【医療・薬物治療】”痛み”を知る~社会的な痛み~
前回、トータルペイン(全人的苦痛)を構成する要素の1つ、
社会的な痛み(Physical Pain)についてまとめました。
トータルペイン(全人的苦痛)
🟠身体的な痛み(Physical Pain)
🟡精神的な痛み(Mental Pain)
🟢社会的な痛み(Social Pain)
🔵霊的な痛み(Spiritual Pain)
今回は、社会的な痛み(Mental Pain)を学びましょう。
➤社会的な痛み(Mental Pain)
社会的な痛みの原因は
・仕事上の問題
・経済上の問題
・家庭内の問題
・人間関係
・遺産相続 など
病気でなくても、社会的な痛みは常に私たちに付きまとう。
大きな災害や経済の不安定さが引き金になる。
医療現場では、多くは経済上の問題が多くを占める。
✅仕事上の問題
病気やケガのため、プロジェクトのリーダーから外される。
リストラ。
✅経済上の問題
入院中は収入が減り、家族を養うことが難しくなる。
治療費をどうしたら。
✅家庭内の問題
経済状況の不安定さや苛立ち・不安などから、関係がギクシャクする。
家族の無力感。
✅人間関係
家に帰れない。自分はだれからも必要とされないという喪失感。
告知をどうするか。
✅遺産相続
自分が死んだ後、何が残せるだろうか。
これらの問題をできるだけ軽減することで、治療に専念したり、人間関係をより強固にすることができる。
メディカルソーシャルワーカー(MSW)の働きが重要になる。
保険や制度をコーディネートし、社会的な負担を軽減する。
また、本人や家族の思いを傾聴し、時には弁護士などの専門業種に相談することも必要。
➤まとめ
社会的な痛みは医療の中だけでは解決が難しい。
公的な保険や保障、制度をうまく利用し、環境を整える。
そのためにMSWの働きがとても重要。
経済上の問題であれば、病気に備えて貯金や保険を考えておく。
家庭内や人間関係であれば、こんな場合はどうするを話し合っておく。