【医療・薬物治療】”痛み”を知る~トータルペイン~
”痛み”って何でしょう?
ひとことで”痛み”といっても、いろんな痛みがあります。何でもかんでも痛み止めで🆗、ではダメなことはわかっていると思います。
✅頭が痛い
・頭をぶつけて痛い
・心配ごとがあって思い悩むこと
✅腰が痛い
・筋肉の痛み
・骨の痛み
・神経の痛み
✅胸が痛い
・心臓の痛み
・心の痛み
同じ”痛み”という表現をしても、その性質は異なっています。
”痛み”について、シシリー・ソンダースは、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな要素がありこれらが互いに影響し合い、全体として苦しみを形成するというトータルペイン(全人的苦痛)という概念を提唱しました。
◼トータルペイン(全人的苦痛)
トータルペインという概念は、もともと末期がんの緩和ケア領域での
考え方として広まりましたが、日常の”痛み”でも同じと考えられます。
トータルペインでは、”痛み”は大きく4つに分類されます。
🟠身体的な痛み(Physical Pain)
・痛み
・だるさ
・息苦しさ
・動けないこと
🟡精神的な痛み(Mental Pain)
・不安
・いらだち
・孤独感
・恐れ
・うつ状態
・怒り
🟢社会的な痛み(Social Pain)
・仕事上の問題
・経済上の問題
・家庭内の問題
・人間関係
・遺産相続
🔵霊的な痛み(Spiritual Pain)
・人生の意味への問い
・価値体系の変化
・苦しみの意味
・罪の意識
・死の恐怖
・神の存在の追求
・死生観に対する悩み
そして、これらの”痛み”が互いに関連し、影響し合い
全体として痛みを形成します。
「痛み」以外に、「不安」や「怒り」「悲しみ」「恐怖」などと
表現されるものも含まれます。
身体的、精神的な痛みなら薬で対応可能なことが多いかもしれません。
社会的、霊的な痛みは政治や人ととの関わりが必要になります。
”痛み”の本質を紐解いていくのはとても難しいです。なぜなら、4つの”痛み”が関連し影響し合うからです。
しかし、”痛み”に対応しようとするなら、どの”痛み”を抱えているのか、訴えているのかを知ることが必要になります。まずは人をみましょう。
次回からそれぞれの”痛み”についてもう少し詳しくまとめます。
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