揺らぎが睡眠と関係か?
こんにちは。
揺れと睡眠について書き残します。
2019年スイスのジュネーブ大学病院で行われた実験で、横方向に10.5cm幅、周波数0.25ヘルツで一晩中優しく揺れてる(左右に揺れるサイクルは4秒に1度を繰り返す)ベッドと静止したベッドで、静止したベッドでは深睡眠に達するまで約16分かかりましたが、揺れるベッドでは10分になることがわかっています。
揺れるベッドで眠ると、深睡眠がスムーズにとれたこと、深睡眠の割合が増加したこと、記憶の定着が強まったことがわかり、大人でも揺れによって睡眠の質が向上するそうです。
これは、平衡感覚を司る内耳の三半規管が関与していると考えられています。
アフリカに棲む野生のチンパンジー。眠るときには木の上に枝葉を幾重にも折り重ねてベッドを作ります。ベッドは頑丈な土台とふかふかなマットレスの二重構造。形は楕円のお皿型です。
長野県看護大学准教授、京都大学アフリカ地域研究資料センター特任准教授の座馬耕一郎さんが「ちょっと寝てみよう」と横になったところ「人生で、最高の寝心地!」だったとか。木の上はちょっと怖そうですが、横になってみるとお皿型のくぼみが体を包み込み、木の揺れもまるで揺りかごのよう。やすらかな気持ちで眠ってしまったそうです。
木の上にベッドを作っているのは、ヒトに近縁な類人猿たち。チンパンジーの祖先とヒトの祖先が分かれたのは、約800万~500万年前のことといわれています。そして二足歩行を始めていた人類の祖先も440万年前ごろまでは、木の上にベッドを作って眠っていたと考えられています。人類の長い進化の歴史を考えると「つい最近のこと」のように思えてきます。
音の揺らぎ、風の揺らぎ、光の揺らぎ、自然はいつでも揺らいでいます。
形のない虚無であること、それが現代のヒトにとって一番必要なことなのかもしれませんね。