【スターバックの本棚】「女も戦争を担った ~昭和の証言~」川名紀美 著 河出書房新社-隆祥館書店 二村知子
元朝日新聞記者 川名紀美さんが書かれたこの本は、1982年、に刊行されました。40年以上も経って再び世に出ることになったのです。
41年前の戦争では、ともすれば被害者として語られることの多い女性たちですが、戦時下をどのように過ごし、戦争とどうかかわったのか、川名さんが、各地を訪ね歩いて1冊の本にされました。そのころの政治と社会の雰囲気に危ういものを感じておられたからです。でも、いまの日本は40年前よりもっと危ういと感じています。と仰ってました。
第1章は、俳優の三國連太郎さんに取材、徴兵を逃れて逃亡の旅に出た息子を憲兵に密告した母親、その他にも、豆兵士づくりに勤しんだ元教師、国防婦人会幹部として活動することに生きがいを見出した女性たち。彼女らの証言から学ぶことは多いはずです。
私も一読してまったくその警句が色あせていない、それどころか、まるで危険な時代が再び来ることを予見されていたように思いました。
最近、国会で、防衛費増額や、入管法改悪など、充分な議論もされないうちに、どんどん閣議決定され、多数決で危険なことが決まっていっています。
あの田中角栄が、言っておられたそうです。「政治家の中枢に、たったひとりでも戦争体験者がいるうちは、平和を保てる。しかし、戦争体験者が、一人もいなくなった時は危険だ」と。
戦争を知らない世代が、今こそ知るべきことだと感じてご紹介させていただきました。
隆祥館書店:二村 知子 | Tomoko Futamura
隆祥館書店店主 井村雅代コーチ(当時)に師事し、シンクロナイズドスイミングを始め、現役時代はチーム競技で2年連続日本1位、日本代表として2年連続世界第3位に。現役引退後、隆祥館書店に入社。2011年から「作家と読者の集い」と称したト-クイベントを開催、2016年からは「ママと赤ちゃんのための集い場」を毎月開き、2019年4月からは、宝上真弓先生と子育てに悩む親御さんのために絵本選書の無料サ-ビス、2020年6月より、お客様からのリクエストを受け一万円選書を始めている。
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