「はま寿司は大学いもしか美味しくないじゃん。」
最近はま寿司が私の中で熱い。燃え盛る炎のように熱すぎる。
ここ数年100円寿司といえば当たり前のようにスシローが定番だったのだが、今の恋人と交際を始めてからはま寿司に行く回数が多くなった。
私の住む大田区はなぜかはま寿司が多い。近隣にパッと思いつくだけで3店舗はあるね。(どこ住んでるかバレるかしら。)
私の地元の最寄り駅にも実は はま寿司があって、高校生のたまり場みたいになっていたし、例外なく10年以上前に高校生だった私も、ふた月に一回くらいは利用していた。
でも、そこのはま寿司のネタがあまり美味しくなくて(今はどうだか分からないです。美味しくなってたらすみません。)、友達との付き合いで食べにいっても、ひたすら大学いもと茶碗蒸しを食べていた。
もともと大学いもという食べ物が大好きだった。
給食の大学いもはおかわりして食べていたし、米を食べずに芋を食べていた。
ここのはま寿司、ネタは美味しくないけど大学いもが本当に美味しかった。
コーティングされた蜜が異常なほどにカリカリ。蜜もたっぷりだし、基本的に冷たい大学いもが好きではないんだけど、ここのはま寿司の大学いもは冷めても美味しい。
そんなこともあって、他のネタには目もくれず延々と大学いもを食べていた。
周りの人にはただの変人として見られたし、当時お付き合いをして間もないころの元カレには『俺の彼女、寿司屋にいっても芋と茶碗蒸ししか食べない人なんだよね。』と、友人たちに謎の紹介をされた苦い記憶が蘇る。
「違うんだよ。だって、はま寿司は大学いもしか美味しくないじゃん。」
◇
あれから何年が経過しただろうか。
今の恋人とお昼ご飯を悩んでいた時のこと。
「お寿司食べたい。」
私のこの一言で回転寿司に行くことになった。
「はま寿司予約しようか。」
はま寿司!?なぜ!?回転寿司といったらスシローでしょ?この人もしかして、はま寿司が好きなのか?私とは分かり合えんな。
という謎の偏見をブチかましながらも、まあね、うちから一番近いのはま寿司だしね。仕方ないか。と自分に言い聞かせながらその日は渋々はま寿司に足を運んだ。
そしてここで、私は運命の出会いを果たすのだった。
うーん、芋も食べたいけど今日はやっぱりお寿司が食べたい。とりあえず大好きなえびを注文する。
あれ、なかなか悪くないぞ。はまちもイカもなかなか美味いじゃん。私がはま寿司に来なかった何年かの間にかなり美味しくなっている、、、
しかも醤油が種類豊富に用意されていて、醤油からもはま寿司の寿司を楽しんでほしいというホスピタリティを感じられた。
いいじゃん、はま寿司。面白い。
ふとメニューに目を落とすと、あるネタが視界に飛び込んできた。
とろびんちょうレアステーキ、、、?
あのとろびんちょうの炙り?しかもレア?
炙りものが好きで家にガスバーナーを常備し、ステーキもレアが好き。なんならマグロは赤身よりびんちょう派。こんなの私のために用意されたネタじゃん。
私の人差し指は迷いなくとろびんちょうレアステーキを表示するタッチパネルへとのびていた。
ついにご対面。
見たら分かる!美味いやつやん!!!!
絶妙な炙り具合。生のびんちょうマグロの感じも残っていて、香ばしい味わいのソース?みたいなものがこれまた食欲を掻き立てる。
美味い。美味すぎる。
ふわっとした食感と、ねっとりとした食感を両方味わえるネタの厚さ具合。
なんなら肉のステーキより美味いんじゃないのかしら。肉より肉だわ。(?)
卓上に置いてある藻塩とブラックペッパーをかけるとこれまた美味さ倍増。
藻塩とワサビのコンビもアリ。
私はこうしてあっという間にはま寿司の虜になってしまったのだった。
デザートはもちろん大学いも。こいつはあの頃のまま、私を迎え入れてくれた。
ただいま。ようやく戻ってきたよ。
◇
とろびんちょうレアステーキに心を奪われてから、何度もはま寿司に足を運ぶようになった。
はま寿司はネタも美味しいし、お酒も濃くて酒飲みにはサイコーだ。おまけに店員さんも優しい。
高校時代私に教えたいよ。くだらない偏見はやめようね、と。
「今日のお昼はお寿司食べに行く?」
「はま寿司いこう!」
ああ、はやくとろびんちょうレアステーキに会いたい。
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