり馴染みの無い言葉で私も初めて知りましたが、辞書を調べると「a type of yeast used in vegan cooking (= cooking that does not use any animal products) to improve the taste of other foods」とあります。また「Nooch」とは「Nutritional Yeast」と言い換えられることも多いようで、要は栄養価の高い酵母、と理解しています(わかりやすくいうとスーパーフードかと)。動物由来ではない原材料の風味や栄養を強化するものですね。動物を殺さずに製造する食品をペットにも、というトレンドは今後も続きそうです。
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Chippin / 昆虫や藻を原材料にしたペット向けトリーツ
ChippinもキーワードでいうとSustainable(サステナブル)やLow-Carbon(低炭素)といった言葉で表現されるブランドかと思います。特徴はトリーツの原材料に、Cricket(こおろぎ)とSpirulina(スピルリナ=藻の一種)が含まれている点です。スピルリナは日本でもスーパーフードの一つとして紹介されることがあるようです。
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Shameless Pets / ペット向け"Upcycled Food"
Shameless Petsの特徴は、フードが「Upcycled Food」であるという点です。日本では「Recycle(リサイクル=再利用)」という言葉が定着していますが、似た概念として「Upcycle(アップサイクル)」があります。「Upcycle」とは廃棄物の再利用ではなく廃棄物に付加価値をつけるといった行為に重きが置かれている言葉です。
したがって、下記のイラストのように、例えばハロウィーン後に捨てられていたかぼちゃを、サイダーをつくるために使われたリンゴを、缶詰工場から出るエビの殻を破棄せずに、原材料として、付加価値のある形で活用といった具合です。
今回紹介した3社はいずれも、環境問題に関連して人向けに行われていることがペット向けにも展開されている、という事例でした。Millennials、そしてGen Zと呼ばれるようなこれからの消費を担う若い世代にとって、より関心が高まっていく領域なので、各社実態としてもブランディングとしても力を入れていることが窺い知れます。
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