つま先の向きから考える「反り腰」を本気で改善する方法
なぜ反り腰ってなおらないの?
姿勢改善の難しさ
姿勢改善は簡単ではない
反り腰にかかわらず、猫背やO脚など姿勢を改善していくって難しい。だって想像してみて。身体の形状が、骨が、関節がいわば変形しているわけですよ。粘土のように形状を変えたり、積み木の凸凹をまっすぐそろえたりというわけにはいきません。逆にそんな簡単に変形したら怖い。。
今のあなたの姿勢は、長い年月をかけてあなたが大切に大切に育てたもの。人それぞれの特有なものです。影絵みたいな知り合いのシルエットだけで、これは○○ちゃんでしょ!?ってわかりますよね?姿勢というのはそういうもので、切って貼ってというようにできるものではありません。
SNSやショート動画などでよく目にする「10秒で反り腰改善!」みたいなのありますよね??一度は見たことありませんか?もしかしてこれで改善するかも!とちょっと試したりなんかして。どうでしょう?変わりませんよね?ああいったものはすべて嘘です!もし本当であれば、世界中から反り腰が10秒でいなくなりますので。でももしかしたら・・・の気持ちはわかります(笑)
癖のようなものを直すのは難しい
右利きの人が、左手で字を書くのと同じように反り腰を改善するのは難しい。たまに今日は左手で書いてみよっかなぁで右と同じようにうまく書けるはずがない。漢字を習い始めたときのように、ノートいっぱい敷き詰めるように書きまくっていたあの日のように。毎日訓練するしかないのです。
例えば歯の矯正のように、毎日毎日、こっちが正しい方向だよと刺激を与え続けて1年・2年とかかるもの。反り腰だけ甘く見ないでほしい。たかが反り腰ではない。むしろ歯の矯正より難しいのです。
短時間のトレーニングでは十分な改善は望めない
私のジムにも週に1回60分のセッションを、反り腰改善のために受けに来てくれるクライアントがいます。 週に2回来てくれるクライアントもいます。 ただどちらにせよ、それだけでは時間が足りません。1週間は168時間、そのうちの1時間、もしくは2時間。どれだけ反り腰改善しようと効果的なエクササイズに取り組んだとしても。足りないのです。
反り腰のあなたは、日常的に反り腰になるためのエクササイズをしてるようなもの。それにストップをかけ、ましてや、その反り腰を改善に向かわせるには相当な時間を費やす必要があります。それは何も毎日パーソナルトレーニングを受けたほうがよいと言っているわけではなく。 1日のうちどれだけ気をつける時間を設けられるか。なかなか意識をして姿勢を維持するというのは難しいので、意識をしなくても反り腰が改善するような姿勢をとることができるか?動作をすることができるか?ということが重要になってきます。
反り腰を改善するエクササイズの効果はかなりあります。なのであとは頻度が重要です。パーソナルトレーニングでしっかりとコツをつかみ、そのエクササイズの意図を理解し、家に持って帰る。それを毎日漢字ドリルの宿題をしたように、繰り返し行ってもらえれば必ず改善方向に向かいます。
日常的な意識が重要
日常的な動作の中で姿勢に気をつけることが重要
反り腰を改善するには、日常での姿勢や動作がキーになります。そのために身体の状態を内観する力ってすごく大切。自分の腰は今、反ってるのか?ニュートラルなのか?丸まってるのか?骨盤は前に傾いてる?後ろ?そんなことわかりますか??これがわからない人が実は多かったりする。これは訓練しかない。自分と自分の身体との対話。目をつぶって、今自分の骨盤はどうなってるか感じてみましょう。目をつぶっていても内観できるパーツもあるでしょ?指でピースサインしてたら、今自分の指がどうなってるのか目をつぶっててもわかるでしょ?それと同じでほかの部分もわかるようになります。
仕事や家事、育児など日常生活の中で意識を向上させる必要がある
自分がいつ反り腰姿勢を取っているのか。腰にとって魔の時間はいつなのかを把握するのは、改善するうえで重要。自分の身体を内観する力をフルに使って1日自分の身体と対話しながら過ごしてみよう!いつ悪い姿勢を取ってるか見えてくるはず。運転中?通勤の電車内、仕事中の姿勢、ソファーでくつろぎ中、ベッドに入ったとき。日常のいろんな場面でいつもは気に留めない腰の状態。気にしてみましょう。
座ってるとき、立ってるとき、この場面。負担がかかっているときがわかれば、どうしたら改善できるかも検討できるというもの。例えばデスクワークで座ってるときに一番姿勢が崩れていて、反り腰になってる。仕事終わりに腰疲れたなーって思うなとわかってきたら。。
などアイディアもなんとなく浮かんでくる。この積み重ねこそが、反り腰を改善するために最も近道であることを理解してほしい。
足首とつま先の重要性
寝転がった姿勢の確認
もう20年近くトレーナーをやってきて、毎日何人もの人がストレッチのために私の前であおむけに寝転がる。ずっとみてきているので、どんな人がどんな姿勢で寝転がるのかわかるんです。反り腰を改善したいという人がいたら、必ず寝転がった状態でリラックスしてもらい、その時つま先の向きを確認します。もしあなたも反り腰を気にされてるのならやってみてください。寝転がったときに、つま先の向きを見てみましょう。
つま先を見るというと、よく外に開いてるのか閉じてるのかをみるのですか?と言われますがNOです。ここではつま先が自分のほうを向いてるのか、天井を向いてるのか、自分から離れたほうを向いているのか。です。
反り腰であれば、つま先が自分から離れる傾向にあります。
それを確認してください。もしよくわからなければ、知り合い何人かに寝転がってつま先の向きを見せてもらい、自分と比べてみるもよし。
様々な姿勢での確認
同じように、つま先の向きをほかの姿勢でも確認しましょう。反り腰であればいつもつま先を自分から離れた方向を向け、そうすることで四六時中、反り腰になるエクササイズをしてるようなことになっています。今すぐチェックを!
チェックしてみました?「あー、私それ、やってるやってる」の声が聞こえてきます。だからあなたは反り腰であり、だから改善しないんですよ。必然なので驚くことはないです。それだけつま先の向きと反り腰はかかわりあっていますから。
つま先の向きと反り腰姿勢への影響
そんなにつま先の向きって関係ある?って思うかもしれません。これも一度自分の身体で体験してもらうと、すっと理解できるでしょう。いかにつま先の向きを自由にさせておくことが悪いことかと。つま先の向きによって骨盤の傾きが変わり、腰への負担が変化する。これは反り腰だけでなく腰痛持ちの方すべてに一度体感してほしいことです。
つま先を自分の方に向けるとお腹に力が入る。腰への負担が減る。
つま先を向こうにむけると、ふくらはぎに力が入る。腰が反る。
チェックしたり、身をもってつま先の影響力を知ってもらったところで、じゃぁどうしたらいいのよ?ということで、日常生活でどんな意識や工夫をしていけばよいかを考えてみましょう!
日常生活での意識と実践
座る際の意識
日本人が1日のうち座ってる時間は、世界平均の5時間をぐっと上回る7時間と言われています。この7時間を反り腰を助長する時間にするのか、改善のエクササイズの時間にするのかで、今後の腰事情を左右しそうですよね?
最初のほうにあげていたアイディアリストが役に立ちそうです。
座る際にはつま先が下を向かないよう注意する(まずは意識!)
足がつくような椅子を使うことで改善につながる(足ぶらぶら禁止!)
足がつかない椅子しかないなら、足を乗せる台を準備(段ボールで良し)
足裏ほぐしにも、乗せる台としても青竹踏みオススメ
ヒールは脱いでスリッパに!
要は足裏をベッタリ床につける工夫をしましょう!
運動・睡眠・通勤時の意識
反り腰改善のエクササイズでは、四つ這いや膝立ち姿勢で行うものが多いので、ジムでのトレーニングはもちろん、家での自主トレのときもつま先の向きに気を付けてやりましょう!
寝る際にも足の向きに気をつけてみましょう。寝る時間も平均で7時間ほど。そのときの姿勢が大切なのはもうおわかりですよね?寝てる間は寝返りをしたり自分で意識することはできないので、せめて寝床についたときくらいは気にしてみましょう。足元に枕やクッションを置くことで気付きを与えてくれます。
通勤時はもちろん、日常遣いのシューズにも目を向けましょう。とくにハイヒールなどヒールが高い靴は、当然ですがつま先が常に下を向いた状態になり反り腰を助長します。反り腰悪化シューズを履いているようなもの。シチュエーションによって履く必要があるときをのぞき、奥の方にしまっておきましょう!
ハイヒールとも関連しますが、つま先歩きをしている人の多いこと!お風呂やプールなど裸足で歩いてる人を見るとつい目がいってしまいます(笑)歩行時はかかとから地面についてつま先方向に重心が移っていきます。ちゃんとかかとついてますか?
つま先歩きをしていると、ふくらはぎや足裏の張り感もでてきます。ふくらはぎ、パンパンに張ってません?足裏はやわらかいですか?歩き方をいしきしつつ、ふくらはぎや足裏の張りを取ることも忘れずに!どちらも並行してやることで効果は何倍増にもなります!
マッサージはお風呂上りにクリームなどを使って自分でもみこむも良し、ストレッチポールやマッサージガン、マッサージボールなど省エネスタイルでもいいですね。ついでにふくらはぎやアキレス腱まわりのストレッチ、足裏は青竹踏みでほぐしてとまとめて一気にやることおすすめします!
総合的な意識と実践
反り腰改善といっていろんな情報に目移りするかもしれない。できるだけ楽に、早く。いっそのこと整体でバキッとやって戻らないかな?ストレッチ店で寝てるだけで伸ばしてくれて反り腰なおるらしい?努力なんて必要ないという魅力的な文言であふれている。
そんな甘い言葉を信じたのちに、やっぱりそれではダメなんだ。と気付いた方がたくさん来てくれるからこそ、多くの人にも知ってほしい。お金や時間を無駄にする前に。
日中の仕事や家事、運動、睡眠時など、24時間の中で意識する時間を増やす。様々な場面でつま先の向きに気をつけ、姿勢改善に取り組む。ちいさなステップが確実に改善に向かわせてくれる。