【ちょっと連載】学生とき親友が不倫してた話①

遡ること10年以上前、これは私が高校生のころのお話。
私は地方都市のちょっと進学校に通う高校生で、仲の良い女子同士の友達グループがあった。
そのうちの1人とは特に仲が良くて、部活がない日はいつもつるんで遊んでた。
その頃はインスタが有名になり始めた初期の初期。
うちらはカフェに行ってオシャレっぽく写真を撮るのにハマってた。
コーヒーなんて苦いとしか思ってなかったくせに。
その子はいつも明るくてゲラでちょっと時間にルーズで実は気にしぃで、私とは正反対の子だったけど、だからこそずっと一緒にいても飽きなかったし何するにもどこに行くにも一緒で、まじで大好きな友達だった。

でもカフェに行くにもほしいものを買うにも、うちらは所詮高校生でそんなにお金を持ってない。
1万円くらいするホテルのアフタヌーンティーとかいつか行きたいよね!なんて2人でよく話しながら2人とも行けずにいたが、ある時からその友達はすごくお金に余裕が出た。
美顔器を買ったとか、〜ホテルのランチに行ったとか。
まぁ部活生の私とは違ってその子はバイトしてるしなんて思ってスルーしてたが、そのうち「今日は予定があって」と遊べない日が増えてどうしたんだろうな?バイト増やしたのかな?なんでバイトって言わないんだろ?って思ってた。

そんなこんなで時間が経ったある日、土曜日の朝公園でウォーキングしようとその友達から連絡があって、(うちらは美意識が高かった)私もその日は部活がなかったのでオッケーした。

夏の晴れた日、噴水がキラキラしてた朝。
ちょっと遅れてきた友達。
いつものことだけどイラっとした私。

最初は便秘すぎてわざとお腹壊す牛乳をがぶ飲みしたという友達の話に笑いながら歩いていたうちら。
ちょうど会話が途切れる機会を伺っていたように覚悟を決めた感じで「実は話したいことがあってな」と友達。
私は最近の友達の様子が前と違っていたことと何か関係があるだろうなと瞬時に察したが、なんか嫌な予感がして「ん?どないしたん」なんてできるだけいつも通りを装って返した。

「付き合っとる人がおるんやけど」
「そうなん!」
「45歳で」
「」
「結婚しとる人なんよ」
「」

時が止まった
理解できなかった

「誰にも言わんといてな」

そらそうやろと思った。
誰に言うねんこんなん。

友達が最近は前と違った理由も私に打ち明けたかったことも、どんなことでも今までと変わらず仲良くできる自信があった。
例えばやばいとこでバイトしてるとか。
でもおっさんと不倫は想定外すぎた。
高校生の私には想像もつかないことだった。

頭に溢れてくるのは
キッッショ!!45歳!?おっさんやん!!
うちの父親よりも歳上やで!?!?
(うちは両親が若い)
いやどうやって出会った!?え、先生やったらどないしよ。てかそのおっさんもあんたも頭おかしいで!!
みたいな嫌悪感と非難。
でもなんか直感的に否定してはいけない気がした。
だってすごく覚悟をきめて勇気を出して私にだけ打ち明けた感じだったから。
きっと自分でも良くないことだってわかってて、悩んで私に打ち明けたんだと思ったから。

精一杯の普通の声で「え、そうなん」
そっからはもう友達の怒涛の語りだった。
出会いはマッチングアプリ(当時はまだ出会い系サイトだったかも)で友達が歳を偽って登録してて、未婚と偽ってたおっさんとマッチングしたこと。
(いやあんたもあんたやで&なんでおっさんとマッチングすんねん)
おっさんがわりと裕福でクレジットカードを自由に使わせてくれること。
おっさんがイケおじだということ。
おっさんには妻と幼い娘2人がいて自宅には行けないからおっさんが別でマンスリーを借りて2人は会っていること。

まって、おっさんやばすぎ。
娘2人おって、自分の娘と同い年でもおかしくない女子高生と不倫できんの。きっっっっしょ。

「いや、わかってんねん。辞めた方がいいのはほんまにわかってる。でもほんまに好きなんやもん。」
「頭ではわかってるんやけど、心が追いつかん。」

いやどうやったらおっさんのことそんなに好きになれんの!?あんたすごいな!?おっさんやぞ!

否定も肯定もできないまま友達がひと通り話し終わりそうなとき、さらなる衝撃のひとこと。
「今からその彼がここに迎えに来るから、会ってほしい」

次回!おぢとの初対面!!
対戦よろしくな!!

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