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会社の経理業務を一から十までやってみることで一回り成長できた新米経営者の言葉。


みなさん、こんばんは。

私は、「株式会社ピープルズ」という会社の執行役員及び経営企画部長であり、その子会社である「スーベニール株式会社」の取締役を務めています。
※私の自己紹介の記事はこちらをご覧ください。
⇒普通のOLだった私が、ある会社の社長になった、たった3つの理由。

私は、現在はピープルズホールディングスに所属していますが、前回の記事(社会人歴13.5年+α=採用担当歴の私が、学生のみなさんに伝えたいこと。その①”就活編”)でも少し書いたように、私は2007年4月に新卒で創作京履物伊と忠を運営する、「株式会社伊と忠」に入社してから現在まで、様々な仕事に携わってきました。
有難いことに、人数が少ない時から携われていたことにより、物流、仕入れ入力や原価計算などの管理業務、採用・人事及び労務の業務、商品企画、店舗運営、販売、営業、広報、展示会企画、経営企画、ブランディング、ブランドマネージャー、MD、バイヤー、コンサルティング、店舗の設計施工関連、コーポレートサイトの立ち上げ、時にはDM作成やデザイナーのアシスタントとして色補正や切り抜き、、、と弊社の中の仕事は一通り経験した、という自負があります。
そのおかげで「会社の業務というものは、部署や担当に関わらず全てが1本の線で繋がっている」ということを自然と体に落とし込めたことで判断の視野を広げられたことは自分にとってとても大きく、今の仕事観にもつながっています。

今回は、タイトルにも書いた通り、❝経理❞という業務について触れたいと思っています。
私が初めて❝経理❞の仕事に触れたのはちょうど1年前です。
ピープルズでは、経理・労務などの管理業務をグループ会社に業務委託していたのですが、ボリュームや指示系統などを考え、自社内で運営していこうと決め、体制変更し、管理部門を作りました。その際、経営企画部だった私が、経理部門の管理を行うことになりました。
その頃は、実際に作業を行う訳ではなく、仕訳や処理の仕方で迷った時の相談役という程度で、正直経理業務についてはほとんど理解しておらず、判断が必要な部分は結局は社長に確認するだけの連絡係のような仕事の仕方をしていました。先に書いたように、仕事は全てが1本の線で繋がっていると言いながら、経理業務だけは専門的であり異質だと捉えていた私は、正直自分の仕事にできていませんでした。

ここで転機が訪れます。
それは、自身が取締役になったこと。もう一つは、社内の経理ソフトをクラウド上のものに変更しようと決め、ソフト移行のプロジェクトがスタートしたことです。

新米経営者の仲間入りをしたのだから、前々から社長にも指摘されている数字を担う経理業務に二の足を踏んでいてはあかんな、とはいえどうしたものかな、と考えていた矢先、経理ソフトをマネーフォワードに切り替えようと思うという話が社長から挙がり、顧問の税理士の先生と相談しながら進めていくこととなりました。はじめは保険のため、元々のソフトと併用しながら1社のみテスト運転を行い、問題なければ切り替えるというものでした。

この経理ソフトの切り替えについては、前々から議題にあがっていたのですが、慣れたものを変えるというのはなかなか難しい上、お願いしている税理士事務所側でも使用しやすいものでないといけないなど、なかなか前に進められていませんでした。
しかし、店舗数も動くお金もどんどん増えていく中で、自動で口座情報やクレジット使用情報などを吸い上げてくれることにより、1/3は時間短縮されること、一度入力した情報は記録され自動的に勘定科目などが表記されることにより、私のような資格の無い人間にも理解しやすいことなど、クラウドサービスによる弊社のメリットは大きく、このコロナ禍で時間的に経営陣が動きがとれる間に切り替えようと決めたのです。

コロナは、私たちに本当に試練ばかりを与えてきていますが、私にとって唯一良かったことは、この業務に時間を割けたこと、あとはすき間時間に勉強ができたことだと思っています。
実はさかのぼること1年前、管理部門が会社にできると決まった時、「簿記講座2・3級」を有料で申し込んだのですが、忙しいと言い訳をし、テキストと講座のDVDも第一回しか見ていないような状態でした。
私のような弱い人間は、追い込まれないと本当にダメです笑、危うく10万円棒に振るところだったのですが、これを機に1日1時間、日曜は5時間勉強すると決め本棚の奥の奥に入っていたテキストを取り出しやり始めました。
やっぱり当事者であることが仕事で大切だと思うのはこういうことで、不思議と頭にすっと入ってくるようになりました。前回勉強しようとしたときには、本当にさっぱり理解できなくて「これは向いてないわ~」と思っていたのですが、すんなり理解できて先に進みたくなる。❝当事者スイッチ❞が入った感覚、私はとても気持ちよく好きなのですが、久々に入れなおせた感じがして本当に良かったと思っています。


という訳で、経理業務をスタートした訳ですが(6月から運用スタートし、現在ではグループ4社を切り替えています。)ここからは、私が新米経営者として、この経験により一回り成長できたと思う部分と、陥りやすい失敗について記載したいと思います。

まずは、これは初めてすぐに、経費削減できるものを洗い出しすることができました。実際の店舗運営や買掛・売掛の担当をしているものと、経理作業をしているものは、多くの場合担当者が違うものです。弊社もそうでした。そうすると、規模が小さいうちは問題ないのですが、その連携が取れないことによる無駄な経費が様々な場所で生まれるものです。
そういったことに、運営の責任者である私が気付かないはずありません。この部分は弊社の社長も常よりチェックしている部分ですので、大きな経費で問題があるものはありませんでしたが、細かい修正は私の目線ですることが出来ました。例えば店舗ごとの携帯プランの変更、月額の引き落としから年額の引き落としにすることによる割引、など笑。細かいですが、積み重なれば大きいものばかり。あとは実際の結果と比べることができる立場にいるために判断に活かせることなどもあります。この採用費用は本当に結果に沿っているか、この広告が必要だったか?など。
意外と今まで、リストチェックしていただけでは気付かなかったことが、仕訳してみることで気付く。こういった小さな修正は、やりはじめてすぐ、可能です。

次によかったことは、大きな金額の数値が頭にすっと入ってくるようになったことです。1日1店舗の売上が20万円、それが40店舗あって、それが30日で、、、と積み上げていかないと想像できなかった大きな金額の金額感がすっと入りやすくなりました。それはきっと、毎日触れることで金額に慣れたこと、そして、枝分かれした最後の部分から積み上げていく考え方ではなく、根本から降りていく数字の見方ができるようになったことがあると思います。
また、知っているけど理解が出来ていなかったなと思うのは特に減価償却や販管費のこと。これは簿記の勉強と合わせて確認することで、一般的な考え方とうちの中での割合なども知ることが出来ました。もちろん意味と仕組みはわかっていましたが、実際の項目や数値をみることで、より身近に実戦に活かせる感覚が今はあります。

そして最後に、これが一番の収穫なのですが、目の前で動いている数値をベースに判断したり、意見したりできるようになったことです。
これにより、毎月みていたはずの採算表の見え方が大きく変化しました。
言葉にするのが難しいのですが、例えば、事業の中身の内容を考えるにしても、その事業の視点から一歩離れて、その事業にとって最適かということだけなく、会社にとって最適か、ということも一つの判断や意見をもつ材料にすることができるようになったという感覚です。まさか、経理の業務をすることが、事業計画の中身にまで影響するとは思っていなかったのですが、経営をするということと事業をつくることの圧倒的な差を感じています。

この感覚が少しずつ影響し、ブランドや事業という目線だけでなく、経営を行っている企業という目線で、他企業に興味を持つようになりました。新聞とかもちょっと読んでみたり、そういうニュースだけネットで集めたり。私にとっては大きな進化です。

そして最後に絶対に陥ってはいけないこと。
ここが経営者が行うか、経理担当者が行うかの違いだと思うのですが、この経理業務の目的が何かを忘れてはいけないということです。

実際にやってみるとわかるのですが、勘定科目、補助科目、部門、摘要、、、この入力作業、時間をかけようと思えば思うほどかけられる上に、綺麗に整ったものを作成しようと思うと膨大な時間がかかります。
また、数字をピタッと合わせることが大事ですから、何か間違いがある時、その原因追及をしようとする作業、、、これも膨大な時間がかかります。
100%を追求しようとすると、機械のような精密さが求められる業務です。私も最初は(今もたまに陥りますが)この入力が終わるまでは12時間でもやっていたい!!という気持ちになってのめり込んでました。

しかし、経営者にとって重要なのは、現時点の会社の状況を数値から読み取り、何より早く経営判断をとることにあります。決して100%の完成を待って、その完成したものを見ることが大事ではないのです。
もちろん、適当なものを作成していいという意味ではありません。要はバランスですが、税理士の先生のために作業する訳でも、誰もが素晴らしいと言ってくれるPL/BSを完成させるために作業する訳でもなく、自社の経営のため、正しい数値を把握するためだということを一義に行うこと。(あまり時短しすぎると、税理士の先生に叱られますが)とても大事だと思っています。

さて、今日は、私にとって現在進行形の経理業務についてお話しました。1年前は決して言えませんでしたが、今は自信をもって、経理業務も行っています、ということができるかなと思っています。経理業務も含めて、仕事は1本の線で繋がっており、より私の線は太くなったなと思っています。
と、偉そうなことを言っていますが、2月の決算をまだ経験していないので。。。3月何とか乗り越えて、また1歩成長したいと思います。



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