『ストップモーション』の話
※作品のネタバレを含みます
今日も起きれました。
昨日も夜更かししたので眠いし、頭痛がとにかく酷くてなかなか起きれずにいました。
さて、昨日の夜は『ストップモーション』という映画を観てきました。あいも変わらずホラー映画です。まさか2週間で3回も映画館に通うとは思いませんでした。インフルのせいです。
あらすじとしては、ストップモーション作品の巨匠である母が病になったことで作品作成を手伝う主人公のエラ。母が意識不明になったことにより一人で作品完成を目指すが、なかなかうまく進まず……。そんなとき一人の少女と出会い共に作品作りをするが。
そんな感じでしょうか。
私はこの映画をめちゃくちゃ怖く感じました。少し泣きました。怖くて泣くのは久しぶりかもしれません。
他の人の感想を読むとそうでもなかったっぽいので、多分自分の情緒とか主人公に感情移入してしまったことが原因かもしれません。
ではネタバレを挟みながら私が感じた3つの恐怖について書こうと思います。
1つ目は『現実と虚構が入り混じり、よくわからない怪物に襲われるジャンプスケア的恐怖』。
これはまぁよくあると思います。自分が作ってる作品に登場する得体のしれない怪物に襲われる。恐ろしいですよね。正直「ここで来る!」というのは分かったので思わず目を逸らしてしまいました。
2つ目は『自分の作品に殺される』恐怖。
作品に命を吹き込む、というのはよく聞く話です。絵であれ彫刻であれ文字であれ映画あれ何でもそうですが。今回エラは自分の作品に取り込まれてしまった、と思っているのですが、自分の生み出したものに命が宿り自分を襲う。本来良いとされていることが、現実世界に反映されて本当に襲われる。物を作る人間的には恐ろしく感じました。
そして3つ目、これが一番大きいのですが『才能がないことに気がついてしまっているけど、続けなければいけない恐怖』。
これって世界共通なんだなって思いました。
エラは母親に『puppet(操り人形さん)』と呼ばれているように、終始誰かに操られています。最初は母親、最後は少女に。最初の作品は母親のもので、最後の作品は少女が考えたもの。自身は「何も思いつかない」「私には才能がない」と最初から言っています。
そんなに沢山自分を脱却しようとすればするほど操ってる糸が絡まって身動きが取れなくなるように、どんどん窮地に追い込まれています。
私も小説の才能がありません。それには大学時代に気がついてしまいました。もしかしたらエッセイだって、そもそも文字を書くことすらうまい人、成功してる人から見れば滑稽なのかもしれない。でも、そういう人は笑ったりしないんです。「頑張れ」って、「いい感じだよ」って、「面白いよ」って、言うんです。それしか言えないから。自分はどんどん先に行くのに。
輝く人になれなくて、なんとか藻掻いて答えを出せなくて沈んでいく。私はエラがそんな風に見えて、本当に悲しかったんです。
エラはどうしたら救われたんでしょうか。
私には母親が倒れた時に映画作成のすべてを辞めて、彼氏と結婚やらなんなりして穏やかに暮らすべきだった、としか思えないですよね。
と、ここまでつらつら自分の感情移入も含めて書いていましたが、一個めっちゃつっこみたかったことを書きます。
エラの彼氏はいわゆる『理解のある彼くん』だったので、ずっとエラを気にかけ続けます。そんな中でエラが倒れ入院したときについにブチギレます
エラの彼氏『芸術家気取りが!もういいよ!』
私(だよなあ……もう巻き込まれる前に別れるよな……というか別れたほうがいいよ)
彼氏『全部俺が終わらせてくる!!!』
私(!?!?別れないん!?!?)
という徹底した理解のある彼くんでした。理解のある彼くんって世界共通なんですね。
作品内で本当に使われていた人形が置いてあったのですが、観る前と観たあとでは印象が随分と違うなと思いました。新宿のシネマカリテで見れるのでぜひ行ってみてください。
そんな感じです
それではおやすみなさい