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世界のスタートアップスタジオ事例(2) eFounders | スタジオのKPIsが一目瞭然

eFounders 

おそらく日本で最も海外のスタートアップスタジオをスタディしている筆者。日々メモっている各社のトピックや特徴に関して皆さんと共有していく「世界のスタートアップスタジオ事例」シリーズです。今回はeFounders。
早速みていきましょう。

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ミッション「We build the future of work」を掲げ、日本語でいうと「ミライの働くをつくる」という感じでしょうか、BtoB SaaSのプロダクトを次々に送り出しているスタジオです。BtoB SaaSに特化しているため開示されている数字も読み解きやすく、実態がよくわかります。

 スタートアップスタジオとしてのKPIs

例えばこちら。eFoundersの共同創業者ThibaudがMediumに投稿したチャートを見てみましょう。創業から2019年までの8年間の成長を把握することができます。

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(上図:eFounders Letter #7 — Cracking the Startup Studio modelより)

・スタジオが生み出したスタートアップ:23社(≒協業した起業家の数)
・そのスタートアップ23社が生み出した雇用:1,000人
・(SaaS特化なので)ARRの合計:€107M(≒130億円。1€=120円換算)
・バリュエーションの合計:€1b(≒1200億円)
(チャートに記載はありませんが、調達額合計は€250M+)

8年間で23社ということは、検証後に撤退しているケースを鑑みると、年平均3名以上の起業家と協業してスタートアップを創出していることがわかります。ノウハウや成功体験が蓄積し、またそのトラックレコードで新たな起業家が集まり、という好循環が生まれ、さらに彼らの成長が加速するのではと予測できます。

with/postコロナの世界において働き方が加速度的に変化する中で「ミライの働く」も大きく進化していくことでしょうし、彼らを取り巻くビジネス機会は豊富にあり、eFoundersの存在はこれからも注目です。

23社(現在は25社)が提供しているプロダクトは多彩で、例えばコミュニケーション円滑化、費用支払、チームマネジメント等に関する業務ツールがあります。彼らのウェブをみてもらえればすぐにわかるので、興味がある方はご確認いただければ。

BtoB SaaSで勝ち切る

Thibaudの言葉は体重が乗ってて、現実的で、個人的には好きです。「癌の特効薬を作ってるわけでも、世界の飢餓を救うような新たな食糧をつくってるわけでも、また、温暖化と向き合うようなソリューションを生み出しているわけではない。しかし。」と。

We aren’t synthesizing a cure for cancer, we aren’t inventing a new food source to solve world hunger, and we aren’t designing solutions to address global warming. However, we’re doing our best to inspire new ways of working, to make the life better for people at work, a place where they spent a third of their lifetime.

聴き心地の良いお花畑的な夢や理想論を語るでなく、未来を読み解いて領域を絞って勝てる領域でしっかり勝ち切って成果を残す。結果に自信があるからこそ、経営指標も開示していますし、そんな姿勢を、私はとても尊敬しています。


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