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知りたくて、知りたくない(2021 JIN Day)


2021年12月4日


ジンくん、お誕生日おめでとう。
今日は、わたしがジンペンになってはじめて迎えるあなたの誕生日です。


ずっと、ジンくんのことを書きたいと思っていました。

それなのに、ジンくんを表現することは他の何倍にも増して難しいです。

わたしはいわゆる「Dynamite新規」と呼ばれるARMYなので、ジンくんはおろか7人のことはまだほんの数パーセントしか知りません。無限にあるコンテンツを漁っては 7人の軌跡を辿ってみるけれど、それらを繋ぎ合わせても点は点のままで、まだまだ線になりそうもありません。

そんなわたしがジンくんを表現することはあまりにも無謀で、わたしの語彙力を総動員しても足りないし、どの言葉を選んでもしっくりこない。いま、この瞬間も、キーボードを打つ手が止まっては書いて、書いては消しています。

それでもわたしは「ジンくんセンイル」に託けて綴ってみようと思います。
一文字も読まれることのない、ジンくんに宛てたバースデーメッセージとして。ありったけの愛を込めて。


知りたくて、知りたくない

アイドルとしてのJINと、その理想的なJINに近づこうとするキムソクジン。


「アミにはいつもいい姿だけをお見せしたい」と言い、「いい姿」だけを見せようとするジンくんが織りなすその世界は、ぽかぽかと陽気のよい穏やかで優しい場所です。
いつまでもこの陽気のなかでジンくんの優しさに甘えながら過ごしていたいけれど、キムソクジンがJINになろうとすればするほど不安になるときがあるのです。




ジンくん、元気かな。無理していないかな。



ジンくんの言葉のとおりの「いい姿」に元気をもらっているし、
「Moon」の優しく明るく照らす月の光はどこまでも伸びていくようだったけれど、
「Awake」でジンくんの苦悩や覚悟を知り、
「Abyss」の歌詞に込められたジンくんの複雑な心情を知ったときは、泣きたくなるくらいに悲しくて、泣きたくなるくらいに心救われるものでした。


一人で痛みに耐え、それに勝ち抜いた人が歌う歌。なんて美しいのだろう。

「アミにはいつもいい姿だけをお見せしたい」と言われるたびに、どこか一線を引かれたようで寂しい気持ちがありました。
ジンくんがアイドルJINでいようとすればするほどに知らないことが増えていくようで、ますますわたしはジンくんのことを知りたいと思ってしまうのです。


そんなとき、ちょうど一年前の今日、ジンくんが勇気を出して教えてくれた海淵を知った日。
すべてを手放したかった程に心が苦しいときでも、私たちの前では笑顔でいてくれたジンくん。あなたのこと、やっぱりこれっぽっちも知らなかった。だから、あなたが潜った深海のことを知ったときは、とても悲しくて、海淵を覗いてしまったことに対する若干の申し訳なさを感じながらも、なぜかとても嬉しかった。

だけど、ジンくんの全部を知りたいだなんて思いません。裏側を見せないことがあなたの優しさであることも知っているから。



もしジンくんがまた勇気を出して「これくらいなら見せてもいいかな」と思うときがあれば、わたしはジンくんがそっと見せてくれるものを優しく包み込んであげれる、そんなファンでありたいと思います。

***

最近のジンくんはどうしていますか。元気ですか。しあわせに過ごしていますか。


得体の知れないウイルスが流行って早2年。Weverse Magazineで「ARMYに会えていた頃が夢のようです」と言っていたように、ARMYに会うことが当たり前の世界が一転、夢へと変わってしまいました。


ステージという居場所が奪われ、存在意義を見失い、愛されていることの実感を失ったことは、わたしが想像しているよりもずっと非情でこの上ないくらい絶望的なものだったと思うと、今でも胸がキュッとします。

ジンくんはもしかしたら今もまだ冷たく静寂な漆黒の海淵に潜ったままかもしれないけれど、角ばった海の石がやがて波で削れられ丸みを帯びていくように、「キムソクジンがJINになること」に対する角ばった気持ちがすこしずつ丸くなってきているように思います。


どこか吹っ切れたような雰囲気というか、JINとキムソクジンを区別しなくなってきているというか・・・以前よりもJINでいることにこだわらなくなったように感じています。



だから、これも勝手な解釈と願望だけど、最近のジンくんは以前よりも元気そうに見えます。
ジンくんが元気でいてくれるだけでわたしも元気になれてしまうのだから、つくづくわたしは単純で、しあわせだなと思うのです。


僕たちが一番わかっています


JIN「その頃、ちょうど20歳になったばかりの僕は、また別の現実と戦わなければなりませんでした。 デビューする前は、努力さえすればすべて成せると思っていました、デビューしてみると努力よりは才能が必要でした。 いくら一生懸命やってもメンバーたちについていけない気がして、自信や自尊心が大きく傷つきました。そんな中、ある瞬間ふと気づきました。本当の自分の姿は何だろう? 今の自分にもっと堂々としていいんじゃないかなと思いました」
(2020年9月19日第1回「青年の日」スピーチ)
さっきお話ししたように、歌詞を覚える才能が足りないとしたら、また別の才能が自分の足りない部分をカバーしてくれていると思います。僕はそうやって地道に覚える過程を楽しむんです。練習を繰り返すことを楽しむのが僕の才能で、それでとにかく期限内に成功させたら、自分をちょっと褒めてあげます(笑)。
(Weverse Magazine-BTSアルバム『Butter』発表インタビュー2021.07.28)



ダンスや歌に関するジンくんのエピソードを探すと沢山出てきます。誰よりも早く練習室に入り、練習が終わった後も居残って練習していること。他のメンバーより長い時間準備し、繰り返し練習していること。練習生時代には夢の中でも練習して怒られていたこと・・・。

才あるメンバーに囲まれ、他のメンバーは容易くできてしまうのに自分にはそれができないことは、その分耐えなければならないことも多いと思います。

プライドが高ければ高いほど「できない」という事実が自分を苦しめ、許せなくなり、いつしか心がポキッと折れてしまいそうなくらい苦しい状況だと思うのです。

いったいどれだけの努力して、耐えて、踏ん張ってきたのだろう。それなのに、ジンくんは、過去に自分が大変だったことは忘れ、努力したことは自分だけが知っていればいいと言う。


だけど、ジンくんの頑張りはみんながよくわかっています(ジンくんとしては、わかっていても言わないでほしいのだろうけど)。


MOSカムバックのときにジンくんは「僕は振り付けを覚えるのが他のメンバーより少し悪い」と発言していたけれど、テヒョンさんやジミンちゃんがすかさず、「そんなことないです」「そんなこと言わないでください」「僕たちが一番わかっています。そばでやっているから」とすぐに否定していました。
それでもジンくんは、「少し覚えが悪いこともありますよ」と食い下がっていたけれど、他のメンバーは茶化すことなく真剣に、「違いますよ、本当に」と言っていましたね。
ジンくんの影の努力はそばにいるメンバーが一番知っていて、「知っています」と言ってくれる人がいる。本当に素敵な関係だと思いました。

ジンくんは、トップスターになった今もなお努力に努力を重ねていて、その努力はやっぱり表には出さないけれど、うまくできると自分を少し褒めてあげられる人。
それってつまり、できなかったことに目を向けるのではなく、できたことに目を向けることができる人。そうやって自分を褒めてあげられることは、まさに「ラブマイセルフ」の体現だと思います。



ストイックで努力家で、
憂鬱を吐き出すように歌い、
自尊心が低くて自分に自信が持てなくて、
ラブマイセルフの伝道師と言われるジンくんだけど、もしかしたらラブマイセルフから一番遠くにいるのもジンくんかもしれません。



そんなジンくんが周りから歌やダンスを褒められると、照れながら耳を真っ赤にしている様子はとても愛おしくて、わたしはそんな不器用で繊細なジンくんのしあわせを祈らずにはいられないのです。


ジンくんの哲学


「休む時は、本当に自分が好きなことをするのがいいと思います。そうすると他の人たちが、どうして人生に何の役にも立たないことをするのかって言うかもしれませんが、そういう時間が自分にとって大切だと思います。社会は、いつも役に立つことを求めるじゃないですか。そういうのもいいですけど、自分のためには、他の人の目には役に立たないように見えたとしても、自分の心の安定を図るための時間が必要だと思います。」
(Weverse Magazine-BTSアルバム『Butter』発表インタビュー2021.07.28)


「In The SOOP2」で「一日をどれだけ情けなく過ごしたかが休息」だと言って気の向くままに過ごすジンくんをみて、あぁこの人は、自由奔放に行動しているようだけれど、そこには一貫してジンくんの「幸せに生きる」ための行動があり、哲学があり、そしてそれを体現しようとしているのだと思いました。

休日、二度寝して気づけば世界はすでに一日の半分が終わっていて、SNSを開けば友人たちが精力的で生産的な活動をしている。30代、独身一人暮らしのわたしは自分の世話だけをしているその間にも、母親・父親となった彼らは忙しそうにしあわせそうに子どもたちとその時を過ごしている。そんな世界を垣間見ては、情けないほどに何もしていない自分が心底嫌になり、「何かしなければ」という気持ちだけが空回りし、その日が過ぎるのをただ耐える休日が辛くて、かなしくて、情けなかった。他人と比較して、勝手に落ち込んで、他人の評価を人一倍気にするわたしは、今もまだ他人の時間軸で生きています。

わたしがジンくんと同じ立ち位置で考えることは何か違うようにも思うけれど、「自分がしあわせに生きるため」「情けなく過ごす」ことを体現するジンくんは、わたしにとっての希望となり、ほんの少し、救われたように思います。

ジンくんの行動は、傍からみると理解しにくいものかもしれないけれど、その行動の軸にはジンくんの感性があって、しあわせを生きるための大切なヒントを伝えてくれている。

ジンくん自身も、他のメンバーもみんな、この2年間の余白を過ごすなかで、ジンくんのこの哲学ともいえる考え方に救われているように思います。


暖かな風が吹く春の日に


ファンの方たちが笑顔を忘れずにいてほしいです。僕の性格上、照れくさい言葉やこういう言葉を言うのがすごく苦手で。言ったら、自分ですごく恥ずかしくて耐えられませんし、僕はそういう言葉を言うと受け入れられない性格なので、言うのは最小限にします。ただファンの皆さんは、僕たちを見ることが趣味じゃないですか。趣味の時間は楽しくて笑うためのものですから、大変な姿ではなく、もっと笑わせてあげたいです。だからわざとWeverseで、おもしろい文章や、コメントでおもしろいレスを書くことで、もっと笑いを伝えようとずいぶん努力しています。ただ僕を好きな人たちが喜んでくれたら嬉しいです。悪いものは見ないでほしいですし。そんな気持ちで仕事をしています。
(Weverse Magazine-BTSアルバム『Butter』発表インタビュー2021.07.28)


日本時間11月27日、ようやく、本当にようやく、LAでARMYと直接会うことが実現した日。LAでの奇跡のような4日間は、その場に行けた人も、行けなかった人も、みんながその歴史的な瞬間に心を震わせた日々でした。

ジンくんはアンコールのとき頭にリボンやお花、はたまたRJのぬいぐるみを着けて「cuteでしょ?」と言いながら現れたかと思ったら、「30歳にもなってこういうのを頭につけるのは恥ずかしいけれど、みんなが喜んでくれるから」と言う。


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そして、最終日のエンディングメントではこう言っていましたね。


「いつも僕の自尊心を高めてくださってありがとうございます。」


やっぱり、ジンくんは、「キムソクジンがJINになること」を探求し続けていて、そんなジンくんをただ好きなわたしは、ジンくんが見せるものだけを受け取り、大きな愛に変換させて日々を生きるための糧にしています。

いつか、暖かい風の吹く春の日に、その大きくなりすぎた愛をジンくんに直接返しにいきます。それまで、どうか、心身ともに健やかに、穏やかに、しあわせに過ごしていてください。


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暖かく包み込みような優しさと、自分を認め愛する強さと、誰よりも謙虚な心をもつジンくん。

そんなあなたのことが大好きな世界中の人々が、今日この日を祝っています。ジンペンが紡ぐたくさんのジンくんへの想いと愛を目にしては、まるで自分の誕生日のように、もしかしたらそれ以上に嬉しくて、誇らしい気持ちです。

ARMYから抱えきれないほどの愛を受け取って「生きているという感じ」を取り戻してくれていたら嬉しいです。


あなたへの敬愛と憧憬の念を込めて。


사랑해


追記


いざこの記事を公開しようとしたまさにその瞬間、ジンくんからまさかのプレゼントが公開されました。

ジンくん、やっぱりわたしはあなたという人を全然知らなくて、だからこそもっともっと知りたいと願い、もっと笑わせてほしいのです。笑。



追記2:この記事は2021年12月4日に公開したものをリライトしたものです。改めて読み返してみると「ちょっと違うな」「うまく伝えられていないな」と思うところがあり、執筆時の心情はそのままに、加筆修正しています。修正前の内容を気に入ってスキを押してくださった方には申し訳ありません。こちらの記事もスキになってくれたら嬉しいです。

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