
不作為の罪は数珠繋ぎ的に保存される
ちょっと変なタイトル付けましたけど、そんなに難しい話ではないので簡単に読み飛ばしてくださると嬉しいです。
先日私も夫も早めに寝てしまった日があったのです。私は毎日早寝早起きなのですが、夫は大体23時くらいまでは起きています。
なのにその日は二人とも20時過ぎに就寝。
そんな時に限ってピンポンとオートロックチャイム音が♫
あー、そういえばAmazonで品物を注文していたんだった!
時計を見ると20:30。
ぐっすり眠っていたせいか、二度目のチャイム音に気付いてロック解除の場所まで移動するも、タッチの差で消滅。
いやいやいや。
普通の人なら起きていて在宅率も高い時間。
重くて嵩張る品物なので再配達はドライバーさんに悪い。
急いでエレベーターに乗ってトラックまで駆け寄り、品物を受け取ってきました。
よかった。間に合った。
ふー!
と、同時にずーっと眠りこけている夫に無性に腹が立ってきました。
だって夫の方が私より断然チャイム場所に近いところに寝ているのに気付きもしない。
私がバタバタ出入りしていることにさえ気づかない。
なんでやー!!!
ここでわたしの脳味噌に変なスイッチが入ります。
タイトルの通り「不作為の罪は数珠繋ぎ的に保存される」です。
簡単に申し上げますと、私が夫に【やってほしかったのにやってくれなかったこと】=不作為
が、頭の中に数珠繋ぎ的に芋づる式に飛び出てくるのです。
よく箱の中から国旗がいっぱい付いた紐が出てくるマジック?ありますよね。
あれです。
あれが私の頭の中で起こるんです。
なんでそうなるかは私にもわかりません。
女性脳?とかに関係あるのかも知れないし、単に個性なのかもしれません。
脳科学とかに詳しい人がいたら情報求む!
そう。私の脳がコンピュータだとすると、どうも【やってほしかったのにやってくれなかったこと】がラベリングされていて、その中にいっぱいその記憶が詰まっているみたいなのです。
だからAという記憶がBという記憶を呼び、それがCに連鎖していくのです。
例えば息子が赤ちゃんの頃、息子も私も朝から熱があったのを承知で夫は飲み会に行き、どうしても私がしんどくて飲み会先に携帯電話で早く帰ってきてほしいと連絡したこと。
これは要約すれば朝の時点で夜の惨劇はある程度予測できたはずなのに夫がそれを無視して自分の都合を優先させて起きたことです。
朝から飲み会を断ってほしかったのに、断ってくれなかった不作為の罪として私の記憶に刻まれています。
物凄く強烈に。
宅配便のチャイムに気づかなかったことと、20年以上も前の出来事に何の因果関係が?
と、夫はいつも変な顔をしますが、私の脳のOSが「不作為の罪」という同じ名前のフォルダに入れてしまっているので、まるでコルクが空いたワイン樽のようにこのような記憶が次々と飛び出してくる事になります。
一旦この状態になると、私自身にもそれを止める方法が思いつかず、数日どんよりして暮らし、時間が解決してくれるのを待つしかありません。
この「不作為の罪」フォルダはかなりのボリュームがあり、ほとんどが先程の例に挙げた通り子どもが幼い頃のものです。
その頃の私は恥ずかしい話ですが、まだ性的役割分担の呪いにかかっていて、専業主婦なのにきちんと家事や育児が出来ないのは母として、妻としてダメだ!と思い込んでいました。
夫ももちろん自分が親になった自覚が薄く、独身時代と変わりない生活態度。
ほぼワンオペ育児ですね。
何度も夫にはもう少し早く帰って来られないか?とか出張の数を減らせないかと頼んだ覚えはあります。
何しろ双方の両親や兄弟など頼れる人が居ない環境でした。
夫の育休なんて1ミリも考えもしませんでした。
一番きつかったのは、やはり子どもの命に関わる決断でした。
幸い大きな病気もせずに成長してくれましたが、どんな子どもでも熱は出すし、感染症やインフルエンザ、皮膚病などにはかかります。
その度に、今日は一晩様子を見ようか、それとも夜間の救急外来に行くべきか迷いました。
夫は知らんぷり。
或いは傍観者。
っていうかその判断、私だけでするの?
私が間違ったらこの子どうなる?
その夫の当事者意識の欠落こそが私の頭の中に
「不作為の罪」というファイルを作った原因かと思います。
当時の私はその事を夫に直接は言えませんでした。
私の意識の中にも子どもの事は母親の領域という変なこだわりがあったからです。
今、その時の私にタイムスリップ出来るなら私は私の頬っぺたを引っ叩いて、「夫婦二人の子どもなんだよ。二人で相談して決めなさい!」と叱り飛ばしたいくらいです。
だから「不作為の罪」の記憶がズルズルと頭の中からこぼれ落ちて来る時は、夫に対して腹を立てているのか、はたまた、その時の自分に対して怒っているのかがはっきりとしないのも事実なのです。
たぶん私は私自身にも怒っているんだろうなぁという意識はあります。
これからもこの「不作為の罪」ファイルは増え続けていくのでしょうか。
それとも時間が経てば脳の処理能力が都合よく良い記憶に上書きしてくれるのでしょうか。
そんなこともあったなぁ。
懐かしいよねー。
なんて。
いやいやいや。
今のところ私の頭の中にある「不作為の罪」ファイルはまだまだ赤く点滅していますけどね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。