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日本人は勉強嫌い?
ここ数年、日本では「勉強」がブームになっています。
本屋に行けば、「効率的な勉強方法」、「知識を高める勉強方法」みたいなタイトルの本がたくさん売っています。
ネットを見れば、上記と同様のタイトルがついた記事がかなりある。
このようなことから、勉強は日本人にとって重要な関心事だと言えるでしょう。
それゆえ、「日本人は勉強嫌い?」なんていう記事タイトルを見たら、あなたは不思議に思うはず。
でも、実際のところ、日本人の多くは勉強嫌いなのです。
勉強をして知識を身につけ、その知識を自分の「血」とするには時間がかかります。
資格や受験で結果を出すためにはある程度、ストレスをかけなければいけません。
でも、苦労したり、ストレスをかけたり、長期的に勉強するのがイヤだからこそ、「短期間で結果を出す方法」とか「3か月で英語の偏差値を70に上げる方法」というようなノウハウに皆飛びつくのです。
厄介なのは、上記のようなノウハウ知識を提供する人たちは完全に善意で、多くの人が勉強を好きになってくれたり、正しい勉強方法を身につけてほしいと願う一方で、受けとる側の人たちは「苦労せずラクをして結果を出したい」と思っていることなんですよね。
つまり、勉強が本当に好きな人と嫌いな人との間に願望のミスマッチが起きている。
勉強方法や知識を提供する側の人たちは、おそらく高学歴であり、結果を残してきた過程で勉強の楽しさを見出だしたのだと思います。
そういう体験を多くの人にしてほしくて、情報を提供しているはず。
しかし、彼らは最初から勉強方法や効率性などを見出だせたわけではなく、いろいろ試行錯誤を重ねた結果、ベストな方法を見つけることができたと思います。
これは実際に経験した人でないと身につかない。
しかし、多くの勉強嫌いな日本人は表層的な努力しかせずに、「ラクに効率的に結果を出したい」と思っている。
それゆえ、勉強方法がブームになっているのに、なぜか勉強ができる人があまり増えない、仕事の生産性が上がらないという滑稽な社会が生まれるのです。
結局、日本人は真面目に頑張っているふりをしたい。
「勉強ブーム」からは、日本人の怠惰さを感じずにはいられませんね…。