全盲なんて、へっちゃらよ!
あたしの名前は、ピナ。
どこで生まれたかは覚えていないけど、生まれてすぐに、とても寒い思いをしていたの。
ママは・・・
あたしを生んで、しばらくは一緒にいてくれて、おっぱいもくれたけど、なぜかいつの間にかいなくなった。
ママがいたときにはまだ明るい光がなんとなく見えていたけれど、しばらくすると、目がかゆくなってきて、開かなくなってきた。
だんだん光が無くなってきた。
かゆい目を、手でこするんだけど、ごしごしこするんだけど、じれったいぐらい何も変わらない。
『ミャーミャー』
一生懸命ママを呼んでも、来てくれない。
『ミャーミャーミャー!』
一生懸命呼んでも、だれも来てくれない。
あたしは、一人きりで寒さをガマンしていた。
一人きりで、目がかゆいのをガマンしていた。
そのうち、なんか目が変。
だんだん、『かゆい』から、『痛い』に変わってきた。
『ミャーミャーミャー!!!!!』
やっぱり誰も来てくれない。
あれ?
右の目が、
コロンと落ちた。
もう痛みも無い。
お腹もすき過ぎて、動けないや。
それでも、一応鳴いてみようかな。
『みゃー・・・・・・・・・・・・・・・・・』
あれ?
誰かが来てくれた。
あ~、体をさすってくれている。
気持ちいい。
あっ、なんだろう。
何かわからないけど、美味しい。
『ゴクッゴクッ』
あ~、美味しい。
お腹もいっぱいになった。
とても暖かいところに来た。
おやすみなさい。
・・・Zzz・・・
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ピナが生まれてから保護されるまでって、きっとこんな感じだったのかな。
ピナが我が家に来て、もうすぐ3年。
全盲の娘は、今日も元気に家中を走り回っています。
ちょっと鼻炎で鼻声だけど、頼もしい、我が家の末娘です!!
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