うなぎを食べに行ったら貴重な瞬間に出くわした話
この前の土曜日、そう大川小学校に行った日です。
この日はそもそもがお昼を食べに行き、その帰り道に大川小学校に寄ったのでした。
最近はコロナで人混みを避けているので、あまり街中には行きません。
先月銀山温泉には行きましたが、それ以外の週末は家でゴロゴロしている事が多くなり、どこかお昼を遠くで食べようという事になったのです。
そこで何となく思いついたのが うなぎ でした。
仙台から車で1時間30分ぐらいのところにある登米市という町に、老舗のうなぎ屋さんが何軒かあるのです。
結構遠くからも食べに来る人がいるぐらい有名で、もともとはすぐ隣を流れる北上川で獲れたうなぎを提供していたようです。
いつもうなぎのおいしくない土用のあたりに食べていたので、やっぱり寒い時の方が美味しいよねと(もう春だけど)行く事にしました。
11時開店の店なので、時間を調整しながら5分前に到着。すると駐車場に10台ぐらい車が停まっており、中に人が乗っています。間もなくぞろぞろとみんな車から降りて店の方へ行くので、着いて行きました。
まだ開店していませんが、入り口に名前を書く紙が置いてありました。4番目に名前を記入して待ちます。これなら余裕で入れそう。
ところが・・・店が開くと「11時で予約の〇〇様はいらっしゃいますか」と予約ができるようで、3組ほどが呼ばれて入って行きました。そこから名前を書いた順に呼ばれて店の中に入っていきましたが、なんと3組目で一旦終了。
4番目の僕たちは「すみませんが4~50分お待ち頂きますがよろしいですか?」と言われてしまいました。
20人ぐらいが入ったと思います。お店のキャパはもっとありますが、確かにうなぎを一度に焼く数には限りがあるだろうなと、そこは待つことにしました。
順番が来たら電話をしますとの事で、携帯の番号を教えて近くを散策しました。
古い街並みを見たり、資料館になっている旧警察署を見ていたら、30分で電話が掛かってきました。
慌てて店に戻って、席を案内されました。
店内は和モダンで、外から見たイメージとは異なりましたが、落ち着いていていい感じでした。
うなぎがごはんの間にも入っている二段重というのを頼んで、しばし待っていました。
僕たちはテーブル席でしたが、後ろは個室のようで、すりガラスで人がいるのがわかりました。そこへ連れが来たようで挨拶などしています。
声が筒抜けなので、聞くとはなしに聞いていました。
「初めまして〇〇といいます」
「父の××です。娘からいつも話は聞いています。どうぞ」
「失礼します」
あれ?これってひょっとして?
「えー、僕は△△さんと真剣にお付き合いをさせて頂いておりまして~」
あっ!やっぱり結婚のご挨拶だ!
凄いところに出くわしたなと思いました。考えてみたら、あまり他人のこのシーンの会話を聞く事なんてありません。ドラマのシーンぐらいです。
聞いているこちらも何故か緊張します。
まさかお父さん、ここで娘はやらん!なんて言わないよな。いや、それならこんな場所に来ないか。
スマホを見ているふりをして、耳は後ろに全集中です。
すると突然お父さんが大きすぎる声で「最初に言っておきます!変に気を揉ませてもあれだから、私は二人の事を認めますよ!あとは二人が幸せでいられるように応援しますから!!」と半ば怒鳴っているような声で言っています。きっと緊張していたんでしょうね。
恐らく周りで聞いていた人達も、おっしゃーと心の中で、こぶしを握りしめていたと思います。
あとはもう、一生懸命お義父さんを持ち上げる彼とフォローを入れる娘。そして嬉しそうに色々語りつつ、要所要所に「二人の幸せが一番だから」というパワーフレーズを入れるお父さんに、笑い声の合いの手を入れるお母さん。
外は晴れ渡った青空の中、結婚の申し込み&初顔合わせは和やかに進んでいきました。
いや、うなぎは美味しかったです。
でもそれよりもなんだか、ほんわかと嬉しい気持ちになりました。
また来年も食べに来ようという事で店を後にしました。
若い二人に幸あれ!
もし先週の土曜日にうなぎやで結婚のお願いに行ったっていう人がnoteをやっていて、ここを見ていたら言ってね。
ご祝儀あげるから!
おしまい
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