キャラソン日記 2024年7月編
こんにちは、私的音楽同好会です。
今回は、2024年7月分の #キャラソン日記 をまとめました。
ぜひ皆さまも、紹介文を読みながら曲を聴いてみていただければと思います。
7/6 スナフキンのテーマ
歌唱:西本裕行
発表年:1971
作品名:ムーミン
『ムーミン』に登場する旅人であるスナフキンのテーマ曲。自由と孤独、そして音楽を愛する旅人であるスナフキンは作中で演奏したり歌ったりするシーンがあり、そのシーンで使われていた本曲はポピュラー音楽というよりは民謡に近い。当時の日本の流行から考えると、カレッジフォークほどの上品さはなく、関西フォークを想起させる哀愁が感じられる歌声である。ムーミン内で使用される歌は多くのキャラクターの声優が歌っていたことから、スナフキンの声優も歌っており、子供でも大人でもないキャラクターが歌うことができたのではないだろうか。
7/13 もっと君を知りたい
歌唱:新条アカネ(CV:上田麗奈)
発表年:2018
作品名:SSSS.GRIDMAN
『SSSS.GRIDMAN』に登場する新条アカネのキャラソン。『GRIDMAN』は『電光超人グリッドマン』をリメイクしたアニメであり、『グリッドマン』では怪獣を暴れさせることで憎しみを晴らしていたオタクの藤堂武史は、『GRIDMAN』では美少女の新条アカネとして登場する。彼女は「お互いの距離を知らずに ふたり眩しく笑いあえた」頃は危害を加えないものの、彼女を嫌いになった暁には殺してしまう「ひとりぼっち寂しい神様」である。自分の行動が彼女自身の孤独を深めるだけだと分かっていても、我儘で不器用であるが故に「襲って壊して潰して」しまうのだ。こんなに哀しいキャラソンを歌う新条アカネに必要なのは、お互いの心を許し合うことができる友人なのではないだろうか。
7/20 言葉の向こう
歌唱:石川由依
発表年:2020
作品名:ヴァイオレット・エヴァーガーデン
手紙を代筆する元軍人を描いた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のエピソードから着想を得て製作された一曲。主人公であるヴァイオレット・エヴァーガーデンは、幼少期から戦争で戦うことしか知らなかったため、人の気持ちを理解したり、自分の気持ちを表現することが苦手である。戦場から離れた後、手紙の代筆を通して人の感情に触れるにつれて、「言葉にはウラとオモテがあって」ということを知り、やがて「『愛してる』を…知りたいのです」と思うようになっていく。このような彼女の中に生まれた感情が歌詞の随所に散りばめられ、ピアノやコーラスに包まれた切なくも大らかな楽曲を、主人公ヴァイオレット・エヴァーガーデン役の声優の石川由依が歌いあげる。この曲を聴く度に、彼女が生きている世界と内面に引き込まれていくのだ。
7/27 いまになって…
歌唱:山本百合子
発表年:1981
作品名:ハロー!サンディベル
一人の少女の成長を描いた『ハロー!サンディベル』に登場するサンディベル役の山本百合子が歌う挿入歌。スコットランドの田舎で暮らすサンディベルは明るい性格で街の人気者であり、ウエリントン家のマークとひかれ合うが、破産をきっかけにマークも家を飛び出してしまう。元々アニメでは挿入歌として使われていたものの、レコード上では「一体どこへ行ってしまったのかしら。でも、きっとまた、私の前に現れてくれるわ」というサンディベルの台詞から始められ、「いまになって分かる あなたの優しさ」と彼女の心情が歌われる一曲となっている。演劇が音楽を取り入れてミュージカルに発展していったように、映像作品が音楽を取り入れて挿入歌でのキャラクターソングが発展したのでは、そんな憶測をめぐらしていた。