カフェイン好き

最近はめっきり冷え込んできて、暖かい緑茶が美味しいです。

僕は物心ついたころから緑茶を飲んでいました。
昔はなかなかジュースなんて飲ませてもらえないし、
普段飲む飲み物と言えば、水かお茶しか選択肢がありませんでした。

当時我が家では日曜日の朝食だけはトーストという決まりがあり、
その時の飲み物は紅茶でした。
砂糖をたっぷり入れて甘くしたやつで、たまにレモンのスライスがつくこともありました。
それはそれで美味しかったのですが、緑茶と違ってトゲトゲした渋みがあるのと、トーストにジャムを塗って食べると、途端に甘みが消えて渋みしか感じなくなるのが嫌いでした。
まあ安いティーバッグの紅茶だったので仕方ないのでしょうが(あの黄色いやつです)

中学生になると、少しずつインスタントコーヒーを飲むようになり、やがて大人ぶって美味しくも無いのにブラックで飲むようになりました。
高校生ともなるとコーヒーを美味しく感じるようになり、豆を買ってきては、コーヒーメーカーで淹れて飲んでいました。

一人暮らしを始めると、サイフォンでコーヒーを淹れるようになりましたが、後片付けが面倒になり、なにかもっと簡単に美味しく飲める飲み物はないだろうかと思い始めました。
カフェイン中毒というわけではありませんが、カフェインが入っているものの方が何となく落ち着く気がするので、やっぱりお茶の類が飲みやすくていいなと検討を始めました。

そんな時、ある一冊の漫画を思い出しました。
一条ゆかりさんという漫画家に「ティータイム」という古い作品があります。
詳しい内容までは忘れてしまいましたが、主人公だったか主人公の姉だったかが、月曜日は〇〇火曜日は××と飲む紅茶の銘柄を曜日ごとに決めて飲むシーンがありました。
これをやってみよう!そう思って早速スーパーに黄色いティーバッグではなく、缶に入った紅茶を買いに行きました。
ずらりと漫画で見た紅茶が並んでいました。トワイニングの紅茶です。
げっ!高い。一缶千円近くもするのでは、曜日ごとにそろえる事はできません。
それでもバイト代から捻出して、半月ぐらいかけて7種類を購入しました。

月曜日はモーニングブレックファースト
火曜日はオレンジペコ
水曜日はダージリン
木曜日はアールグレイ
金曜日はビンテージダージリン
土曜日はプリンスオブウエールズ
日曜日はコーヒー

こんな感じでルールを決めて飲み始めました。
今は缶のデザインも変わりましたが、当時は赤や金や黒など単色のカラーで、今でもこの色を見ると無条件に紅茶の銘柄を思い出します。
これ以外で色を見ると思い出すのは、白が1枠黒が2枠という競馬か、
黄緑が山手線、水色か京浜東北線のように鉄道の路線ぐらいでしょうか。

話が逸れましたが、こうして18歳になってから中二病的に紅茶にはまり、
曜日ごとに違う種類の紅茶を楽しむ自分かっこいい!と思い込んでいました。

最初は味の違いも分かりませんでしたが、毎日飲んでいると全然違う事が解ってきます。
アールグレイは香りづけがされているので、あまり好きでは無くすぐに飲まなくなりましたが、プリンスオブウエールズは段違いに美味しく、ほのかな甘みと自然なフルーティーな香りのする上品な味がして一番好きになりました。
値段でいうとビンテージダージリンの方が高かった記憶がありますが、
僕の舌にはプリンスオブウエールズが合ったようです。

その後は手っ取り早く飲めるインスタントコーヒーに回帰し、
薄めのインスタントコーヒーをがぶ飲みするようになりました。

今はあまり紅茶も飲まなくなり、たまーに飲むのは安いティーバッグの紅茶ですが、美味しいケーキを食べる時だけ、とっておきのプリンスオブウエールズを入れて飲むのはそんな理由なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?