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問題解決の本を読んでみた④-1

第4章では「あるべき姿を設定する」ということについて学びます。

まずは問題の「発生型」と「設定型」の二つについて学びます。

問題には「発生型」と「設定型」の2種類がある。
誰がどう見ても問題だと思うようなものが「発生型」で、見る人によって変わってくるので<あるべき姿>と照合して問題かどうか判定するものが「設定型」です。

発生型の特徴

誰がどう見ても問題のため、「問題が問題であること」について説明する必要がなく、「原因を追求し、対策を立案する」ことに集中できます。

設定型の特徴

「見る人によって問題と思うかどうかに違いが出る」ため、「問題が問題である」ことをしっかり説明する必要があります。

二つの問題解決の違い

「発生型」は「マイナスをゼロに戻す」タイプの問題解決です、明らかに良くない状態を普通の状態に戻す。現状復帰レベルの問題解決になります。

例えば、以下のような問題が挙げられます。

  • 赤字が出ている

  • 顧客からクレームが来ている

  • 納期遅れが発生している

  • 製品不良が判明した

「設定型」は「ゼロからプラスに持っていく」タイプの問題解決です。
現状は普通の状態で取り立てて問題があるわけではないが、より高い<あるべき姿>を設定し目指していきます。チャレンジレベルの問題解決になります。

例えば、以下のような問題が挙げられます。

  • 営業利益が5%しかない

  • 新規顧客が88件しか獲得されていない

  • 納期が10日間かかかっている

  • 1日の製造個数が1万個しかない

これらは説明が不十分だと「なぜ問題なのか」伝わらず、話が噛み合わなくなります。
二つの問題解決の違いをしっかりと理解しておくことはとても重要です。
<あるべき姿>をしっかりと設定する必要があるのか、それとも<あるべき姿>は設定するまでもなくむしろ「原因」を究明することが重要なのか、この違いはとても大きいです。

実際の仕事において、「設定型」なのに「発生型」と同じようにアプローチして大失敗してしまうケースがあります。
例えば「売り上げが50%伸びていない」という問題が「設定型」なのに「発生型」のように対応してしまうと、人員補強や値引を大々的に行なって、赤字になってしまうかもしれません。

逆に「発生型」なのに「設定型」のようにアプローチして無駄な検討をしてしまうこともあります。
例えば、労働災害について考えた時に、他の工場を調査して現場の労働災害発生目標数を設定する必要はありません。労働災害は0件に抑える!これは自明な目標です。

どちらのアプローチが適切なのか検討することを考える習慣をつけましょう。

誰がどちらのアプローチをするのか

「発生型」は現場に即しており、解決がそう難しくないので、若手の仕事。
「設定型」は大局を見極める必要があり、解決が難しいので、管理職の仕事。

と決めつけるのは良くない。
若手にこそチャレンジングな問題解決に挑戦させることも大切です。

「設定型」は難しい!?

「発生型」は問題そのものを認識することがさほど困難ではありません。
現状や原因も「現在や過去の事実」を調査することで判明します。

しかし、「設定型」は「問題だと思うか思わないか」が人によってばらつくので、それが問題であるという共通認識を作ることが難しいです、
<あるべき姿>は未だ実現されていない未来の話であるため、具体的にどんな状況なのかについて何をどう説明すれば良いのかわからないし、事実をもとに将来の状況をどう予測するかについても結論が大きく変わってしまいます。

「設定型」の難しさは<あるべき姿>の設定の難しさです。

これから、<あるべき姿>の設定の難しいポイントを一つずつ潰していきましょう。

  • 未来の話であり、なんとでも言える!
    →視点を定める

  • 説明が抽象的になりがち!
    →具体化する

  • 実現されたかどうか測りづらい!
    →指標化する

動画

youtubeに読み上げ動画もあります。

参考文献

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