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パトゥムタニ日記 vol.1 〜バナナのはなし〜

南国タイ パトゥムタニ県からこんにちわ。
タナカーンさくらです。

タイは今、乾季。
暑季、雨季、乾季のシーズンの中で1番過ごしやすい季節です。
昼間は30℃を超える気温も、夜は20℃前後に下がり
なによりも空気が乾いて気持ちがいいです。
家の周りでは、雨季の雨をたっぷり吸ったバナナが実りはじめました。

さて、バナナ。
タイ語でクルアイ。「る」の音が短くて“クルアイ”って感じ。
タイでは赤ん坊の離乳食に使われて、
ほとんどのタイ人が人生最初に口にする果物です。

これがバナナの花


大きさ30センチくらいです。
赤紫色の部分は苞葉というそうで、クリーム色のぴらぴらが本当の花。
ここが結実してバナナになります。
上の方はバナナが実っていますので、
そろそろ花は切り落として食べちゃいましょう。
炒め麺料理パッタイの付け合わせに生で食べたり、
魚や鶏肉をバナナの葉で包んで蒸すホーモックに刻んで入れたり。
エグ味があるけど、癖になる食感です。


実は、バナナというのは草木で木ではないのだそうです。
切ってみるとよくわかりますが、茎の部分はスポン状の空洞になっています。
タイで最も美しいお祭り、灯籠流し(ロイカトン)の灯籠は
このバナナの茎を10センチくらいの厚さに輪切りにして
花や蝋燭で飾りつけたものです。

そしてバナナの葉
大きさは1メートルくらい。

食材を包んで焼いたり蒸したり。
臨時の鍋敷きやお皿として使ったり。
簡単な出店なら屋根を拭くのにも使います。

バナナの葉で包んだカオトムマット
中はもち米をココナツミルクで炊いたお菓子です


昔、主人の田舎で 雨に遭った子供達がこの葉を傘にして
走って行くのを見かけました。
何とも南国らしい、可愛い景色でした。


バナナの葉は、最初は芯に固く巻き付いた状態で、
2日くらいかかってゆっくりと開いていきます。
薄緑の若葉がゆらゆらと風に吹かれて開いていく様は、
なんとも言えない風情があります。

最初は細い棒状


少し開いてきました


そしてこんな感じになります



20年以上前、我が家を建てて間もない頃。
産まれたばかりの我が子に乳をふくませながら
揺れる葉を一日中うっとりと眺めていた、幸福な日を思い出します。


しかし、しかし、ご用心。
バナナの木の下にはピータニーという精霊がいるそうです。
夕暮れ時に木の下に立って、可愛い男の子を手招きするのだとか。

「いつまでも外で遊んでいると、ピータニーにさらわれるよ。
早くお家に入りなさい」

タイのお母さん、おばあちゃんが何世代もの間 繰り返してきた言葉を
今日も孫息子にかける私です。


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