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子どもが拍手をしないモヤモヤ

私は30歳のときに初婚でシングルファザーと結婚し小学生男子の母となった。

当時ボーイは小1。

二足歩行だけど、一丁前に話すけど、
大人よりもまだまだ赤ちゃん。(今ならわかる)

当時の私は『子ども』についての知識がなく、
楽しめるもんだと思っていろんなところに一緒に出掛けていた。

ところがコンサートやイベントに行くと私は毎回モヤモヤすることがあった。

ボーイがいっさい拍手をしないのだ。

拍手の意味を知らないのかと思って説明したけど、
やっぱり拍手をしない。

映画館ではいいシーンで拍手するのに、
ここぞって時に、周りが拍手喝采なのに、
しない。

私には怒りの感情が芽生えてくる。

目の前の人が、素敵なパフォーマンスをしてくれたのに…彼らへのリスペクトはないのか?と。

習い事でも、他の子どもが発表し終えて周りが拍手をしているとき、1人だけ拍手をしない。

また私には怒りの感情が芽生えてくる。

え、失礼じゃない?
発言内容はともかく、みんなの前で立派に発表したことに、リスペクトはないのか?と。

私の中で、拍手は相手へのリスペクトの表れらしい。

でもそれって全人類共通なのか?

拍手しないとどうなるのか?

拍手されなかった人は悲しむのか?

私は拍手されなかったら悲しむのか?

する気のない人に無理に拍手されても嬉しいのか?


『こういうときはこうするもんだ』という固定概念が
歯石のように硬くくっついている。

そしてそうしないとまるで『まともな人間』じゃないかのように見えてくる。


拍手しなさいよと一回や二回くらい言って、
でもいまいち伝わらず、それ以降は何も言わなくなった。


それから3年くらい経ち、
この間お友達のお子さんのバレエの発表会に行ったとき、
ふと隣のボーイが拍手していることに気づいた。

そして拍手はボーイの感動具合を表すかのように、
小さい拍手から大きい拍手までいろいろあった。


拍手は強制されるものではないなとその時気づいた。

ボーイはちゃんと心が動いたときに拍手をする人なのだ。
むしろ、拍手しないときがあったっていいのだ。

それで仮に嫌われても、それはボーイのことであって、私には関係ない話だ。


親はつい自分の建前と子どもの将来を危惧して
『まともな人間』にしようとする。

究極、犯罪者にならないように、とか?
死なないように、とか?

その気持ちもわかるけど、子どもがどうなるかは子ども次第。

拍手するかどうかも子ども次第。
ピーマン食べるかどうかも子ども次第。
お手伝いするかどうかも子ども次第。

とは言ってもそんな発想にすぐ切り替わるわけもなく。

普段子どもの気持ちを尊重することをほぼできていない私が、自分に言い聞かせるために書いています。

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