デジタル払いの課題は。
一昨日、お給料がスマホ決済アプリに直接入金される『デジタル払い』について、子どものお金教育という視点で書きました。
今日は、ざっくりとですが、今後検討されなければならないだろう課題を、考えてみました。
① スマホ決済の会社が潰れたときや、預けてあるお金が不正に利用された時、どうなるの?
PayPayやSuicaなど、スマホ決済の事業者は銀行ではありません。
「資金移動業者」と言って、一応金融庁の監督下にはあるのですが、銀行のような厳しい資産要件などがあるわけでは無く、登録要件を満たせば営業ができる会社です。
たとえば銀行が潰れたときには、「預金者保護法」という法律で補償の仕組みができていて、お客様の預金は1000万円まで保護されます。
一方、スマホ決済事業者が潰れたときの補償は、現状それぞれの会社に任されているだけで、各社共通の仕組みが一律に整備されてはいないのです。
② 使う人にとっては、めんどくさいこともありそう
比較的支払いが大きい住宅ローン、滞ると日常生活に直結する水道光熱費など公共料金は、口座引落しが一般的です。
お給料が銀行口座へ月末近くに入金され、直後にさまざまな引落しがされる場合が多いかと思います。
引落し直前にお給料が入金されているので、結果として未納が発生しづらい、というのが、お給料の口座入金のメリットの一つでもあります。
必要経費を支払って、残ったお金で生活しましょう、と言うFP的に推奨する、模範的なお金の使い方ですね。
これがスマホ決済アプリへの直接入金になると、銀行へのお金の移動をつい忘れてしまったり、移動前に使ってしまったりと、銀行口座からの引落しができないケースが多発するのではと思います😢。
住宅ローンなどそもそもカード払いができず、いまだに口座引落ししかできないものがある中で、スマホ決済アプリへ給与が直接振り込まれると、毎月のお金の移動作業がめんどくさそうです。
③ 利用者が死亡した時、どうなるのだろう?
本人死亡時、銀行預金は「相続」の仕組みができあがっています。
遺族が知らない銀行預金も調べればわかりますし、もちろん面倒くさい手続きはありますが、故人の資産をちゃんと妻や子供などが相続できます。
一方、現金を電子マネー化してアプリに残高をチャージしておくPayPayやLINE Payなど『前払い(プリペイド)』方式のスマホ決済だと、相続や譲渡には応じないとなっています。
あっ、、、すいません。
ちょっと調べてみたら、PayPayは2021年1月15日に残高利用規約が改定され、相続できることを明文化していました。
同様にLINE Payも対応済みでした。
ただし、亡くなった方がどんなスマホ決済アプリを利用していたか調べるのって、どうするんでしょうね。
そもそもロックされているスマホを開けるのが、パスワードやPINを知らない相続人にとっては、一苦労になりそうです。
わからなければ、そのまま消滅でしょうか?
スマホ決済業者から、相続人に連絡が行くとは思えません。
いずれにせよ、給与のデジタル払いにはさまざまなハードルが予想されますが、結局このハードルが一番高いかもしれません。
使い勝手や法律うんぬんより、政治力ですね😁
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