2020-2022 ヨーロッパペットテックスタートアップ資金調達ランキングTop10（1/2）
ヨーロッパのスタートアップ等を紹介するtech.euで興味深い記事があったので紹介します。過去3年間で、ヨーロッパのペットテックスタートアップで、資金調達の合計金額の大きいトップ10を紹介した記事です（２回目の記事はこちら）。資金調達が全てではないですが、注目を集めているという一つの指標としてチェックしておきましょう。
2020-2022年、VCによる欧州拠点のペットテックスタートアップへの出資金額合計推移
2020年が€53.6M、2021年が€165.0M、2022年が€257.7Mと、右肩上がりに伸びています。投資熱が冷め切った2022年にここまで伸びているかなと疑問に思いましたが、実態としては増加していたことに驚き。次に当該3年間の内訳となる国と企業のトップ10を紹介。
欧州ペットテック 資金調達金額 上位トップ10カ国
イギリス、スペイン、スウェーデン、ドイツ、オーストリア、フランス、ベルギー、ポルトガル、ポーランド、イタリアという順番です。
欧州ペットテック 資金調達金額 上位トップ10社
文字が見づらいのでランキングをテキストにすると以下です。
Unavets（スペイン）動物病院
Omlet（イギリス）ライフスタイルブランド
PetMedix（イギリス）製薬
FirstVet（スウェーデン）獣医師とのオンライン相談
Zoo.se（スウェーデン）ペットショップ
Tractive（オーストリア）ウェアラブルIoT
Katkin（イギリス） 猫向けフード
GOOD !D（ベルギー）栄養補助食品
Napo（イギリス）ペット保険
Dalma（フランス）ペット保険
長くなるので2回に分けて紹介します。2回目の記事はこちら。
1.Unavets（スペイン）動物病院
2019年に設立されたスペインに本社を置くUnavets。シリーズAおよびBの資金調達ラウンドで1億1600万ユーロの大型資金調達に成功。24時間運営の動物病院、一次診療クリニック、運営事務所など、スペインとポルトガル全域で95箇所での獣医サービスを提供しており、今なお事業を拡張している。さまざまな地域の動物病院を買収提携することで、新しい市場を開拓することに注力。米国にも進出し、Easy Vetフランチャイズにも出資している。
2.Omlet（イギリス）ライフスタイルブランド
12万5000個以上の「イグルー」を販売するほか、セキセイインコのケージ、ウサギ向けのトンネル、犬のベッドなど、ペットが「本来の行動を発揮できる」ペット用の機能的なデザイナーグッズでニッチを切り開いてきたのがOmlet。百聞は一見にしかずということで写真を。
3.PetMedix（イギリス）製薬
PetMedixは英国ケンブリッジに本拠を置く動物向けのバイオ製薬会社で、モノクローナル抗体のプラットフォーム構築に注力している。ケンブリッジ大学発のバイオベンチャー。計2回の資金調達で3700万ポンドを調達。（事業内容は専門的で一般にはわかりづらいのでコーポレートウェブに掲載の文章をそのまま和訳すると以下な感じです）
30年以上にわたる世界有数のイノベーションとヒト用治療薬の開発を基盤に、最先端の科学を応用し、世界中の愛するペットのためにブレークスルーをもたらすことを目指しています。 犬や猫との絆は特別なものであり、彼らは私たちと同じ家に住み、私たちの生活の重要な部分を担っています。しかし、残念ながら、犬や猫も私たちと同じような健康問題を抱えており、私たちと同じような病気や症状に悩まされることがあります。人間の薬をペットに投与することは可能ですが、抗体医薬はペットの免疫システムが拒絶反応を起こすため、投与することはできません。そのため、がんや関節炎、アレルギーなど、人間では治療できるのに、ペットでは苦しみ続けている疾患が多く存在します。 PetMedixは、ペットを助けるための治療ソリューションを創造しています。私たちの科学チームの経験と数十年にわたるヒトの臨床研究を活かして、完全に種特異的な自然由来の治療用抗体を開発できるプラットフォームを構築しています。 私たちは、これらのプラットフォームを利用して、最も重要な未開拓の臨床分野を対象とした独自の動物用医薬品を開発します。これらの医薬品は、医療に決定的な影響を与えるだけでなく、優れた市場機会にもなります。
4.FirstVet（スウェーデン）獣医師とのオンライン相談
2016年にスウェーデンで設立されたFirstVet。他の動物病院や企業から独立した24時間サービスを提供するデジタル獣医サービス。 COVIDのはるか以前からの獣医療のディスラプターである同社は、過去3年以内に2950万ユーロという多額の資金を含む、5回の資金調達ラウンドで9600万ユーロを調達。ドイツ、イギリス、北欧に強いプレゼンスを持ち、40以上のヨーロッパの保険会社と提携している。
2年前に調べた時は以下のデータを持っていましたが、パンデミック後の生活様式の変化で自宅で過ごす時間が増えたことにより、オンライン診療/オンライン相談は近年さらに成長していることが窺い知れます。以前に紹介した際の記事はこちら。
・週7日24時間、年中休みなしでオンライン診療を提供
・待ち時間は最長でも30分
・オンライン診療のうち70%は、実際に動物病院に行く必要がなかった
・380,000人以上のアクティブユーザー
・ペット数220,000の診療実績
・250人以上の獣医師がプラットフォームで活躍
5.Zoo.se（スウェーデン）ペットショップ
Zoo.seは、犬のブリーダー、栄養の専門家、獣医師、猫のブリーダー、動物保健師、爬虫類学者、小動物の専門家、水族館員などなど、さまざまな動物に関心を持つスタッフを採用し、ペット販売をより高いレベルへと進化させているペットストア。同社は2900万ユーロの資金を調達している。
ひとまず今日は5社だけ。残りの5社は次回に紹介します。
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