見出し画像

【映画の中の詩】〈リメイクの難しさ~『教授と美女』から『ヒット・パレード』へ 〉

『ヒット・パレード』(1948)

監督ハワード・ホークス、脚本ビリー・ワイルダー、一流ミュージシャン豪華共演。それなのに出来はいまいち…


1941年の『教授と美女』の百科事典編纂という設定を音楽史編纂に変えてハワード・ホークス監督自らリメイク。主演はダニー・ケイとヴァージニア・メイヨ。

今作はとにかく出演者が豪華。教授の一人をベニー・グッドマンが演じているのを始めとして当時の一流のジャズメンが演奏を披露してくれます。ジャズ好きの方にはたまらない映画なのではないでしょうか。

その一方で映画の出来としては微妙な感じに。
『教授と美女』では人物や舞台設定と密接に結びついていた各エピソードが切り離されてしまい、事典編纂から音楽史編纂に変えたことの無理なつじつま合わせが行われているのが気になってしまうのです。

「ヤムヤム」シーンも『教授と美女』では、教授がスラング収集をしているという物語の設定を踏まえたシーンなのに、『ヒット・パレード』では唐突なギャグみたいになってしまっている。指輪を渡すシーンやラストシーンも同様です。

『教授と美女』と比べず、この作品単独としてならば楽しく観れる出来にはなっていると思うのですが。

Notes from the opening phrase of an aria
アリアの冒頭のフレーズだよ
from the opera Paris and Helen.
オペラは『パーリデとエーレナ』
Quote,
引用―
"O thou beloved,
あゝ、愛する人よ
"whom so long my heart desireth,
待ち望んでいた人よ
"when will the day ere be
いつの日になるでしょうか
that my heart thou doth bless
あなたが我が心に祝福をくださるのは
"with a softly whispered yes. "
「はい」とそっとささやいて
Unquote I suppose.
―引用終わり…。

いいなと思ったら応援しよう!