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キャラソン日記 2024年2月編

こんにちは、私的音楽同好会です。

今回は、2024年2月分の #キャラソン日記 をまとめました。
ぜひ皆さまも、紹介文を読みながら曲を聴いてみていただければと思います。

2/18 亜美のGuilty Night!

歌唱:亜美
発表年:1985
作品名:くりいむレモン

日本のアダルトアニメの先駆的作品である『くりいむレモン』に登場する野々村亜美が、血の繋がらない兄との初夜の思い出を歌った一曲。 一般的に、キャラクターソングの起源はキャラクター名義で歌い始めたことだと考えられており、『めぞん一刻』に登場する音無響子が歌った「予感」が最初であることが定説となっている。しかし、「予感」は1986年9月25日発売(挿入歌として使用されたのは1986年11月5日に放送された33話)である一方、「亜美のGuilty Night!」が亜美名義で発売されたのは1985年8月であり、音無響子よりも野々村亜美が先に歌い始めているのだ。 さらに、楽曲の内容もキャラクターの内面が吐露されたものとなっている。「亜美はあの夜を忘れません」というセリフから始まり、サビでは「お兄ちゃん もう一度 はずかしさ 忘れさせて あの夜のように」と歌い、アウトロでは亜美の自慰行為を彷彿させる声が収録されている。このように、アニメ内のアイドルソングや挿入歌よりも直接的な表現が行われており、タイトルや歌詞にも名前が入っているため、野々村亜美にしか歌えない曲になっているのだ。 キャラクターソングの起源の定説を変える可能性がある一曲である。

2/21 ラブ♡スペシャリテ

歌唱:夜ノ森小紅(CV:照井春佳)
発表年:2014
作品名:未確認で進行形

『未確認で進行形』より、夜ノ森小紅のキャラソン。シンプルなメロディに乗せて、小紅の気持ちが率直に歌われる。小紅は作中でもよく料理をしているが、その情景が浮かび上がってくるようである。「いつもがんばってる皆を 癒せる私でいたい」と歌われるように歌詞からは小紅の優しさや素朴さがそのまま映し出される。そして、本作のタイトルと呼応するように、少しずつでも「完成形」へと近づいていきたいといういじらしさも垣間見える。これはキャラソンが作品を改めて照らし返すことで、さらに作品やキャラクターへの理解が深まっていく好例であるように思える。ぜひ、アニメを見てから一度聴いていただきたい。

2/24 好きになるなら

歌唱:日高のり子
発表年:1985
作品名:タッチ

1980年代のラブコメブームを牽引した野球漫画『タッチ』のアニメ版で、ヒロインの浅倉南を演じる日高のり子のデビューアルバムの一曲目。2024年時点まで1億部の発行部数があるほど当時の人気は凄まじく、キャラクターである浅倉南に恋をしてしまう人がいたほどの人気があったらしい。そのため、レコードのジャケットの帯には「日高のり子(浅倉南)」と記載され、声優とキャラクターを重ねて見られていたことが分かる。また、曲の内容は一般的なラブソングではあるが、曲の冒頭では浅倉南のセリフが挿入され、歌の内容が浅倉南の心情であるかのような演出になっており、”浅倉南のキャラソン”として聴けるようになっている。 漫画・アニメ・ドラマ・映画・ゲームなど高度なメディアミックスが行われていた『タッチ』だからこそ、音楽でも浅倉南を求めるような土壌があったのではないだろうか。

2/28 半分

歌唱:来栖とまり(CV.田村ゆかり)
発表年:2006
作品名:かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~

3人の少女たちの三角関係を描いた『かしまし』に登場する来栖とまりが、大佛はずむへの気持ちを歌った一曲。 はずむと神泉やす菜が恋仲になるにつれて、弟程度に思っていたはずむへの恋愛感情に気づいていく。しかし、2人の関係を邪魔しないために、「伝えきれない足りないけれど そばにいるから」と友だちでいることを決意する。 当時の情景を再現した前曲のモノローグから続けて「半分」を聴くと、友達でも一緒に居たいと思ってしまう複雑で切ない乙女心が痛いほど伝わってくる。もちろん、伝説の「あのね……」の後はハッピーエンドが待っているのだが。


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