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会社を変革するには?社員を変えるには?-赤裸々な組織変革の現実

ある会社の社長が言った。

景気がこんなに落ち込んだのは政治のせいだ。おかげで当社の業績もガタガタ。政治家は自ら責任をとるべきだ
・・・選挙により政治家の顔ぶれは変わったが、選挙前の言葉とは裏腹に、成したこととその根底にある精神はこれまでのものと何も変わらかった。

その会社の役員が言った。

会社がここまで悪くなったのは社長のせいだ。社長は自ら責任をとるべきだ
・・・しかし、それを言った役員本人の行動とその根底にある精神はこれまでのものと何も変わらなかった。

その会社の部長が言った。

皆、内心ではまずいと思っている。それが危機感としてまとまり前向きになれないのは役員のせいだ。役員は自ら責任をとるべきだ
・・・しかし、それを言った部長たちの行動とその根底にある精神はこれまでのものと何も変わらなかった。

その会社の課長が言った。

俺たちはやっている。努力が実を結ばないのは部長のせいだ。部長は自ら責任を取るべきだ
・・・しかし、それを言った課長たちの行動とその根底にある精神はこれまでのものと何も変わらなかった。

仕事にも慣れ、ようやく一人前として会社に貢献し始めた同じ会社の若手社員たちが言った。

俺たちは間違っていた。不満を言い批判する前に、今何ができるかを考え、行動しよう
・・・そして、口に封をし、黙って実行した。

さて、政治家の話しはさておき、社長~課長までと若手社員を比較すると、何が顕著に異なるか?
・・・「他を批判しておきながら、自分は変わろうとしない/変わらない」点である。

そして、この会社の若手社員たちに声をかけるとしたら何と言うか?
・・・私は「今すぐ転職しなさい」とアドバイスする。

上が変わらない限り、会社は変わらない。
下が頑張っても、途中でつぶれる。
下が頑張っても、途中でつぶされる。

これが組織変革の現実です。

出所:中沢努「思考のための習作」

(初稿)2010年 6月28日